時は少し遡り
あたりの弾幕は火炎弾に塗り変わっていく....
私はそれを追加の無属性の弾幕を放ちながら見ていた。
そろそろほとんどが火炎弾に切り替わったのではないだろうか?ユキの方はもう多分周りが見えないくらいには燃えている。水属性の弾幕を放ち始めた時は焦ったけど、こっちの物量が勝ったみたい。ついでにユキの位置は時々水弾が飛んでいる周辺とだいたいわかっている。
私は目の前に〔火炎〕を付与した魔弾を大きめでひとつ作り出した。魔弾は他属性の魔弾とぶつかる時に軌道を変える。では逆に同一属性の魔弾はそのまますり抜けるのだ。ならほとんどの弾幕が火炎弾に変わっている今、火炎弾を放つと?
答えはそのまま直進する、だ。ついでにすり抜けるまでは、ユキから見て手前の火炎弾が邪魔で本命の火炎弾が見えないおまけ付き。これならユキに大ダメージを与えられる。まぁ、こっちからも大体の位置しか分からないから火炎弾を外しちゃうかもしれないんだけどね?その時は2発目撃つよ。
「よし!いっけー〔叩く〕!!」
パーーーーーーン!!!!
狙い通り火炎弾は弾幕の中を突き進んでいく....
「きゃっ!??」
お!当たった!!
でも....そこからはあっという間だった。
「グェッ!!」
唐突に後ろからの衝撃により前に転倒。顔面を強打する。痛くはないんだけどね。
ムクリと起き上がった時にはもう遅かった。
「んがッ!!!!なんかッんぎゃ!!!!すごいッグェッ!!....跳ねきゃっ!??」
その弾に当たるとものすごい吹き飛ばされるのだ。そんな弾が私を囲んでいたのだった....
さっきユキにビリヤードみたいな弾幕送ったからきっとその仕返しだね!ボールはお前な!!って聞こえてくるのは気のせいかな?大丈夫....ビリヤード超えてピンボールの弾になった気分だよ!!ウギャッン!!
こうして、私のHPは全損したのであった。
そうして今は何をしているかと言うと実は私もわかってない。また闘技場を出たかと思うと今度はまっすぐ歩いていく。
「んじゃ、これからスキル集めに行くよ?」
「スキル集めって具体的にどうやって集めるの?適当にそこら辺を散歩しててもいいのかな?」
「う〜ん、それでもゲットできるんだけど今回は違う方法で探すよ〜。」
「ほうほう。」
「その名もオーブ サーチ システム!!これを使うことでなんと、欲しいスキルが見つかるかも!!」
「ほうほうほう!!」
「それでいまからナユカが欲しいスキルを取りに行くよ〜。」
オーブって他にも探す方法あるんだね!これから歩いて手当り次第探していくのかと思っていたよ。欲しいスキルの位置が分かっちゃうなら全然楽で良かったよ。
「ちなみに欲しいスキルって言ったけど、正確には欲しいジャンルのスキルだから少し違うのも来る時があるよ〜。」
「まあ、取ってからのお楽しみってことで!!」
「そうね〜。んじゃナユカ、オーブサーチって念じてみてよ〜!!」
念じるだけでいいのか....んーーー。オーブサーチっと。
「おぉー。なんか出たよ?」
「それがサーチ画面ね。オーブサーチはメニューからでも行けるから。」
ほいほい。で....なんかいろいろ出てきたわけだけども。なになに?ジャンル選択?レア度選択?を選べばいいのね。
「レア度はあんまし今回は関係ないから空白でいいよ〜。」
あら、そうなの?じゃあジャンル選択のみだね!んで〜それももう決まってるよ。飛行系スキル。だって無いと不便でしょう?あと、空中戦したい!
ジャンル選択もしたので次へのところをタップする。すると今度は、場所選択....と条件を選択する画面が出てきた。
「ねぇねぇユキ?」
「なあに〜?」
「場所選択とか条件はどうすればいいの?」
「場所選択は現在地って打ったら1番近いオーブを表示してくれるよ〜。あと条件は〜、ナユカまだ飛べたり海の中には入れないでしょ〜?だから地上のみとか条件をつけてあげるの!!」
「確かに空中にオーブがあったら困るわね。」
「私のおすすめは屋内のみだね。」
「じゃあそれで!」
屋内のみだと外から見られることが少ないから他のオーブを探している人の標的になりにくいらしい。
他の人とは争いたくはないけど、よく競走途中ででくわして、そのままバトルになるのは日常茶飯事らしかった。
「押した?」
「うん!」
「それじゃあ始めようか!!まあ、15分に1回だから何分か待たされるだろうけどね〜。」
私は決定を押した。
『サーチ開始まで:約2分』
「お!運いいね〜!早い方だよ〜。」
「いいねいいね。ワクワクしてきた!」
「早い者勝ちだからね〜! サーチ始まったら走って行くよ〜?」
「あいあいさー!」
『サーチ開始まで:約1分』
「屋内にプレイヤーが居たらやっつけちゃっていいからね〜?通路とかだと狭くて飛行系スキルも使ってないはずだから、さっきの私とのバトルと同じように攻撃すればまず大丈夫〜。」
「なんか、少し緊張する〜....」
「大丈夫だって〜!わたしもついてるし、もし先に誰かに取られてもまた挑戦すればいいんだよ〜。それに屋内のみの条件はある程度プレイヤーの数を絞れてる....と思いたい。わざわざ飛行できないとこに来るのは作業効率悪いからね〜。」
「うん。よし!頑張るぞー!!」
「そうそう!!その意気だよ〜!」
『5秒前....3....2....1....サーチスタート。』
「それじゃあ、スキル集めに〜?」
「「GO〜〜!!」」
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