『キレイ…じゃなくて!ナユカ選手。開幕そうそう大量のMPを消費してしまったのではないでしょうか?』
『しかもかなり無駄玉が多い。普通ならそんなことはしない』
ナユカの放つ弾幕に見とれながらも実況であることを思い出し慌てて喋り出すアキアカネ。素人でもわかるMPの無駄使いに疑問を浮かべつつもそのまま4人の様子を言葉にしていく。
約1名1歩も動いていないが…。
そんなバトルのさなか、ナユカはさらに技を唱える。
「昇華星林【トゥインクリング ナイト フラワー】」
ナユカの周りに浮かび上がるたくさんの〔魔法陣〕。あまりにも膨大なMPの無駄使いの後に繰り出される、これまた大量の〔魔法陣〕に会場はまたもや騒がしくなること間違いなしである。なぜなら、普通にバトルを経験したことのある人間なら直面したことがあるであろう、MP管理という言葉そのものを吹き飛ばす程の弾幕を使用しているナユカは、それだけでわ飽き足らず追加でさらにMPを消費しているのだ。
『いやいやいや!!さすがにおかしいでしょ!?』
『ん?!?』
即座にその技を解析するもパッと見分からないヒカリはさらに頭の上に「?」を浮かべている。
『あった…』
そのヒカリの呟きにスっと静かになる会場。
『スキル〔魅力〕。その効果はそのスキルを使った行動。又は見た目に応じて。受け取り手側の感情の種類によって恩恵を受ける。又は授ける』
いまいちわかってない会場。さらに。
『この受け取り手とは。現在。ナユカ選手を見ている全員。つまり私たちも含まれる』
『それってつまり?』
『私たちに綺麗な。弾幕を見せるほど。MPが回復している。多分それ以外も…』
『え?じゃあ上手いことすればMP無限ですか?』
『多分。その代わりバトル自体を魅力的なものにしなきゃいけない』
『なるほど、その魅力的なバトルを維持し続けなければならないというのが…。意外と難しくないですか?』
『うん。でもこうして目の前で。その魅力的な弾幕を作ってる』
今、ヒカリの瞳には無数に花開く煌めきの花が咲いていた。
*
それは夏の風物詩であり、今この場にいるものの全ての視線を独占するに足りる。魔法陣からまっすぐに高速で〔打ち上げ〕られたそれは「ヒューーーーー…」という〔効果音〕を流しながら高度を上げていく。
そして少しおいて、「ドンッ!」という音と共にたくさんの弾幕を球状に瞬時にして広げる。それは夜に咲く花。それは様々な色が集まってできた爆弾であり、芸術。
今ここにたくさんの「花火」が打ち上げられていた。
観客を望み通り魅了したその弾幕は、かなりのMPを消費するが、むしろ増えていっている。
「シオリ!!生きてるか!?」
「絶賛死にかけっす!!」
上がってきた花火が真横で爆発したシオリはかなりのHPを消失している。
「よし!なら大丈夫やな!」
「んなわけあるかッアホ!」
つい突っ込んでしまったシオリだがそれをそのまま無視してユメキは指示を出す。
「そのまま下に突っ込め!私も降りながら撃ち抜く!」
「なるほど!」
そうして一気に〔急降下〕を使い落ちていくシオリだが、今度はシオリを集中的に狙って放たれる花火。
「いやっ!!ちょっと!MPどうなってんすかッ!!」
悪態を吐きながらも少しつづ降りていくシオリであるがそのままだと先にシオリのHPが持ちそうもない。
「【ザ・ストライク】おらッ!!」
そこに今度はユメキが緩くなった花火を躱し、技を発動。ナユカの脳天目掛け〔加速〕と、〔直進〕〔貫通〕を伴ったひとつの魔弾が超高速で発射される。
その魔弾は弾丸の形をしているがその形は肉眼では見えないくらいの速さでナユカに向かっていった。
「うわっ!?」
パツゥン!!
咄嗟に回避行動をとったナユカだがこれにはさすがに驚いたのか、少し行動が遅れて肩を撃ち抜かれてしまった。
ナユカの画面に現れる状態異常:右腕使用制限 の文字。
ナユカは今の攻撃で右腕がほとんど使えなくなった。そこに…
「【バウンドボール】!」
「いっ!」
そのままその隙をついて〔急降下〕してきたシオリが、ナユカに接近しながら放った弾幕が上少し右斜め前から迫ってくる。現在ナユカ飛んでおらず地面に近ずいた際に着地していたため、地上にたっている。あまりに散らさずにナユカに向けられ放たれた弾幕をナユカは、最小限の動きで左斜め後ろに躱してしまう。
パァーン!!
そのままシオリを迎撃しようと考えたナユカに、地面に〔バウンド〕し跳ね返ってきた弾幕が綺麗にぶち当たる。吹き飛ぶナユカ。
「シオリ!!今ッ!!」
そこにさらに上空から打ち込まれる高速の弾丸が2発。
ひとつはナユカに向けて、もうひとつはシオリに向けて放たれるそれは…。
「【赤眼発動「ワールドビュー」】」
ひとつ、ナユカに放たれた弾丸をナユカは吹き飛ばされながらその赤い目で捉え、それを首を少しずらして耳横スレスレで回避。
パツゥン!!
次弾。それと同時にシオリに迫っていた弾丸がシオリを基点にナユカの方に進路変更。咄嗟のことで驚く会場と違い、ナユカはそれも咄嗟に感知。
ヒュンッ!カキンッ!!
そのまま左手を振るい投げナイフでそれを迎撃した。
あまりの情報量の多さにまたもや会場がうるさくなるのはもはや仕方の無いことなのだろう。
ステータス
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名前 ナユカ
所持金 218300G
HP 0├──╂────────┤
MP 0├──╂────────┤
CP-5 ├──────────╂┤5
称号「回避の極意」
《スキル》
『パッシブ』
「原型」
魔力 魅力
「強化系」
体力強化 魔力強化
「生活系」
食べる
『アクティブ』
「属性系」
火 光 風 水 土
「変化系」
火炎 爆発
「鑑定系」
植物鑑定 鉱石鑑定 物品鑑定
「色彩系」
赤 青 緑 紫
「動作系」躱す 回す 伸ばす 直角 止める 減速 連動 集合 舞う 帰還 条件 打ち上げ 曲げる 振りまく 追尾
「設置系」
魔法陣 設置
「音響系」
歌唱 効果音
「表示系」
地図 表示 隠蔽 掲載
「部位系」
足 手
「命名系」
技名
「技術系」
短剣術 剣術 槍術 弓術
「造形系」
星 針 魚 桜
「体術系」
叩く スーパーアクセル 蹴る
「防御系」
防護 受け身
「装備系」
装備
「生産系」
鍛治 裁縫 調理
「飛行系」
ジャンプ 飛行
「状況系」
逆境 鼓舞
「行動系」
拍手 笑顔 投擲 与える
「?」
念話 合技
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技
【煌星流姫「ペンタゴンスター」】
【舞戦扇武「ダンスフィンブレード」】
【昇華星林「トゥインクリング ナイトフラワー」】
【赤眼発動「ワールドビュー」】
【君と咲かせよう】
状態
・MP常時回復
・HP特定回復
・注目度上昇
・魅力値上昇
・反応速度上昇
・右腕使用制限
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