Reality barrage Gamers

初心者がゲームの常識をひっくり返す...無自覚に?
D,S(diamond) D
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EC:180  お次のスケットは…

公開日時: 2022年6月6日(月) 16:20
文字数:2,112



 その後、程なくして正気を取り戻したユキは、あたかも何も無かったかのような振る舞いをしているが、何年一緒にいると思っているのか…。

 恥ずかしくて今にも吹き出しそうな感情を何とかこらえるも、口の端が少しピクピクと動いていて必死に身悶えたいのを我慢して乗り越えんとするユキという!!レアな恥ずかし我慢顔をこっそり拝見している。


 滅多にないから写真に残したい!!けど写真機能なんてスキルゲットしてないよ!?


 ちくしょう、どこかでちょうどよくオーブわかないかなぁー…。


 あ、ダメだ。さらに居場所がバレちゃうね…。残念…。諦めて次回に回そう。



 現在、こんなことを考えているがそんな余裕はまじでないほど追い詰めなられている。


 というのも、私の視界にはどんどんシルエットが集まってきているのが見えるからだ。


 それはユキもわかっている。むしろ私より〔地図〕〔感知〕などのスキルがあるぶん詳細にわかっているはずだ。


 


 もう既に逃げ場がないことに…。




『止まろう』


 私たち2人が少し狭い通路を通っているタイミングで、ユキが私に制止をかける。


『ここで迎撃しよう』


『わかった』



 まだ若干引きづってるのか口調が変に硬いけど、ユキはここでシルエットを返り討ちにしたいみたい。


 私が紫オーブを取ったところからは少しは離れることはできたが、それでも全てのシルエットが向かって来ているため相当な数のシルエットと戦うことになる。


 ここは狭い通路、前と後ろからしか攻撃は来ないし、入口は狭いため弾幕はあまり張れない。


 迎撃するならここしかないだろうね。



 上からの攻撃はあまり心配しなくていい。

 両サイドの工場みたいな建物は相当高いし、幾重にも張り巡らさパイプや施設が沢山あるためそうそう来れない。



 そして、シルエット達もどんどん私たちを挟むようにやってきた。


『私は後ろから来たやつを、ナユカは前の奴らを蹴散らしてね〜。やれる?』


『もち!』


 2人背中合わせで地面に立つ。




 お互い息を合わせる。背中越しでも何となくわかる。切り込む私と、追っ手を捌くユキ。戦いのゴングが今ッ




ドーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!






 とてつもない爆発にかき消されましたとさ。私たちの居場所を囲むように大爆発…。ユキ!?!?



『言っとくけど〜、私じゃ無いけどね〜?』


『じゃー誰?』



 取り敢えず生き残ったシルエットが爆発の余波でてんやわんやしているうちに2人が耳鳴りの中動き出す。


 大きく体制を崩しているため、ユキも私も全力で弾幕を飛ばす。



 助かったけど…。助かったけど!?これ少しでも着弾点がこっちによってたら私たち巻き込まれていたからね!?


 キリアちゃんかな!?


 ひと段落した後、現れたのは…。



「ん。生きてた」


「ほんとだ。大丈夫でしたー?」


「「んなわけあるか〜!!」」



「元気そうですね」


「ん。元気」


 私たちの元に現れたのはアキアカネさんとヒカリさん。2人が両サイドからやってきたのでした。


「急ぐ。あっち」


 ヒカリさんはそういうと何も言わずに飛んで行きます。まあ、確かにまだこれからシルエット集まって来るから、確かにそうなんだけど…。



「よくもまあ〜、予告もなしに爆破してくれたね〜?」


「ユキ…。君も結構爆破してるからね?」


「2人とも急いで来ましたからね。ナビィさんでしたか?に言われて」


『おいコラナビィ。さっきから援軍来るなら言ってよ!!』


『いえ、おふたり以外はほとんど見えて無いので、位置情報だけを早まって言うのは避けています』


 見えてないって言ってるけど、予測は出来るでしょ?



『ちなみに今他に誰が来るの〜?』


『反対方面から現在ハルト様、アリア様が向かっています。キリア様はご自宅におられませんでした』



『キリアは動き出したね〜』


 あと2人は反対側か…。



『ビュア様、ミカ様は2人で少し東側から中央を目指して移動しています』


『良かった!生きてたんだ』



『現在、ユキ様の〔地図〕にマークを落としました。そこに4人で向かってください』


『『了解』〜』



 私たちは回復薬を開けながら進行を急ぐ。アキアカネさんとヒカリさんが増え、単純に戦力が上がったので何とか進めているが、それでもどんどんシルエットは私たちに集まって来ていた。


「解析完了。この黒い人。それぞれちゃんとした、ステータスがある」


「ヒカリ、それはつまりどういうことですか?」


「同じステータスのやつ。見た範囲。いなかった。だから1人のプレイヤー。コピーは。1人一体まで」


『ゲーム内のスキルですか。続けてください。そちらから調べた方が早い場合があります』



「ん。使ってきている弾幕。一応「技」として使っている。呼称はしなくていい、みたい。その中で。見慣れないスキルを全員。バラバラに持ってた」



『そのスキルとは?』


「見慣れないスキル。新種のスキル」


 ヒカリさんが半公式プレイヤーの特権を活用し、スキルを解析していく。


 見慣れないスキル…?


『なるほど、最悪ですね』



 その会話でナビィは何かしらの回答にたどり着いたようだ。


「どういうこと?」



『姫様のデータは…。既にコピーされた可能性が出てきました』


「あ〜、最悪だ…」


 それを聞いてユキが落胆する。え?何?私がどうかしたの?




「ナユカのシルエットができたかもしれないってことだよ」

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