とりあえずパパとママの所に合流していく。その2人の近くに初めて会うメンバーも誰だか速攻でわかる容姿でリリースメンバーが集まっていた。
「うむ。見違えたな」
「那由花可愛いわよー」
「ちょっと…いやもうだいぶ慣れてしまった自分が悔しい…」
かなり肌色が強いのだが、既にゲームでの衣装の露出が高いので慣れてしまった…お家帰りたい…最近まで引きこもりしてた私になんてことを…
「う〜ん…みんな自己紹介なくても誰が誰だかそのままだね〜?」
「外見変えてもなぁw」
「一応しとくぅー?本名」
「生配信してるので身バレしちゃいますよ。今更ですけど」
「ん。手遅れ」
私はもう既に本名から大公開済みだけどね?
「みんなの本名使って悪いことしたら私がわかるわー。例えば、ビュアちゃんの配信のコメント読み上げてみようかー。『ナユカちゃん可愛すぎ。みんなゲーム内とそこまで変化ない。ドレス姿いい。なにそれこわい。不敬罪的なもので首が飛びそう。え、ビュアコメント見せてるー?』」
「え、閲覧許可与えてませんよ?」
「王家の特殊な力は人によって違うわー。私は機械や電脳的なものを自由に操れたり。那由花は王家の中でもとびきりだけど…」
「自由…、AIも?」
「そうね。だからこの星系で起きたことは基本わかるわ…。もちろん無闇矢鱈にプライベートや機密を覗いたりはしないわよー?身内以外」
私のプライベートは?なんかたぶん全部筒抜けだよね?その感じだと…
「それじゃ〜ナユカから行こうか〜」
「えっと、米嶋 那由花です。姫様始めました」
「私はユキ。朝霧 雪だよ〜。ナユカの護衛役兼親友だよ〜」
私の後に続くユキ。何となく加入順からそれぞれみんなも自己紹介だ。ちなみに周りがほんの少しだけ静かだけど気にしないでおく。
「では、現在配信中。ゲーム内ネーム ビュアの 乏月 夜宵です。よろしくお願いします」
ビュアさんはベージュのトップスと黒のパンツドレス。いつもはポニーテールにしている髪は少し緩めて前に流すように纏め、そこに覗くうなじとイヤリングがこれまた大人な美しさだ。身長がメンバーの中ではいちばん高くスタイルもいい。お姉さんみたいな雰囲気を感じる。
「あー…、そのままだけど 戸金 遥斗 18歳」
ハルトさんはビシッと決めたスーツ。髪の毛は綺麗に整えていた。体型はいかにも健康体そのもの。
「お初にお目にかかりますわ。アリア・エリアルナ、ゲーム内でアリアと名乗っていますわ。よろしく」
華やかさのある青いドレス姿の裾をもち綺麗にお辞儀して見せたアリアさん。彼女はゲームだと水色のロングヘアだがリアルは金髪ロングヘアだ。身長は私より少しだけ高いくらいかな?こちらもスタイルいいなぁ。なんかお嬢様っぽい!!
「うちはミカ。佐々木 望叶だぜ。よろしく」
そう言ったミカちゃん。ミカちゃんはゲーム内の髪色を意識してかオレンジ色のショルダーレースドレスが印象的で、いつものツインテールから今日は髪を解いている。ちなみにミカちゃんはゲーム内と同じくらいの身長だった。私よりだいぶ背が低い。
「秋田 茜でアキアカネやってます。よろしくお願いします」
アキアカネさんはレースとプリーツが合わさったような茜色のドレスといちょう色に光るエンジェルリングのような腕輪を左手に添えていて少し幻想的な雰囲気だ。髪型は茶髪のシニヨンだがいつものシニヨンより凝った作りとなっている。スタイルいいなぁ3人目。私と身長は同じだけど私より細い。
「ん。ヒカリ。菊池 陽花里」
対してヒカリさんは白のワンピースドレスにシアン色のエンジェルリング腕輪を展開していた。髪型は変わらずサイドテール。ゲーム内では薄水色だが現実では茶髪だ。ちなみに私より身長は低いが4歳も年上らしい。
「♪」
元気に笑顔を振りまくキリアちゃんは私たちに見えるようにフォログラムを展開し名前を見せてくれた。本名は「薮影 希璃亜」と言うらしい。黄緑色の可愛らしいドレスとゲーム内では緑髪なのだがリアルだと美しい銀髪でほんの少し肌が褐色である。ゲーム内とはまた違った可愛さ…!!ちなみにミカちゃんと同じくらいの身長。
「あ、…軍曹で!ありますぅ…蓮 金糸雀です。よろしくお願いします」
たぶんゲームと印象が180度真反対な軍曹。いつもの口調で行こうとしてやっぱり恥ずかしさが上回ったのか…声がだんだん消えてった。こちらはゆとりのあるクリーム色のドレスで動く度に薄いロングスカートが動く。茶髪から覗く恥ずかしそうに赤らめた頬も相まってギャップ萌えがカンストしそうだ。
「ヒヒリーこと 妃衣 凛々でーす!よろしくぅー!」
ピンクと黒の若干派手なドレス。胸元が大胆に開かれそこには真珠のネックレスが…。よく知るヒヒリーさんは軍曹を時たまからかうような視線で攻撃して遊んでいる。小悪魔みを感じなくもない。
みんなそれぞれイブニングドレスを着こなしていて別人みたいな美しさや可愛さ。でも何となくリリースのメンバーとしての雰囲気も感じられる。
「ごきげんよう。皆様」
そしてタイミングを見計らったように現れたのは私たちを祝勝会に招待してくれた防衛省の因幡 和彦さんだ。こちらもタキシード姿でかっこいい!ダンディー!
「ごきげんよう。本日はご招待頂き誠に感謝致しますわ」
「あぁ、ごきげんよう。堅苦しいのはなしにしていい。せっかくの祝勝会なんだ。無礼講といこう」
「ではお言葉に甘えて」
そう言いながらちょっとカッコつけるパパ。にこやかに返した因幡さんは会場に響き渡るように次の言葉を発した。
「お集まりの皆様。本日は祝勝会にご参加下さり誠にありがとうございます。未だ太陽系の危機また、ガーデンプラネットのこともございますが、我々からのささやかな宴といたしたいと思います。皆様、お手元のグラスをお取りください」
私もグラスに入った…たぶんジュースを手に取る。
「そうですねぇ。ここは乾杯の音頭を那由花さんにお願いいたしましょう」
えー!?!?ちょっと!?そんなダンディー爽やかスマイルで見られても唐突にそんなッ!?
集まる視線。ちょ!?そんな見ないでぇ!?ママもにこやかに笑ってないで!?
私の肩にそっとユキが手を置く。ユキぃーヘルプミー。
「やっちゃえ、お姫様〜」
面白がってるよね?
「…みんなありがとう!乾杯!!」
私はひとりじゃ何も出来ない。誰かの感情が〔魅力〕になって、誰かの想いが「力」になる。だから最大限の感謝を。
グラスに入ったもものジュースはいつもより甘く濃厚な味わいな気がした。
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