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初心者がゲームの常識をひっくり返す...無自覚に?
D,S(diamond) D
D,S(diamond)

EC:176  フッ。きたねーはなびだ…。(見てない)

公開日時: 2022年6月3日(金) 16:22
文字数:2,176



 ビュアさんとミカちゃんと別れたあと、私たちは2人で先に進む。もちろんシルエットはいるが、先程と比べるど数は少ない。


 というのも…。




ドカーンッ!!



 私たちとは違うところで、アホみたいに爆音を響かせているミカちゃんのおかげであるのだが…。




『派手だね?』


『派手だね〜』


 右後方からなる轟音と、あそこだけ雷でも降っているのかと言うぐらいの閃光。


 あれに羽虫のごとくシルエット達が吸い寄せられていった。


『大丈夫かな?』


『あれだけ派手に重砲を撒き散らしてるから〜、たぶんなにか作戦があるんだろうね〜。それと私たちが進行しやすいようにしてくれてるんだと思うよ〜?』


『2人に感謝だね!』



 私は進みながら2人に感謝しつつ、ついに目的地。大規模戦闘システムがある建物が見えてくる。


『見えた!!』


『油断しないでよ〜?』


『はーい』


 危ない危ない。こういう油断で痛い目を見るのはごめんだよ!



 私達は気を引き締めなおしながらその建物に近づいていく。


『何もいない?』


『今のところは…。中で待ち伏せかな〜?』


 それは嫌だね。


 ついに建物の入り口にやってきた。まずはユキがその扉を警戒しながら開ける。


『何もいない。ナユカ、進むよ〜』


『ラジャー!』


 中を確認して、何もいないことを確認した私たちはそのまま建物に侵入していく。


 ミカちゃんは入ったことあるけど、実は私もユキもこの建物に入るのは初めてだ。


 内部構造は今のところシンプルで、入口を入ると一直線の短い廊下とその真正面に両開きの扉。


 一応、電動のドアで少しだけEPを使い開ける仕様のようだ。EPを知らない人からするとあかずの扉ってことになる。ミカちゃん以外が見つけれなかったのも、扉があかなかったから存在すら知らなかったが正解だろうね。

 わざわざ開けようともしないし、ユキみたいに爆破入店なんて滅多にしない。


 しないんだよー?ユキー?


 今回はちