《フィールドチャンネル生成。参加者を転送中…。観戦者接続中。リアルタイム投影システム起動。腕輪への通知を開始。同盟戦争開始まで残り1分》
「みんな準備はいい〜?」
「…♪」
「ですわ」
…。
ユキは後ろを見るも、いるのはキリアとアリアのみ。
そういえば、他のメンバーはみんな指定の位置で仕事があるんだったと思い出した。全員が揃っていることが多かったので違和感がある。
寂しいと言うより、びっくりという感じだが、アリアはそんなユキを見て微笑んだ。
「なんというか…。最近ユキさんに親近感を感じますわ」
「なんで〜?」
突然そんなことを言われ、不思議に思うのは当たり前だろう。
「それは、私たちから見れば、「白雪姫」という高嶺の存在。それが「ユキ」というトッププレイヤーでしたから…ですわ。そんなあなたがこんな感じ人だとは、少なくともナユカさんがこのゲームに現れるまでは」
「そうかな〜…。まあ…。それまではあまりプレイヤーと関わっていかなかったからね〜」
「あんだけ狙われといてよく言いますわね…」
「私から関わってないからセ〜フ」
そもそも人と関わってなかったと言うなら、ランキング9位になるはずが無いのだが。
一時、守人としての訓練にちょうどいいんじゃね?くらいのノリでシバいていた記憶が蘇るも、それはノーカンとしたようだ。…アリアにはバレバレであるが…。
《両陣営に戦闘通信システム作動。〔念話〕〔地図〕〔共有〕〔表示〕を一時的に有効にします》
「なるほど〜、こんな感じなのか〜」
「これは…。大規模戦闘システムと同じですわ」
『みたいだな?』
「おっミカ〜」
『やっほー』
『どうやら、パーティーを組んでいる人はデフォルトで〔念話〕できる仕様のようですね?』
「いちいちメール面倒だから助かったよ〜」
『たしかになw』
『ん。便利な世の中。なったもんだ』
『あんた、そんな歳じゃないでしょ』
やっぱり「リリース」はこうでなくては。そう思うユキは、みなの声を聞きながら1人微笑ましく思う。
実は少しだけ表情に緩みが生じているのだが、至って本人は真面目を装っている風だ。
そんな光景を、アリアとキリアはお互いに目を合わせながら、やっぱり寂しいんじゃん。と心の中で意気投合していた。
「きゃぉ!」
そんな3人を見てジルも楽しそうに羽ばたく。
《同盟リーダーに権限付与》
「ミカに譲渡〜」
『あ、おいっ!』
「頼んだよ〜」
権限がどうのこうの言っていたが、ユキは面倒くさがってミカに速攻パスする。
流れるような速さだ。
「大規模戦闘システムを扱えるミカしか適任者いないでしょ〜?」
そう、彼女は過去に経験している。他のメンバーでは手に余るだろうと、ユキは判断した。
『こっちもやることあるんだっ!仕事増やすなよっ!』
「え〜?だって新しい機械ギミックありそうじゃな〜い?」
『まっかせろっ!こんなの朝飯まえだ!やらせていただきますっ!』
メカっぽい何かには速攻で釣られに行くミカがそこにいた。
『なるほど…。やっぱり大規模戦闘システムの時と仕様はほとんど同じだな。ユキは念話を各ギルドのリーダーに連絡できるようにしとくぜ』
「さすがだね〜。サンキュ〜」
それはそれとして、彼女もすごく優秀なのである。
《開戦10秒前》
視界の端っこには、地図が表記され、そこに青い点で私たちの同盟メンバーの居場所がわかるようだ。
ミカの手によって、同盟リーダーと、リリースのメンバーがわかりやすいように一回り大きい柄付き青点に変えられる。ついでに名前表情も出そうと思えば出せるようだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
CSF 同盟
参加ギルド
・リリース
・インフォメーションコーポ
・開拓使団
・生産職連合会議
・Jチーム
・闘技戦士団
・その他
VS
中央集会所 同盟
参加ギルド
・アーストラベラーズ
・傭兵支給所
・デストロキング
・KBV
・自由都市群
・マーカーb5
・宵闇死神
・ゴールドゴッド
・SSSシフト
・戦闘教
設定
チャンネル1
天候:晴れ
時刻:11:00
戦闘エリア:CSF同盟所持エリアとその周辺
特殊設備:ノア、エネルギータンク
参加人数:9 521
観戦者数:971 586
実況解説:シェナ、アル
アイテム持ち込み:制限なし
ランク:制限無し
制限時間:5時間
途中参加:なし
途中退出:制限あり
勝利条件
CSF同盟 敵対プレイヤーの殲滅。迎撃。制限時間までエリア防御
中央集会所同盟 敵対プレイヤーの殲滅。敵対同盟の全エリア占拠
エリア占拠方法
エリア内にコアが出現。コアに触れると占拠されます。敵に渡ったエリアを再び占拠するには、再度コアに触れる必要があります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《スタート》
読み終わったら、ポイントを付けましょう!