*>>ヒヒリー視点
うーん…うーん?うーーん…
ここら辺に撒いとけばいいかなー!
現在。私の上に広がる満天の魔法陣。これはこれはー!大きな魔法陣だけどー!あの大きさのは見たことがないよ!!
そーーんな魔法陣がたった今完成しましたー!パチパチー!!
どう考えても手遅れー!止める手段なしー!絶望だー!
ちょっとわかった。リリースについて。元々誘われてた軍ちゃんで私はほぼ付き添いみたいなもの。だから正直リリースについてよく知らなかったんだよねー。
で、こいつらヤバイわー。
そもそも全員の動きが上位プレイヤーなみ。
〔遠見〕スキルで見てみた限りハルトとユキ、ナユカ、ヒカリは特にプレイヤースキルがとても強い…と言うよりヤバい…
この4人は体の動かし方が違う。
ハルトは普通に強い。このメンツの中で一番まともに見える。素早く動けて剣の扱いに長けている。弾幕も張れる。
ユキ。何をどうしたらそんなプレイヤースキルでごり押せるのか。リアルからしてたぶんなにかしてる。じゃないとあの動きの説明が出来ない。
ヒカリ。動きはそこまでヤバくない。でも彼女の前では技やスキルが全て対応される。持久戦にもつれ込むほどヒカリに攻撃は当たらなくなる。
そしてナユカ。単純な戦闘能力はハルトさんより低い。が、異常な反射神経と空間把握能力で人外地味た動きをナチュナルにこなす。なんで躱せんねん!を素でやる。ついでにこれで自己バフモリモリなのだからとんでもない生存力を誇る。
そしてこの4人。明確な前衛はハルトとヒカリだけであり、その2人もメインは生産職と情報分析という…
どないしろっちゅうねーーん。
ちなみにもう1人。キリアはさっきハルトとドンパチってたけど、めちゃくちゃ大量のアイテムを投げつけハルトから逃げて見せた。彼女も生産職で戦闘はほぼ出来ないようだが、持ってるアイテムはどれも見たことないものばかりだった。
一応私とプレイスタイルが似てるのかもー?
ほかのメンバーは見れていないが軍ちゃんも最近人形兵隊を使い始めて負け無し。上を見たらアリアの魔法陣。反則級使い魔持ちのアキアカネ。そもそも見えないビュアとやっぱりここの人たちおかしくなーい?
あ、こっちにはこれ撒いとこー。
で。そんな中に混ざる私。うーん…とても場違い☆って感じー。
例えるなら劇薬をまぜまぜしてる魔女の大釜の中に、一つだけ油瓶をぶち込むようなものだよー。
そしてそんなかよわい私。遠くからこちらを補足したのか距離を詰めてくる人。
「初めましての挨拶だぜw」
「きゃー。男の人ー。怖いー」
剣を持ち、挨拶と称して思いっきり私に袈裟斬りをお見舞いしてくれたハルト。リリース唯一の男!ちなみにアリアの唾付きだぁー!ある意味怖いよー!
実力は相手の方が上。私はそんな、アクロバティック空中立体戦闘なんてできないってー。とりあえずポーチに刺してあるポーションを3本ばかし掴んで投げつけておく。
飛んできたポーションをそのまま斬ったハルト。ポーションは割れた瞬間モクモクと煙を生み出している。煙幕だよー。
ひとまず逃走を謀るが…
「おいおいw逃げるなよ」
「きゃー。怖いぃー」
「思ってもないくせに」
「えー?」
いやいや。普通に怖いっすよー。何言ってるんですかー。
「ユキがいい性格してるって褒めてたぜw?」
「それ褒めてる?」
煙幕なんか物ともしない。そのまま突き抜けてきたハルトは私を逃がしてはくれない。
まあ、このくらいなら突き抜けてくるよねー。
そのまま私が次のポーションを投げつけるとハルトはガクンと軌道を空中で変え私の背後に素早く回り込んできた。〔ジャンプ〕かー。ナユカちゃんのイメージ強いけどそこそこの人が最近は使ってるー。
「とりま1人w」
「えへ」
「…!?ッな麻痺!?何しやがった!」
「何もしてないよー」
そして背後に回ったハルト目掛け弾幕を連打しておく。
うんうん。多段ヒット。HPはー…。〔気力〕を纏ってダメ軽減されちゃってるねー…んー。
そもそも1体1で勝てるとは思っていないよー。でもこれはバトロワ。バトルフィールドもバリデカだしー、罠を仕掛けて待ち構えることはできる。
「【瞬会】っ!」
「キャッ!?」
いきなり目の前に現れたかと思ったらいきなり斬ってきた!!HPは残り1割。うん。ピーンチ。とりまポーションを投げつけさらに自身にも回復ポーションをふりかける。
ポーションを避けるため後退したハルト。〔ジャンプ〕を駆使してまた回り込まれそうなので予め追加でポーションを空中にばら撒く。
さらに私は先程私自身が出した煙幕の中に避難だ。
「なるほど…。薬を蒸発…。気化させておくのか…」
「薬じゃないぞー。ポーションだよー」
明確に違うので一応釘は刺しておく!似てるけどちがうのだー!
うひゃ!?
喋ったからそこに投げナイフ投げつけてきた。見えてないはずなのにー。もう少しで当たるとこだった。
少しイラッとしたのでさらにポーションを撒いておこう。
さらに投げナイフが飛んできた方向に〔投擲〕で水ポーションを投げつけておく。フフフー!!見分けつかないからいい囮になるんだよねー!!
「【波】ッ」
「いひゃー!」
今度は剣を振り弾幕を飛ばしてきた。斬撃タイプの魔弾はデカイから被弾しやすい。ついでに私から見えない!煙幕で。誰だー!ここに撒いたのー!
連打されると困るので煙幕から飛び出す。視界確保ついでに風のポーションを3つ割る。
「【ワイド】ー!」
風のポーションからでてきた風をさらに風をぶつけて拡散させていく。風は煙幕を巻き込みつつハルトへ。ダメージ皆無。煙幕も少し透けて見える程度に広がり…
「【炎纏い】っ」
私を補足したハルトは煙幕に突っ込み私に炎に包まれた剣を叩きつけんと迫り来る。怖ーい。
「〘停止〙」
「ッ!!なに!?!?」
煙幕に炎の剣を持ち突っ込んだハルト。でもその煙幕は可燃性だよー?
一気に燃え広がる炎がハルトを包み込んだ。
「ぐっ水を…」
「〘気化〙」
ここで水弾を展開したハルト。でも私が全力でGPとWPを消費して干渉したおかげで水弾は霧散した。
「クソ!っヤバい!!」
「そのまま燃えててー。じゃねー」
これで逃げるまでの時間稼ぎくらいにはなったでしょー。さっさとトンズラしよー…
キラン☆
上空の〔魔法陣〕がキラッと輝いた。あんれ…
そして空から大量の滝がレーザーか!という程の大質量で降り注いだ!フィールド全体に…
うーん。ちょっと振り返って見る。
「おい…。天は俺を味方したぜ?w」
「オマイガー」
完全に鎮火した炎。霧散しきった煙幕。あまりダメなさそうなハルトがいた。
運良く2人とも滝の直撃はしなかった。が余波で雨粒がザーザー降っている。それが炎ごと煙幕をかき消したようだ。
酷くねぇぇぇ!?
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