「【ニワタリの使命(ニュークリアロード)】」
空が光り、海面が燃え出す。
「はぁ!?」
「海が燃えてる!?」
「な!?全員海底に!水温が急激に上昇しています!!」
「ここ海なのだが…」
海面そのものが燃えだし、実質海と空の境界線にボーダーが引かれ、さらに海水が急激に沸騰状態になる。
『ナユカ!ニワトリがそっちに!!』
『うん』
『逃げて!』
『向こうの方がスピード速い。そしてここ以外に私が歌える場所もない。つまりここで、あいつを「どうにかしないとね」』
『ナ、ナユカ!?…できるの?』
『任せて、出来れば早めに出てこれるように。それまでの時間は最低限稼ぐよ』
『了解』
海中に潜っているユキ、ビュアさん、ヒカリさん、アキアカネさん、ランプさんにカルマさんも、空中へ出てくることは出来ない。
ニワトリさんもそれは一緒で、海中に入ることは叶わず、空中にしか居られない。
そんな海中と空中の境界が隔てられ、彼のフィールドである空中に、私は「閉じ込められた」。
大きく羽ばたき、この燃え盛る体を私がいる高度まで高める。間奏を引き伸ばし、いい感じの音色にしつつ、鳥が昇って来るのを待つ。
私1人、空はニワトリの領域。圧倒的な体力差。回復能力。そして常に燃え盛るその熱量は近付くだけで無事では済まない。
そして、ニワトリは私の目の前に滞空するまで到る。
「にげないこっこか?1体1。圧倒的に不利なこの状況なら逃げるだろうに。それとも諦めたこっこ?下のものより支援特化ソナタは弱かろうに。先に潰せるなら潰しておくこっこ」
「逃げる?逃げないよ?私は逃げるのは嫌いだから。私はユキ達と違って支援しか出来ないけど。それでも全力で自分ができることを歌う!」
「そうコケか…。なら潔く、一撃で逝くコケ」
目の前に広がる弾幕は太陽を背に、無数の輝きと熱を放つ。一撃で?確かに私なら一撃で倒せるかもね。でもそれは!
「当たればね?」
「なっ!?」
私はその迫ってきた弾幕を全て躱す。ひとつのダメージも、それこそ熱ダメージすら受けずに。
『歩出した 世界の中 今は儚いその 一等星
その君の足音は 恐怖 寂しさ 決別ノ明晰夢
喜怒哀楽の歌を 空へ届ける』
歌う。歌が私を強くする。色々と…。
『空へ憧れ 雲に飛び込み 高く舞う
速く! 熱く? 全てが見える。 ちから。』
「な、何を1人でできることなど無いこっこ!」
そうだね。私一人だと、弱い。でも私にはユキがいる。リリースのみんながいる。あの時も、みんな居た。歌はリアルも巻き込んで。ここにちからを集める。
『汝、我を望む?』
いや、このくらい自分で集めるよ。
『まだまだ続く』
このくらいのこと、私だけで。じゃないとちからに頼りすぎもよくないと思うから。
『共に。 もっと! ずっと! 動け! いけ!
あまたの〔心〕 それぞれの「思い」
魅せよう 個性がぶつかる 私の歌』
私だけの歌声で、どこまで集まるか。あの時ほどとは思わないけど。同じ位、アイドルとしてできるようにならないとね。
『Are you ready?』
さあ、始めよう!
ニワトリさんも次で決めると言わんばかりの弾幕。そして太陽のマークがでかでかと描かれている…。あれ?丸くないね?でもたぶん〔魔法陣〕を展開する。
「【天照大御神】!!」
うわぉ!今度はニワトリさん!なんか大きな、ほんとに巨大な火の鳥…。太陽になってる感じ!!そんな巨体からまるで一斉射撃がごとく、小さな火の鳥の弾幕が、波状攻撃のように何回も飛んでくる。
しかもこれ、かなりの速度かつ、追尾機能付きだ!
『集まって! ここに』
鳥弾をあえて距離を詰めるようにして、前身、ホーミング軌道と曲がれる限界値を読み、その隙間へ体を通す。
『集めて! ここから』
通り過ぎた瞬間から、今度は鳥弾幕は進行方向を真反対に回るように変え、未だに私を追いかけてくる。前からは次の鳥弾が私目掛けて飛んでくる。
『変わるGAME 変わるBARRAGE
あなたは唯一無二のREAL』
私も弾幕を展開。私の後ろ、軌道上に停めるようにばらまいていく。前から来る鳥弾は直前まで少しづつ右により、私から左手に集中するように仕向け、近づいてきた段階で減速、〔ジャンプ〕で左に進路を変えて躱す。そして後ろに〔爆発〕をつけた魔弾を1発。
ドーン!!
鳥弾は跡形もない。
『さぁ! 始めよう 闘いを
これは 私たちの決意 その声を』
私も技を放つ。だけれども今は「声」が使えない。だから、即興でいつも通りに似せた弾幕を放つ。
私の周りに浮かぶ五芒星が現れ、そこから弾幕が雪崩のように飛び出す。前より密度高い?あ!〔飽和限界突破〕か!
『いま解き放て!!』
ついでに歌詞に合わせて放った弾幕が前方に急激に伸びる!さながらレーザーのごとく真っ直ぐに!
間奏。
その弾幕の密度に驚きながら回避を試みるニワトリだが、その大きな体。この密度、広範囲、避けきれないでしょ?全部受け止めて!
