現実に帰ってきた私とゆきはナビィと一緒に家の廊下を歩いていた。なぜ?かと言うと夕方からの私の用事を済ませに行くのだ。ゆきは勝手についてきた。別に私の部屋でゆっくりしててくれても良かったのに。
その事に関してナビィが何も言わないのも少しびっくりした。
ちなみに今私は着替えを済ませている。白くて清潔感のあるダボッとした服装だ。そう、昨日の健康診査の再診をする用の。
それにしてもやっぱりゆきとナビィの様子が少しおかしかった。2人にどうしたの?と聞いても、何も無いよ?と帰ってくるだけだ。
検査用の部屋に着いて、昨日のように椅子にすわりながらナビィの準備を待っている。ちなみにゆきは後ろの寝台の所に座っていた。
『姫、おまたせしました』
「うん。大丈夫だよ」
『今日は昨日も言いましたが昨日の検査に不具合があったのでもう一度検査を受けてもらいます。ですがそれだけだとデータの信憑性にかけるため、今日はそれにプラスして詳しく調べていきます』
「なんか…、そんなに厳しくしなくても良くない?」
『いいえ、ダメです』
なんかやけに厳しいね?もしかして私の体になにかわるいことでもあった!?それともただ単に太ったとか?
『ちなみに、今回の再検査は勇人様の意向でもあります。最近真面目に検査してなかったからしっかりとしたデータをくれ。だそうです』
「パパが?心配性だなぁー」
パパはそういう心配性な所があるからね。普段こっちにいないくせに。たまには戻ってきたらいいのに。
『ゆき様を待たせる訳にはいきませんからはやく済ませましょう』
「はーい」
『それではそちらのカプセルにお入りください。今回は精密検査になりますので少しの間眠って貰います』
ナビィがそういうと部屋の奥の扉から大きなカプセル型の機械が運ばれてきた。そういえばこれ前にも入ったことあるね。何年前かは忘れたけど。
「よっこらせ」
『それではカプセルを閉じます』
そのカプセルに寝っ転がった私を確認したナビィはカプセルを閉じた。中は意外と暖かい。別にゴツゴツもしてないし、強いて言うなら少し薬の匂いがする。病院ってこんな匂いがするらしいね私は病院行ったことないんだけど…
…
『意識レベルの低下を確認。…睡眠状態に入りました。これより検査を開始致します』
「さて、何から話したらい〜い?」
『逆に聞きますがどこまでご存知ですか?』
「そうだね〜…。ナユカが多分昨日。覚醒仕掛た可能性があることぐらいまで」
『ほぼ全部ですね…』
「まあ〜、朝霧の守り人だからね〜。仕事としてもそうだけど、友達としてもそのくらいは昨日の映像見てたらわかるよ」
『どうか姫のそばにこれからも友達としていてあげてください』
「頼まれなくてもそうするよ〜」
『…今回の結果によってはRBGを続けることができないかもしれませんよ?』
「…そうなったら悲しいね〜。色々やりたいことがあるから。それにナユカになんて説明するのさ?」
『…協力を頼みます』
「まあ、それがナユカのためなら協力するよ〜…」
『ありがとうございます』
「ちなみにこのことは勇人さんは知ってるの?」
『いえ、昨日の黒龍との戦闘中の出来事ですので伝えておりません。その少し前に通話したばかりでしたし』
「なら勇人さん次第か〜」
『おそらく』
「ん?というかなんで黒龍戦の時だって知ってたの?PVには問題のシーンは写ってなかったよね〜?」
『RBG統括AI「マザー」から姫様のゲームデータを取得する許可を得ました。これでもここの統括AIですから、家事をこなしながら姫のゲームプレイを観察するくらいはできます』
「あんた、観察どころか干渉もできるでしょ?やる気になれば…」
『しません』
「できません。じゃあないんだね〜…」
『…』
「それにしても勇人さんは凄い…というか過保護だよね〜。このカプセルだってナユカ専用でしょ〜?一般的な医療カプセルとちょっと違うし」
『否定はしません』
「私もなかなか良いとこのでなのにナユカとは天と地の差だよ〜」
『そろそろ、一部結果が表示されます』
ピピー!
結果 適正有り 半覚醒
深度 50%
花恋様との差異 12%
出現部位 瞳
比較データリスト平均 70
比較データリスト最高 120
那由花様データ 200
「これは…」
『即座に勇人様にコンタクトを開始します』
「本当ならいいことなんでしょうね〜…」
『ですが最悪の可能性が高まりました』
「…ナユカ」
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