「おはよう」
「あぁ、おはよう」
「おはよう。那由花ー」
リビングにはママとパパ。二人共がそれぞれくつろいでいた。
私は確かめないといけない。さっきの夢が、ただの夢なのか。それとも、その夢で一花さんの力による何かなのか。
未だにはっきりと覚えていることにも違和感しかない。起きたてホヤホヤだからまだなんとも言えないけど…。教えて貰った名前は全てまだおぼえている。
「どうしたの?那由花」
「ママ。パパ…。もしかしたら…。わかったかもしれない。自分の花」
その言葉を聞いた瞬間、パパとママ両方が一気に真剣な顔つきになった。
「それはどういうこと?さっきまで自分の部屋で寝てたんじゃなかったの?」
「うん。夢で」
「夢?」
ママはちょっと疑いの表情を浮かべてる。いや、私だって嘘かほんとか分からないんだからね?
「ママ、始祖様の名前。「一花」って名前じゃない?」
「っ!?どこで知ったの!!?私あなたに始祖様の名前を教えたことないわよね?」
「やっぱり…。じゃあ上から
一花(いちか)
香花(こはる)
花輝(はるき)
紗綾花(さやか)
怜花(れいか)
梅花(ばいか)
鳳花(ほうか)
楓花(ふうか)
灯花(とうか)
直花(ちか)
晴花(はるか)
瑞花(すいか)
遊花(ゆうか)
柚花(ゆずか)
千由花(ちゅか)
仁花(にか)
蒼花(そうか)
姫花(ひめか)
おばあちゃん
ママ
私って順番だったりする?」
私が夢の中で教えてもらった名前をママに聞くとママは信じられないのか。そのままフリーズしてしまった。
「那由花。夢でその名前を知ったのかい?」
代わりにパパが私に質問を投げかける。
「そう。夢の中で…。姿までは見えなかったけど、一花さんから告げられたの。使命だって」
「そうか…」
それを聞いて、今度はパパも黙り込み。何かを考える素振りをしている。
ママも少し、落ち着きながらもそのまま何か考え事をしだした。
「花恋」
「はーい」
「予定をはやめよう。できるだけ早急に、今1番近い星がガーデンプラントであることを確かめておく必要が出てきた」
「トビィ」
『はい』
「各研究員や関係者に連絡を取って」
『了解しました』
途端に動き出した2人、トビィも加わり、慌ただしく指示を飛ばす。
ママはトビィに任せてまだ私に話しかけてきた。
「那由花。自分の花がわかったと言っていたわね」
「うん。あ、でも遠すぎて憶測になるらしいよ?一花さんいわく…」
「わかったわ。まだ確定という訳では無い。という事ね」
「うん」
「聞かせてちょうだい。あなたの花は何?」
ママは真剣な表情を崩さないまでも、私に触れながら、どこか安心するトーンで問いかけてきた。
パパもパネルを操作しながらも聞き耳をたてているのがわかる。
「私の花は❨イチゴ❩らしい」
「❨イチゴ❩ね…。わかったわ。教えてくれてありがとう」
それを聞いたママは私を人なでした後にリビングから出ていく。パパも足早にどこかに言ってしまった。
『姫、とりあえず朝食にしては?』
「うん」
*
「それではやっぱり、バレた可能性が高いと?」
「ああ、那由花が夢の中で会ったのがガーデンプラントにいる始祖様なら、どうしてこのタイミングで接触してきたと思う?」
「そうね…。いくつか考えてたんだけどー。いちばんは「花の約束」を使った時の独特の波動を感知した可能性が高いわー」
「だろう…。その場合、「ソレ」も那由花のことを感知した可能性が高い訳だ…」
「どうにかして波動を打ち消したいのだけど…。自分の以外は出来ないのよね…。まず分からないし」
「今回は突発的なものだったからな…。対策してても感知されていただろう…。油断したな」
「すぐにガーデンプラントの監視網を作りましょう」
「幸いビーコンはほかの惑星の影に隠してあるからな。そうそう見つからないだろうが、油断はするなよ?」
「任せなさーい!」
『車の準備が出来ました』
「行くわよ」
「あぁ…」
読み終わったら、ポイントを付けましょう!