『その光を探していたんだ』
双方、一旦距離をとる。
『その楽しみを探していたんだ』
「いい笑みこっこ。次こそ落とすコケ」
『確かにある繋がり 今のここにある』
双方、魔法陣を展開する。うん。終わりと同時にくるね?さあ、ラスサビだよ!!
『集まって! ここへ
集めて! ここまで
変わるGAME 変わるBARRAGE
あなたは唯一無二のREAL』
魔法陣から私は大量の水を出す。全身にまとわりつくように、わまりながら渦巻く水は盾に。
一方ニワトリは、その巨体を使い私に体当たりと、羽で叩こうと攻撃してくる。さらに!
「【日没ノ日】!滅べ!」
直上から落ちてくる…。太陽!?
私は咄嗟にジャンプで軌道を変えつつ、スーパーアクセルでその場から離れる。熱ダメージは水のおかげかかなり危なかったけど抑えられたみたい。水の盾は全て蒸発している。
状態異常:放射線被曝
うわぉ!?なんか体力が減っていってる!!歌ってる私の体力ってかなりの速度で回復していってるのに!?
『ッ!集まって! ここに』
うっ…なんか歌いにくい。デバフ…。
『集めて! ここから』
なんとか歌声は保ちつつ、油断しないように弾幕を飛ばす。大きな体のニワトリにはよく当たる。
『変わるGAMERS』
が、1つ問題が生じた。
『変わるBARRAGE』
私が避けた太陽がそのまま落下。そう下にいたユキ達目掛けて落ちていくのである。
『あなたは唯一無二のREALITY』
がもう着弾まじか、さすがに海とも言えど、あの熱量の塊が落ちればただでは済まない!
『GAMERS BARRAGE REALITY』
私はもう間に合わない。
『ユキ!!』
『任せて〜』
ドーーーーン!!!!!
今度は下から突き上げるように水柱が上がる。あれはヒカリさんの!
見れば水柱の場所だけ燃えていた水面がかき消されていた。みんなそこを伝って上昇する。がしかし、未だ太陽は落下中。
「油断はダメこっこ!」
してないさ!
『さぁ! 始めよう 歌声が』
ユキが太陽目掛けて氷を出す。それを援護するようにビュアさんが周りに水弾と…。なんか弾幕をばらまく。その弾幕は氷にまとわりつき、次の瞬間、一回り氷が大きくなる。その下ではカルマさんが魔法陣を展開し、ヒカリさんとアキアカネさん、ランプさんが何やら構えている。
『これは これは』
私もニワトリ目掛けて攻撃準備。
このタイミングでカルマさんが魔法陣を発動。
3人がありえないスピードで真上目掛けて射出される。向かうは太陽。ユキが何か3人に振りまく。
『私たちの物語 その全てを』
を貫き超えてニワトリへ。
『いま解き放て!!』
私とニワトリさんの弾幕が正面衝突。そこに、
「「「おりゃッ!!!!!」」」
ましたからまさかの物理攻撃で3人が攻撃をニワトリに通した!
「コケッ!?!?」
アキアカネさんが槍を突き立て、ヒカリさんがその槍をさらにパンチで食い込ませる。さらにランプさんがその槍に高電圧の電撃を流した。なおこの一連の動作はほぼノータイムで行われていた!
私じゃなきゃ見逃しちゃうね!
そして、ニワトリは…。
そのHPを一撃かつ高火力の物理攻撃でゼロにされたのだった。
ステータス
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名前 ナユカ
職業「アイドル」
所持金 200 958 300G
ギルド「力の解放」
ランキング:7 003 408 597位
ランク:N
HP
0├───╂───────┤
MP
0├─────╂─────┤
SP
0 ├─────╂─────┤
GP
0 ├───────────┨✕
EP
A ├───────────┨可能出力100V
WP
0┠───────────┤10 〇
CP
-5├─────┼─────┨5
称号「回避の極意」「覇者」「半公式プレイヤー」
《スキル》
『パッシブ』
「原型」
魔力 気力 霊力 電力 妖力 魅力
「強化系」
体力強化 魔力強化 職業強化
「生活系」
食べる 家事 計量
「感覚系」
暗視
「突破系」
飽和限界突破
『アクティブ』
「属性系」
火 光 風 水 土
「変化系」
火炎 爆発
「鑑定系」
植物鑑定 鉱石鑑定 物品鑑定
「色彩系」
赤 青 緑 紫
「動作系」躱す 回す 整列 伸ばす 直角 止める 減速 連動 集合 舞う 帰還 条件 打ち上げ 曲げる 振りまく 追尾 緩急
「設置系」
魔法陣 設置
「音響系」
歌唱 効果音 録音
「表示系」
地図 表示 隠蔽 掲載
「部位系」
足 手
「命名系」
技名 合技
「技術系」
短剣術 剣術 槍術 弓術
「造形系」
星 針 魚 桜 獅子
「体術系」
叩く スーパーアクセル 蹴る
「防御系」
防護 受け身
「装備系」
装備
「生産系」
鍛治 裁縫 調理
「飛行系」
ジャンプ 飛行 フライ
「状況系」
逆境 鼓舞
「行動系」
拍手 笑顔 投擲 与える 微笑 ポーズ
「?」
念話 アイドル
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状態異常:放射線被曝
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