「で〜。やるの〜?」
私たちの前に立ち塞がるように浮かぶプレイヤーの2人。ランプさんとカルマさん。私たち5人は既に戦闘態勢である。
「焚き付けたのは君達だろう?」
「だよね〜」
向こう2人もやる気満々らしく、両者睨み合いが続く。気がつくとあたりの弾幕は少し晴れてきていた。あれ?他のプレイヤーは?
と思って探すと、遠巻きにこちらを見ていた。
『何この面白そうな面子』
『全員あそこには突っ込むなよ?瞬殺されるぞ』
『遠巻きに観戦。特等席だー!』
『いいなぁ…』
こういう時だけ無駄に連携取れてるのはなんなんだろうね?
「よそ見してると、その首狩るぜ?」
「ナユカッ!」
私がそんなことを思いながら、辺りを見回していると、私目掛けて飛んでくるランプ。
「見えてるよ」
ランプは前回の時と違い、今度は両手に剣…。大きめの曲刀?を持っていた。そして私目掛けて振り下ろしてきた。それを扇子で受け止め右に受け流す。受け流したランプさんはそのまま何も無かったかのように流れに逆らわずそのまま流れていき、そして反対の剣を私の通り道に置く。
咄嗟に〔ジャンプ〕を使い、重心を後ろに逸らしつつその場で足だけ上に飛ばす。〔蹴り〕を使いその曲刀の腹を蹴りあげた。
私が油断してると踏んで奇襲とは。いやびっくりしたけど。
少し距離を取る。
「あれを躱せるのかよ」
結構残念そうにそうぼやくランプさん。見れば他の5人も動き出し、それぞれ戦闘している。
「こっちは私とナユカさんで相手しましょうか」
「了解。ビュアさん」
ランプさんには私、ビュアさんが。カルマさんにはユキ、アキアカネさん、ヒカリさんがそれぞれ担当する感じかな。もちろん、互の位置関係や、チャンスによってはその限りでは無いけど。
特に私は狙われる側だから、カルマさんも視界に捉えとかないとね。
「今回の彼女達はもう充分に溜まってるからね」
「メインは取っとくもんだ。ままだ溜まるだろ?」
「もちろん」
「行くぜッ?」
ッ!!
ランプさんはそのまま上空より岩を私たち目掛けて突き落とす。
もちろん回避。が、その岩は若干こっちに追尾してくるため、予想よりも逃げ場が限られてくる。
もちろん、そのその逃げた先には次の攻撃が待ってる訳だが…。
ヒュンッ!!
目の前に迫る剣先!
体制を整えて抱え込むほど近くにある剣を体を逸らして躱した。が…。
ヒュンッ!
「痛っ!?」
その剣はまるでムチのようにしなり私にその剣を当てる。
そういえばランプさんって元々ムチ使ってたよね?剣がムチのように伸びたりしなったりしている。
「ちっ!」
そのまま追撃しようとするランプだが…。
「さすがにさせませんよ?【イムーバブル・モデル】」
「ウグッ!」
固まったように止まるランプさん。ここぞとばかりに私は〔爆発〕の弾幕をランプさん目掛けて飛ばす。
「さすがにさせないかな」
私のの弾幕に同じく弾幕を当て相殺。途中で爆発した爆弾はランプさんには当たらない。その隙に動けるようになったランプさんはスタジアム方面に一旦引いて体制を立て直した。
『ユキと戦闘しながらピンポイントで相殺って…』
『あの曲刀もエグイな』
『というか初披露じゃね?』
『惜しい』
そのまま流れるように戦闘は続く。両者拮抗状態が続く。ユキは2人より単品では確実に強い。けど2人の連携はなかなかのもので、決め手にはならない。それは私達も同じなんだけど、私たちには今までここに来るまでの消費がなかなか足を引っ張っていた。
そして、戦闘は唐突に終わることになる。
《緊急クエスト:鳥の鍛錬 を開始致します》
「「「「「「「は?」」」」」」」
《クエスト参加者は、「ナユカ」「ユキ」「ビュア」「ヒカリ」「アキアカネ」「ランプ」「カルマ」です。フィールドに固定シールドを固定。観戦モードに入ります。ログアウト制限がかかりました。緊急時以外のログアウトが出来ません。ワールドアナウンスを開始します》
全員の行動が強制的に停止。この感じは…。
「全員。戦闘は一時中断ですね。回復薬。今のうちに」
ビュアさんもわかったのか、いちばん早く正気に戻って皆に指示を飛ばす。
〖緊急クエスト:鳥の鍛錬 が開始されました。ログイン中のプレイヤーの皆様は観戦機能が発動できイベントの観覧が可能です。これより一定期間遭遇戦以外のバトルを中止します〗
《パーティーを作成します》
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パーティー
ナユカ
ユキ
ビュア
ヒカリ
アキアカネ
ランプ
カルマ
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こうして、私は巻き込まれることになる。過去の試練に。
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