よっと!おおっ!!
「かっけ〜ぇ…。うちも後で載せて貰えないかな…」
うちの前を高速で疾走する戦闘機。見た目はかなり無骨でいて滑らかな装甲と、たぶんステルス性能も持ち合わせた、現代で言うところの少し昔にあったって噂の型に似ている。
なにがすごいって?その機体は灰色の三角の板のような形状なのにかなりの機動力を持ち合わせているとこだな!
あの感じだと出そうと思えばもっとスピードも出せるな。しかもかなり小型。かつ低空、低速飛行などを得意とする機体と見た!
実際、この時代の防衛省は戦闘機なんてものは配備していない…。いや、配備する必要が無いから、歴史博物館とかで展示されているものを見るのが初めてである。
そんな代物が!ちょっと違うとはいえ間近を飛んで興奮できない男がいようか!!うちは女だがな?
ともかく、戦闘機はノア周辺を周回するように飛んでいるが、途中で全機が高度を上げ始めた!!
そのまま高高度まで上昇。そのまま今度は機体を下に向け、どんどん加速していく。
狙うは下にいる敵プレイヤー達だろ!さぁ!何が出る!?
バシュバシュバシュッッン!!
なっ!なにっ!!あれは!!うちでも再現はまだできてないんだぜ!ワイヤービーム弾だっ!!いいなぁ!うちの巨砲にも撃たせてやりたいぜ!
ワイヤービーム弾はそのまま、光ながらも横に1m程伸びていき、さらにそのまま敵プレイヤーに襲いかかる。全機体が一斉にワイヤービーム弾を発射したおかげでかなりの密度だ。ワイヤービーム弾は魔弾でも無ければ、魔法でもない。つまりは化学が生み出した物理攻撃だと言える。
そして、物理に密度飽和限界なんてものは無い!!
「なっ!ぐはっ!?」
当たれば、その熱量でほとんど即死だぜ。
密度飽和限界が無いから逃げ場なんてほとんど無いだろうけどな。
次々に被弾していくプレイヤー。果たしてやられた奴らの中に、この弾を知ってる奴はいるか?なんて言ったって、最後の戦闘機の主兵装だぜ!あの弾は打ち出して直ぐに、真横に伸びていく。ビームだ。うちの【ドーン】とかもビームだが、あれとは少し違った種類のビームになるな!うちの【ドーン】は広範囲をEP消費で作り出したエネルギーで焼き払う技だ。
しかし、ワイヤービームは、高出力のパルスエネルギーを指向性を持たせつつも、結束。及び停滞させて飛ばしている。いわば昔の光るセイバーだな!
ちなみにこの弾。結束しているだけで固定はしていないので、横一直線に伸びるとは限らない。たまに曲がった状態で飛んでいく。
いやー!上からの眺めはいいぜぇ?
結構、殲滅できたとは思ったんだが、今度は、そんな厄介な戦闘機目掛けてプレイヤー達が弾幕を飛ばす。
だがしかし、戦闘機の軌道力は素晴らしく高性能なので、そのことごとくをヒラヒラと躱していく!次いでに戦闘機って物理的に存在する乗り物だからなぁー?
ことごとく、魔弾は戦闘機の機体に当たってもパンッ!と弾けるだけでダメージと言えるだけの衝撃にはならない。
弾幕に当たってもダメージお与えられないことに痺れを切らしたのか。さらにプレイヤーは戦闘機目掛けて上昇していく。
いくら戦闘機が速いと言えど囲まれるように敵プレイヤーは戦闘機を360度方向から捨て身で剣を持って突っ込み始めた。
バカか?あいつら。さすがに剣やら斧やらで戦闘機に体当たりは無謀だろ?
うちならビームで撃ち落とせそうなんだが…。
しかし、相手もそこまでバカでは無かったらしい。通常の弾幕が効かないと解れば、〔爆破〕などの物理的に影響を与えられる魔弾で攻撃を開始した。ちっ!〔火炎〕なんか使うなよっ!綺麗なボディに傷が着くかもしれねーじゃねーか!
更に…。
ドコンッ!!
「あっ!!!?!?」
敵プレイヤーのハンマーによって翼の部分に攻撃を食らった戦闘機が墜落していくっ!?
「な、なぜ…。はっ!〔気力〕かっ!!」
うちの考えは当たっているらしく。気力を纏ったプレイヤーがどんどん戦闘機に接近していく!くそっ!これ以上撃墜されてたまるかっ!
「【オートパイロット】っ!」
『おいっ!戦闘機!カウントダウンに合わせて上昇しろっ!』
『『『『『『『了解!』』』』』』』
『5…4…3…2…』
「【チュドーーン】!!!」
1
一斉に上昇しだす戦闘機7機。それを追いかけるように上昇する敵プレイヤー。
「ビームは何も。戦闘機の専売特許じゃないんだぜ」
巨砲が宙に浮かびながら放ったその極太ビームは、はるか遠く。たぶん、向こうは気づいてなかったであろうミカから放たれる。闘技場周辺のエネルギータンク上空から、博物館側へ放たれたビームは横なぎに払われプレイヤーを殲滅していった。
「あっ…」
『南のビルの下にいるやつは逃げろォ…』
そのまま、いちばん高いビル。ナユカとユキが一度爆発したビルを巻き添えにして。
『ミカさん?建物破壊しないで貰えます?そのビルうちのなんですけど』
『わ、悪い…。勢い余ってやっちまった…』
どこかで見ていたのか、インフォメーションコーポのリーダー。セリエルはミカに小言を言ってきた。
『大丈夫です。チャンネル違うので、戦争終われば戻るでしょうから。次から気をつけてくださいね?』
『す、すまん』
戦闘機が出てきて、エキサイティングしていたミカにセリエルはしっかり釘を刺したのだった。
「無事で何よりだぜ…。後で載る機体が壊されたら堪らねー」
ミカのおかげで無事な戦闘機を見ながらそんなことを言う。やっぱりミカはミカちゃんだった。
作者コメント
今回、戦闘機関係の兵装などにアイディア協力していただきました!一緒に考えてくれた方!ありがとうっ!!
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