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R×2 28  雪だるまちゃん…。カワイイ。アリア爆散!ギルちゃん…。カワイイ。アリア爆散!!

公開日時: 2022年7月30日(土) 15:07
更新日時: 2022年8月1日(月) 16:45
文字数:2,235



 ユキに作ってもらった雪だるまちゃんを愛でつつ。私達は闘技場の中で戦況を伺っていた。


 私のバフはしばらく持つので、今のところ優勢…。とまではいかないけど、数の暴力には全然屈したりしていない。カワイイ。


 いい具合に戦場は分散しているので、囲まれるようなことも防げている。地の利を最大限に生かした立ち回りだね。


 

 と、そんな感じで、両同盟の残存プレイヤーは一応こんな感じ。相手の人数は正確には分からないけど。インフォメーションコーポのおかげでほとんどわかっている。



CSF同盟

残り  1145人


中央集会所同盟

残り  3945人





 この感じだと、まだ倍以上はいるけど、初めの人数差はこの倍くらいあったのでよく頑張ってると思う。カワイイ。



「こら〜、そろそろ離してあげなさ〜い。溶けちゃうでしょ〜?」


「むー…」


「むーでも、まーでもないの。えい」



「あああぁッ!!雪だるまちゃんがぁー!!」


「そろそろ動くんだから〜。準備は出来てる?」


「はーい…」


「♪」


「大丈夫ですわ」


「きゃお!」



『他のみんなは〜?どんな感じ〜?』


『うちは大丈夫だぜ?闘技戦士団の奴らが全力で守ってくれてるしな北、南もいい感じに殲滅してるぜ』


『ん。問題ない』


『こっちはちょっと数が多いな。強いのが何人かいる感じだ』


『なら行くならそっちだね〜』


 西側はヒカリさん、東側はハルトさんがいる前線。確かにハルトさんの方は、地図見ると少し押され気味かも。


『その強いのが何人か抜けていきやがった。狙いは東側の…。Jチームギルドエリアのオーブだな。任せて大丈夫か?』


『了解〜』


『♪』


『頼りないですわね?』


『うっせー。生憎俺は近接特化なんだよッ。そんなこと言うならお前が前線出てみろw』


『言われなくとも、すぐに行きますわよ?』





 相変わらず中のいいことで…。爆散ッ!!





『んじゃ〜、アキアカネ〜。門開いて〜。防衛はアキアカネだけで足りる?』


『そうですね。私がここにいるならほぼ負けはないです』


 うん。そういう職業スキルとはいえ、闘技場の扱いに関して言えばたぶん、世界一だもんね?



 ということで私たち4人は東側に向かうことになった。


『行きますよ?開門!』


ガコッ!



 開いた瞬間に飛び出す4人。


 そのすぐあとに闘技場は再び封鎖された。中にはアリアさんが展開している魔法陣が未だにクルクルと作動している。

 そして外に出ると、そこは大雨が降っていた。


 これが、アリアさんの魔法陣の効果。一定範囲に大雨を降らす。そして、その範囲を最大限まで拡大した魔法。晴れていたフィールドを一瞬で台風でも来ているのかという光景にかえた。


 さらに雨は水、言ってしまえば、ユキへの莫大な水源供給のなり、さらに相手は雨に濡れて体温が徐々に落ちていく。


 体温低下は、私たちにも及ぶけど、ユキの攻撃は直接的には、私たちに及ばない。一方的に、不利な状況をつくりあげていた。


 まあ、〔氷〕や〔雪〕なんかをユキしか持ってないからできる作戦だね。


 私たちが東側から出てきたのを見て、何人か敵プレイヤーが追いかけていた。


 しかし、技でもなんでもない氷弾で敵は大ダメージを受ける。



「あれ?思ったよりダメージ出たね〜?」


『ワンボールをそちらにつけてますから』


『『なるほど』〜』



 ビュアさんの技。【インフィニティワンボール】。これは本来。ひとつの弾幕が何回もりようかのうになり、まるで意思を持ったかのように動かせる技だが。


 〘撮影〙の効果で最近、私たちをストーカーするカメラと化している。


 いいのかそれで。



 探すと確かに居た。私たちの斜め前方にちゃっかり陣取っている。



『いつの間に…』


『いえ、初めからですけど?』


『うそぉん』



 あれー?私の目が見つけれて無かったんですけど?



『絶賛生放送中です』




 …はじめから?




『…。闘技場の中も?』


『むしろそのおかげでさらに視聴者は増えましたね。ありがとうございます』


「言ってよッ!!」



 てことはあれかー!?私が雪だるまちゃんと戯れていたことは、生放送で中継されていたと!?そういう事かー!!!




 …恥ずかしい。穴があったら入りたい…。


『後でその時の切り抜きちょうだいね〜?』


『了解です!』


『ちょっとッ!?』




「呑気ですわね…」


「…?」



 呑気なわけあるかッ!私のプライベートを盗撮されたんだぞッ!!やっぱりビュアさんはストーカーだ!!


「やったね〜!」


「やったね!ッじゃなくて!…もうお嫁にいけないよぉ〜…」



 乙女の悩み?残念。私には彼氏なんて有り得ませんよーだ!アリアさんは爆散しろッ!!キッ!!



「ッ!?!なんでこっちを睨んでるんですの?」


「爆散ッ!?」


「なんで!?」


「♪」


「きゃ!きゃお!!」



 アリアさんに呪いをかける勢いで睨んでいると、それを守ろうとギルバート。通称ギルちゃんが両手を広げてアリアさんを守るように立ちはだかった。


「グッ…」



「そ、そうですわ!ギル!突撃!」


「きゃお!」


 と、ギルちゃんが飛んで来るけど。



ガシッ!


「きゃおッ!?きゃぉぉおおおおお!!?」


 見事私はキャッチ。うん。この子もカワイイんだよね…。



「ちょうだい」

「きゃおッ!???」

「ダメですわ!!」



 即答で断られた…。何故だ…。解せぬ。






(あれわざとやってるのかな?)




 そんな心の声を、何とか押し殺したユキの努力は計り知れない。何せ、生放送で見ていた人達は、みんなそう思っていたのだから。


 そこにはギルも、よしよしして、顔が緩んでいるナユカが居た。なお、4人とも進みながらこんな茶番をするくらいには余裕である。

 後ろで何個氷柱ができようと、それは4人には関係ない事なのだ。





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