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D,S(diamond)

R×2 71  私の歌声で、ちからを集めて

公開日時: 2023年2月10日(金) 09:11
文字数:3,827




「【ニワタリの使命(ニュークリアロード)】」


 空が光り、海面が燃え出す。



「はぁ!?」


「海が燃えてる!?」


「な!?全員海底に!水温が急激に上昇しています!!」


「ここ海なのだが…」



 海面そのものが燃えだし、実質海と空の境界線にボーダーが引かれ、さらに海水が急激に沸騰状態になる。



『ナユカ!ニワトリがそっちに!!』


『うん』


『逃げて!』


『向こうの方がスピード速い。そしてここ以外に私が歌える場所もない。つまりここで、あいつを「どうにかしないとね」』


『ナ、ナユカ!?…できるの?』


『任せて、出来れば早めに出てこれるように。それまでの時間は最低限稼ぐよ』


『了解』



 海中に潜っているユキ、ビュアさん、ヒカリさん、アキアカネさん、ランプさんにカルマさんも、空中へ出てくることは出来ない。


 ニワトリさんもそれは一緒で、海中に入ることは叶わず、空中にしか居られない。


そんな海中と空中の境界が隔てられ、彼のフィールドである空中に、私は「閉じ込められた」。


 大きく羽ばたき、この燃え盛る体を私がいる高度まで高める。間奏を引き伸ばし、いい感じの音色にしつつ、鳥が昇って来るのを待つ。

 私1人、空はニワトリの領域。圧倒的な体力差。回復能力。そして常に燃え盛るその熱量は近付くだけで無事では済まない。



 そして、ニワトリは私の目の前に滞空するまで到る。



「にげないこっこか?1体1。圧倒的に不利なこの状況なら逃げるだろうに。それとも諦めたこっこ?下のものより支援特化ソナタは弱かろうに。先に潰せるなら潰しておくこっこ」


「逃げる?逃げないよ?私は逃げるのは嫌いだから。私はユキ達と違って支援しか出来ないけど。それでも全力で自分ができることを歌う!」


「そうコケか…。なら潔く、一撃で逝くコケ」


 目の前に広がる弾幕は太陽を背に、無数の輝きと熱を放つ。一撃で?確かに私なら一撃で倒せるかもね。でもそれは!



「当たればね?」


「なっ!?」


 私はその迫ってきた弾幕を全て躱す。ひとつのダメージも、それこそ熱ダメージすら受けずに。


『歩出した 世界の中 今は儚いその 一等星

 その君の足音は 恐怖 寂しさ 決別ノ明晰夢

 喜怒哀楽の歌を 空へ届ける』



 歌う。歌が私を強くする。色々と…。




 『空へ憧れ 雲に飛び込み 高く舞う

 速く! 熱く? 全てが見える。 ちから。』


「な、何を1人でできることなど無いこっこ!」


 そうだね。私一人だと、弱い。でも私にはユキがいる。リリースのみんながいる。あの時も、みんな居た。歌はリアルも巻き込んで。ここにちからを集める。


『汝、我を望む?』




 いや、このくらい自分で集めるよ。





 『まだまだ続く』




 このくらいのこと、私だけで。じゃないとちからに頼りすぎもよくないと思うから。



 『共に。 もっと! ずっと! 動け! いけ!

 あまたの〔心〕 それぞれの「思い」

 魅せよう 個性がぶつかる 私の歌』


 私だけの歌声で、どこまで集まるか。あの時ほどとは思わないけど。同じ位、アイドルとしてできるようにならないとね。




『Are you ready?』



 さあ、始めよう!


 ニワトリさんも次で決めると言わんばかりの弾幕。そして太陽のマークがでかでかと描かれている…。あれ?丸くないね?でもたぶん〔魔法陣〕を展開する。



「【天照大御神イメージパス】!!」



 うわぉ!今度はニワトリさん!なんか大きな、ほんとに巨大な火の鳥…。太陽になってる感じ!!そんな巨体からまるで一斉射撃がごとく、小さな火の鳥の弾幕が、波状攻撃のように何回も飛んでくる。

 しかもこれ、かなりの速度かつ、追尾機能付きだ!



『集まって! ここに』


 鳥弾をあえて距離を詰めるようにして、前身、ホーミング軌道と曲がれる限界値を読み、その隙間へ体を通す。


『集めて! ここから』


 通り過ぎた瞬間から、今度は鳥弾幕は進行方向を真反対に回るように変え、未だに私を追いかけてくる。前からは次の鳥弾が私目掛けて飛んでくる。


『変わるGAME 変わるBARRAGE

 あなたは唯一無二のREAL』


 私も弾幕を展開。私の後ろ、軌道上に停めるようにばらまいていく。前から来る鳥弾は直前まで少しづつ右により、私から左手に集中するように仕向け、近づいてきた段階で減速、〔ジャンプ〕で左に進路を変えて躱す。そして後ろに〔爆発〕をつけた魔弾を1発。


ドーン!!


 鳥弾は跡形もない。


『さぁ! 始めよう 闘いを

 これは 私たちの決意 その声を』


 私も技を放つ。だけれども今は「声」が使えない。だから、即興でいつも通りに似せた弾幕を放つ。


 私の周りに浮かぶ五芒星が現れ、そこから弾幕が雪崩のように飛び出す。前より密度高い?あ!〔飽和限界突破〕か!


 『いま解き放て!!』


 ついでに歌詞に合わせて放った弾幕が前方に急激に伸びる!さながらレーザーのごとく真っ直ぐに!




