『アキアカネ』
『はっ!しょ、勝者「リリース」!!』
ワーーーーーー!
吹き上がる歓声…と困惑の顔。いま会場は本来なら興奮絶好調なのであるが、今回は困惑絶好調なのであった。皆、取り上げす「何かよく分からないけど凄かった!取り敢えず周りに合わせて声を上げとこう」の図である。
そしてそんな中に2人ほど既に身構えている人物がいる。
「ユキ?どうしたの?」
異変に気付いたナユカはユキに話しかける。
『ヒカリ?何探してるの?そんなに身構えて』
ヒカリの緊張した様子に気付いたアキアカネがマイク越しに心配している声が聞こえる。
その時ちょうど異変は起きた。
「『きた!』」
「え…!?」
〖全プレイヤーに通達致します。これより大規模アップデートを開始致します〗
この世界の隅々に響き渡る大きなシステムアナウンス。それはかつて聞いたものも多い「革命」の更新。今まで数回起こったゲームの根本をひっくり返すような大きな変化が起こる前兆。
周りの観客は今度こそ一斉に歓声をあげる。その唐突に起こる革命の前兆は、人々の待望であり嬉しくないはずがない。今度の革命はなんなのか。
この時、全てのプレイヤーが「リリース」の「力」のことだと思っていた。それはここまで計画してきたユキでもそう思っていたのである。
〖今より1時間後にメンテナンス期間に入ります。それまでにゲームを退出してください〗
そう…。ここまでは予想通りだった。
〖全プレイヤーに通達致します。規定された条件
・産業革命
・魔法革命
・大空革命
・海洋革命
・源力革命
・プレイヤー人口
を達成致しました。よって30分後にワンタイムイベント「来訪者」を開始致します〗
「はい?」
これは全く予想していなかったプレイヤーは大いに混乱していた。
「ユキ、なにこれ?」
この状況をナユカは知らない。これが革命の前兆ということを知らないナユカはユキに質問を投げかける。
「はっ!!あ、あぁ〜ごめんごめん。これが革命の前に起こるワールドアナウンスだよ〜。それだけじゃないかもだけど…」
「あ、これがそうなんだね!じゃあやったね!ユキ革命者になったよ!!」
「う、うん」
ユキの内心は喜びよりも困惑の方が強かったのだが…。どこまでも呑気なナユカを見て考えることをやめた。多分、ナユカが喜んでるからそれで良かったのだ。細かいことは気にしない方がいい。
そう思いながらナユカに向かって微笑むユキは思いっきりビュアが激写に成功していたとか。
*
やがて闘技場が一旦封鎖される。また、一時的に全エリアが戦闘不可エリアに一時的に変更された。
そしてワールドアナウンスからちょうど30分。その時が始まった。
〖これより、ワンタイムイベント「来訪者」を開始致します〗
*
「高速潜航終了します!!衝撃に備えてください!」
「減速まで…3…2…1…」
ドーン!!!
それは暗い暗い宇宙のど真ん中に現れた。超高速から通常潜航に切り替える時に放つショックを何とか堪えながら、その後も数多くの船がその空間に現れる。
「前方に目標恒星を確認!!生物探査を開始致します!!」
「多数の生物反応あり!!複数惑星に食料がある可能性高!!」
「全艦応答セヨ、!これより本艦隊はこの恒星系内にて形成を整える!!ここで奴らを迎撃せよ!!そのために各艦惑星に着陸し迎撃準備せよ!!」
ブーブーブー!!!!!!!!
「後方より敵弾確認!!」
「回避運動!!」
「ダメです!!本艦隊に突っ込んで来ますッ!!」
「着弾!!!!!」
ドゴーン!!
「右舷後方に着弾ッ!!各隊迎撃せよ!!各隊迎撃せよ!!」
「メインコントロールシステムダウン!!」
「通信システムもダウンしましたッ!!」
「なにッッ!!!?」
「後方より敵弾追加で出現しました!!」
「艦隊状況はッ!?!」
「ダメです!!各艦に甚大な被害を受けましたッ!!それぞれ惑星に緊張不時着!!」
「サブシステム起動しました!!!」
「各艦に通達ッ!!各艦各惑星にて現状を打開せよ!」
そうしてその船はその惑星に落ちていく。
流れる映像、そして光り出す空に。
あまたの流れ星が降り注ぐ。
そして、それは、
Reality barrage gamers の世界に降り注いでいた。
【ワールドクエスト】
・勝利条件 ???
・敗北条件 各惑星。衛星の敗北。???の全滅
勝利報酬:???
備考:彼らに決して屈してはならない。
〖メンテナンスを開始致します。プレイヤーの皆様を強制ログアウト致します〗
第2章 Tutorial Over Game Start ~完~
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