Reality barrage Gamers

初心者がゲームの常識をひっくり返す...無自覚に?
D,S(diamond) D
D,S(diamond)

W-2 81  11人のリリース

公開日時: 2024年1月20日(土) 23:30
文字数:1,971

「結晶洞窟。そこに行きたい!」



 ユキから聞いた。色とりどりの結晶がきらめく洞窟があったんだと。それはRBGらしからぬ幻想的な光景で普段のこの現実世界から逸脱した空間との事。


 気になるじゃん?見てみたいじゃん?私だって綺麗な光景とか見てみたい!!



「結晶洞窟?」


『なにそれ?』

『そんなとこあったっけ?』


 そんな私の希望に不思議そうに眉を動かすリンさん。あれ?



「ナユカさん結晶洞窟に行きたかったのですか?」


「いや。浮島に来てみたかったんだけど、思ったより早くたどり着けたから。なら次はって感じ」


「ん。あそこは綺麗だった」


「洞窟の入口〜。どこにあったっけ〜?」



「えっと…その…大変言い難いのですが…」


 そう少し溜めたあと、リンさんは意を決したようにこちらに問いかけてきた。




「その結晶洞窟らしき場所はアインズ所有の浮島で発見出来ていません…」


「てかヒカリ。私たちあの結晶洞窟崩落させながら…」


「あ」


『気になるゥ』

『わかるように説明求む』

『崩落て…』



 え?無いの?てかそのヒカリさんの「あ」って何!?なんか崩落とか言ってなかった?



 そしてアキアカネさんとヒカリさんは大樹に視線を向ける。私達もつられて大樹の方に視線を向けた。

 大樹はやはりとても大きくかなり大きい。距離があるのに少し上を見なきゃ全てを見ることが出来ない…


「私達がニワタリとともに突き破りましたからね…」


「リン。大樹、根元に。崩れた、地面。なかった?」


「い、いえ。そんなものは。大樹の中も至って変わらずでした。強いて言うならば、鳥型モンスターを殆ど見なくなったことでしょうか」


『そういえばニワトリ居なくね?』

『大樹とか久々』


 ちなみにニワタリことニワトリさんは現在少し用事があるということでアキアカネさんから離れて行動している。というか火星に置いてきちゃったのだけどこっちにこれるのだろうか…


「私はヒカリ達より前に結晶洞窟に入ったけど〜、元々あった入口は〜」


「入口は知りませんが、結晶洞窟に繋がる場所は崩落していたような」


「ん」



 これはもしかして難しそう?



「まぁ〜、入口付近まで行ってみようか〜。何か変化があるかもだし〜」


「申し訳ないのですが、私達も同行しても大丈夫ですか?」


 まあ、そもそもここは現在アインズ所有だ。私達も土地を奪いたいわけじゃないしいいと思う。


「いいよ〜。あ、でも少数に絞ってね〜」


「少数ですか…。レン達はみんなログアウトしてますし…。私だけにしておきましょうか」


「んまあ〜それでもいいけど〜」


『冒険の始まりー』

『あわよくば我々もその結晶洞窟を拝みたい』

『ん?インフォメーションコーポが動画?』

『ん?』


 私もリンさん以外の人達はほとんど見た事ないようなプレイヤーだし、その方が助かるかも。


 こうして私たちはその洞窟の入口だった場所へ向かう。こういう冒険みたいなのいいね!







*>>第三者視点:地球



「向こうは楽しそうだなぁ」


「いいじゃありませんの。こっちもこれからですわ!」


「♪」



「動画班の準備が整いましたよ」


「わしらも全員スタンバイじゃ!」



 ここは地球。少し時は遡りナユカ達が浮島にやって来た頃。彼女たちには内緒でリリースの残された面々とCSFは今日のために全力でとあるものを作っていた。



「ハルト!最終調整はできたか!うちは電力満タンだぜ!」


「おうよ。これでOKだ」


『Jチームもスタンバイ出来ました』


『こっちも問題ない!変プレイヤーはゼロだ。襲撃でもあれば楽しかったんだが…』



 あたりは広く大きな倉庫のような場所。窓は極力少ないその倉庫の真ん中には何か大きなものが鎮座している。


 そんなブツのハッチを閉め、ハルトはミカの元へ向かう。


「アリア。あとはこれ水で軽く流して洗ってやってくれ」


「言われなくてもやりますわ」




 そしてアリアは大きな水弾を浮かせ、それを移動させたかと思うとその大きなブツを包み込む。

 暫くそうしてピカピカになったブツ。水を霧散させたアリア。

 


「よし!じゃあ乗り込むぜ!!!」


「おいミカ。一発でちゃんと操作できるのか?」


「うちを誰だと思ってる。余裕だぜ」





 そしてその乗り物に乗り込んでいく、ハルト、ミカ、アリア、キリアのリリース5人と…


「こういう冒険には私達が必須よ!」



 そう豪語する開拓使団のリーダー。サーニャは上機嫌を隠そうともせずウキウキで乗り込む。


「まあ、こういうの好きそうだもんな」


「ほかのメンバーを半殺しにして権利をもぎ取ったわ!」



 開拓使団は未知なる土地を、絶景を求める集団の集まりだ。その構成員は全員こういうの好きそうである。

 現にこうしてサーニャさんがここに来るまで、軽い大乱闘が勃発していたのを面々は知っている。




「さあ。こちらも向こうに負けずに配信を開始しますよ」


「よし!アイツら迎えに行くぜっ!」


「おうよ!」




 そしてこのタイミングでリリースは月と地球。同時で配信を開始したのだった。




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