「それで?w水源を確保した訳だがこれからどうするつもりだよ?」
そう問うハルト。
白猫を倒した2人は見事水源を確保することが出来た。そのためクエストはクリアしたのだが…。
「そう…ですわね。今街づくりを率いている人達にでも譲ってしまった方がいいですわ」
「んまっ、そうだよなぁ〜」
ついでに言うとお姫様抱っこは終了している。2人は至って冷静を装っているが…。
(な、な、なな!何で私はハルトにお姫様抱っこをされてたんですのーーッ!!し、しかも2回もッ!)
(クソ…。なんか調子でねぇなぁ…)
内面大荒れの模様。狐の嫁入りが脱兎のごとく逃げ出すレベルで表面上は穏やかな晴れ模様なのだが、実は大豪雨かはたまた台風かというくらいの荒れようだ。
「私たちが水源を持ったとして、ハルト。あなた何か出来る訳でもないでしょ?」
「土木作業員は専門外なんで」
ハルトは自称鍛冶師を名乗るがそれは装備武器の分野だけである。なんとか四苦八苦しながらなら建築もできなくは無いが土木作業ができるスキルを持ち合わせていなかった。
「それに…、今回のこのイベントは何かある…。それは確定しましたわ…。だったらそっちをどうにかしないことには街づくり出来ないのではなくて?」
「あ?なんでだよ?」
「白猫は明らかに何かしらの目的を持ってこちらに攻撃をしてきましたわ…。街づくりするなら必要な水源地をわざわざ見張らせてまで」
アリアの中で生まれた疑問。
そもそもなぜ?白猫は私達を攻撃する必要があったのか。
それはどう考えても今後のイベントに関わって来るに違いないとアリアは予測している。
このまま平和に街づくりしてはい!おしまい!とはいかないのだ。そんな予感にも似たなにかが確かに感じ取れた。
「まあ、そう言われれば変だな…。猫のモンスター。白猫の言い分では配下ってことだろ?つまり単体での行動ではなく団体でなにか企んでるってことだよな…」
「広場では猫と鳥が目撃されてるらしいのですわ」
「鳥も猫と一緒に行動してるとか?」
「ああ、あと鼠なんかもいるみたいですわ」
「結構居るな?これはモンスター全部なにかしようとしてるってことか?」
鳥、猫、鼠。よく良く考えれば本来仲良くしなさそうなメンツではあるが…。
「大まかな区分では猫と鳥ですわ。中央の大樹には鳥が数種類巣食っているとも書いてありますわ」
「あの飛べないジャングルの奥にか?これまた、あいつらは自由に飛べるってせこくね?w」
「大樹のてっぺんには雀のでかいのがいるんですって…。50体倒せばあのエリアの飛行が可能になるのでは?ってことで討伐隊や野良のプレイヤーはみなそっちに行っていますわ」
「倒せば飛べるって根拠はないだろ?」
「雀を既に倒したプレイヤーが飛行可能になったみたいですわ。結界?とかどうとか」
「なんかモンスター全部って感じじゃなさそうだよな…。それだと元々鳥は大樹周辺に住み着いてた感じじゃねぇーか?それに白猫結構鼠がどうとか愚痴漏らしてたろ?」
「確かに…」
アリアに言われて真面目に考察しだしたハルト。なかなかいい線である。
「ひとまず、戻って水源地の権限を譲るか。それから情報収集で何とかなるだろw」
「わかりましたわ…。ってなんであんたが仕切ってるのですわッ」
この後、2人はたまに猫に襲われながらもアインズ達が街を築き始めた土地に到着する。
どうにかこうにか取り次いでもらいやっとアインズのメンバーに会えた2人が水源地を譲ると、今まですぐ横にあるのに権限が無いからと川の水を引き込めれなかった生産職たちは大手を振って喜んだ。
ただ、情報収集をしているうちに、何故か2人ともアインズ達と混ざりながら結局色んな仕事を任されるようになり、それどころではなくなった。
そしてその原因は…。
「鳥達に作りかけの街を攻撃されたッ!?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
緊急クエスト:襲われる作りかけの都
クリア条件:鳥たちの攻撃を防御せよ
クリア状況:クリア失敗
参加者:街にいるプレイヤー
報酬:鳥達の沈静化
特別報酬:?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
時は少しだけ遡る。
作者コメント
一生懸命作り上げた街。そこに襲いかかる早朝襲撃。謎の「コケコッコー」から連続して起こる不可解なモンスターの行動。アインズ主導のプレイヤーたちはピンチに陥る!!!
次回!街壊れる!!!でゅえるすたんb…
読み終わったら、ポイントを付けましょう!