間奏。



 その弾幕の密度に驚きながら回避を試みるニワトリだが、その大きな体。この密度、広範囲、避けきれないでしょ?全部受け止めて!


 

『その光を探していたんだ』


 双方、一旦距離をとる。


『その楽しみを探していたんだ』


「いい笑みこっこ。次こそ落とすコケ」


『確かにある繋がり 今のここにある』


 双方、魔法陣を展開する。うん。終わりと同時にくるね?さあ、ラスサビだよ!!



『集まって! ここへ

 集めて! ここまで

 変わるGAME 変わるBARRAGE

 あなたは唯一無二のREAL』


 魔法陣から私は大量の水を出す。全身にまとわりつくように、わまりながら渦巻く水は盾に。


 一方ニワトリは、その巨体を使い私に体当たりと、羽で叩こうと攻撃してくる。さらに!


「【日没ノ日ロスト】!滅べ!」


 直上から落ちてくる…。太陽!?


 私は咄嗟にジャンプで軌道を変えつつ、スーパーアクセルでその場から離れる。熱ダメージは水のおかげかかなり危なかったけど抑えられたみたい。水の盾は全て蒸発している。


状態異常:放射線被曝


 うわぉ!?なんか体力が減っていってる!!歌ってる私の体力ってかなりの速度で回復していってるのに!?



『ッ!集まって! ここに』


 うっ…なんか歌いにくい。デバフ…。


『集めて! ここから』


 なんとか歌声は保ちつつ、油断しないように弾幕を飛ばす。大きな体のニワトリにはよく当たる。


『変わるGAMERS』


 が、1つ問題が生じた。


『変わるBARRAGE』


 私が避けた太陽がそのまま落下。そう下にいたユキ達目掛けて落ちていくのである。


『あなたは唯一無二のREALITY』

 

 がもう着弾まじか、さすがに海とも言えど、あの熱量の塊が落ちればただでは済まない!


『GAMERS BARRAGE REALITY』


 私はもう間に合わない。


『ユキ!!』


『任せて〜』



ドーーーーン!!!!!


 今度は下から突き上げるように水柱が上がる。あれはヒカリさんの!


 見れば水柱の場所だけ燃えていた水面がかき消されていた。みんなそこを伝って上昇する。がしかし、未だ太陽は落下中。


「油断はダメこっこ!」


 してないさ!


『さぁ! 始めよう 歌声が』


 ユキが太陽目掛けて氷を出す。それを援護するようにビュアさんが周りに水弾と…。なんか弾幕をばらまく。その弾幕は氷にまとわりつき、次の瞬間、一回り氷が大きくなる。その下ではカルマさんが魔法陣を展開し、ヒカリさんとアキアカネさん、ランプさんが何やら構えている。


『これは これは』


 私もニワトリ目掛けて攻撃準備。

 このタイミングでカルマさんが魔法陣を発動。

 3人がありえないスピードで真上目掛けて射出される。向かうは太陽。ユキが何か3人に振りまく。


『私たちの物語 その全てを』


 を貫き超えてニワトリへ。



『いま解き放て!!』


 私とニワトリさんの弾幕が正面衝突。そこに、



「「「おりゃッ!!!!!」」」


 ましたからまさかの物理攻撃で3人が攻撃をニワトリに通した!


「コケッ!?!?」


 アキアカネさんが槍を突き立て、ヒカリさんがその槍をさらにパンチで食い込ませる。さらにランプさんがその槍に高電圧の電撃を流した。なおこの一連の動作はほぼノータイムで行われていた!




 私じゃなきゃ見逃しちゃうね!



 そして、ニワトリは…。










 そのHPを一撃かつ高火力の物理攻撃でゼロにされたのだった。










ステータス


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



名前 ナユカ


職業「アイドル」

所持金 200 958 300G

ギルド「力の解放」

ランキング:7 003 408 597位

ランク:N


HP

0├───╂───────┤


MP

0├─────╂─────┤


SP

0 ├─────╂─────┤


GP

0 ├───────────┨✕


EP

A ├───────────┨可能出力100V


WP

0┠───────────┤10 〇


CP

-5├─────┼─────┨5


称号「回避の極意」「覇者」「半公式プレイヤー」




《スキル》


『パッシブ』


「原型」

魔力 気力 霊力 電力 妖力 魅力 


「強化系」

体力強化 魔力強化 職業強化


「生活系」

食べる 家事 計量


「感覚系」

暗視


「突破系」

飽和限界突破


『アクティブ』


「属性系」

火 光 風 水 土


「変化系」

火炎 爆発


「鑑定系」

植物鑑定 鉱石鑑定 物品鑑定


「色彩系」

赤 青 緑 紫


「動作系」躱す 回す 整列 伸ばす 直角 止める 減速 連動 集合 舞う 帰還 条件 打ち上げ 曲げる 振りまく 追尾 緩急


「設置系」

魔法陣 設置


「音響系」

歌唱 効果音 録音


「表示系」

地図 表示 隠蔽 掲載


「部位系」

足 手


「命名系」

技名 合技


「技術系」

短剣術 剣術 槍術 弓術


「造形系」

星 針 魚 桜 獅子


「体術系」

叩く スーパーアクセル 蹴る


「防御系」

防護 受け身


「装備系」

装備


「生産系」

鍛治 裁縫 調理


「飛行系」

ジャンプ 飛行 フライ


「状況系」

逆境 鼓舞


「行動系」

拍手 笑顔 投擲 与える 微笑 ポーズ


「?」

念話 アイドル





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


状態異常:放射線被曝

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