Reality barrage Gamers

初心者がゲームの常識をひっくり返す...無自覚に?
D,S(diamond) D
D,S(diamond)

V1.26  帰還

公開日時: 2022年4月14日(木) 09:21
文字数:2,210





 あれから、私は数回、ランキングバトルをした後に、ユキの元へ向かった。そこには、何人かのプレイヤーが集まっており、ユキと真剣に交渉していた。


 しかし、ユキが私の姿に気付くと話を早々に切り上げ、その集まっていたプレイヤーはどこかに行ってしまった。



 ユキは街作りに関しての協力者を募ることができて良かったと帰りながら言っていたので、そこそこいい結果を出せたのではないだろうか。言い出しっぺの私はバトルしかしてないけど、交渉事とかあまり得意じゃないからね。



 そんなこんなでノアに戻った頃には夕方になっていた。結構な時間バトルしてたのに…。ユキはその間ずっと今後の計画について他のプレイヤーと話してたらしい。



 ギルドホームになった博物館でログアウトし、そうして現在。私の家にユキと一緒にいた。

 ログアウトしてすぐに何故かベッドで寝転がってる私の隣でゆきが添い寝してるのはもう何も言うまい。というか言っても聞かないもん!




 目覚めた私たちを察知したのか、ナビィが室内に設置されているスピーカー(パッと見見当たらない)音声のみで話しかけてきた。



『お目覚めですね。姫様』


「うん?どうしたの?」


 普段、そんなスピーカーを使ってまで私に話しかけてこないので、なにか用事があるようである。


『勇人様と花恋様がお戻りになりました』


「パパとママが!?もう家にいるの?」


 え?まじで?先週帰ってくるとは聞いてたけど!!いつもより早いね!



『リビングにいらっしゃいます』


「すぐ行く!!ゆきも!行くよ!!」



「こりゃ〜手間が省けた〜」


「なんの手間が省けたの?」


「ん?ううん。なんでもないよ〜」


 なんか変なの。まあ、今はそれどころじゃなかった!パパとママに会いに行かないとね!!

 1年ぶりくらいじゃないかな?2人がここに帰ってくるのは。




*




 私はゆきの手を引きながら家の廊下を疾走する。〔スーパーアクセル〕なんてものは無いけど、気持ちだけはそんな感じで早くパパとママに会いたいから。

 家が広すぎてまだリビングにつかないけど…。でかいんだってこの家。





「おかえり!!」


 リビングに入るなり私は元気よくそう言った。リビングにはもちろんパパとママがいて。椅子に座ってコーヒーを飲んでいた。


「あぁ。ただいま」


「ただいまー!!ナユカー!元気にいい子してたー?」


 そう言って私の両親は出迎えてくれた。


「もうー。もう子供じゃないよ?」


「私たちにしてみれば大事な子どもよー」


 別に嫌なわけじゃないけど…。そんなはっきり言わないで欲しい。照れる。


「こんにちは〜。勇人さん。花恋さん」


「雪ちゃんもこんにちはー!んー?今はこんばんは?」


「どっちも変わらんだろう…。いらっしゃい雪。変わりは無いようだな」


 ゆきもパパとママはもちろん知っている。小さい時からずっと私とゆきは遊んでいるからね。


「いっつもありがとーねー?最近はゲームも一緒に誘ってくれたんでしょー?那由花迷惑かけてない?また、変なことしてない?」


 いや!してないからッ!!



「はい〜。結構暴れてますね〜。最近だとゲーム内容を180度変えちゃったり?」


「それユキが主犯だからッ!!私は悪くないよ!!」


「あらあら、やっぱりー?」


「ママもそれで納得しないで!!」



 ゆきったら私が悪いみたいじゃん!!みんなで変えたんだからね?決して楽しそうとかそんなノリで…。やったなぁ。けっこう乗り気でやったなぁ⤴


「後で動画見とくわねー」


「ちょっ!?なんで動画のこと知ってるのっ!!?」


 あれ?私ビュアさんのことなんて一言も家で言ってないのに!!



『姫様のことならおまかせください』


「お前かッ!!!」


『報告義務がありますから』


「先生ーー!!プライバシーというものは私にはないのでありますでしょうかーーー?」


『別に全部を報告しているわけではありませんよ?例えば、最近姫様がたまに就寝前、自分をなぐs「ちょっっっと待てーーー!?!!?!やっていいことと悪いことがあるでしょッ!!?何くちばしろうとしたッ!?」別に悪いことではありませんよ?』


 まじで私のプライバシーがないんじゃねッ?


「ダメッ!」


「あらあらー!那由花は寝る前に何やってたのー?」


 ちょっ!?


「ママも聞かないでッ!!」





「あー…。そろそろいいかな?那由花に少し真面目な話をしなくちゃいけなくてね」


 なかなか、騒がしくなってきたがそれを見かねたのか、パパが話題を逸らしてくれた。と、とりあえずパパありがとう。たぶん色々バレたとは思うけどなッ!!



「なに?」


 ちょっと不貞腐れた私の声が、怒気を含んでいても仕方ないのだ!


「あ、あぁ…。花恋の故郷についてなんだがな。…見つかったかもしれないぞ」



 へ?



「ほんと?」


「まだ可能性だけどねーー!」


「じゃ、じゃー!パパとママはもう旅をしなくてもいいの?」


 ママの故郷。こことは違う。太陽系の外の故郷。それを探す旅の終着点が、見つかるかもわからなかった終着駅が。



「まだしばらくは、調査やらビーコンの管理。色々なことを遠方から確かめないといけないが、ここ暫くは家にいることになるだろう」


「やったーー!」


 それってしばらくはパパとママが家にいるってことだよね!!もし、その故郷について確かめることがあってもビーコンがあるってことはすぐに帰って来れるってことだし。


 いっぱいRBGの話とかしたいし。


 「リリース」のみんなのこととか話したり。


 パパと遊びたいし。


 たまには…。ママと一緒に寝たりしたいし…。




 少し…。甘えてもいいよね…?


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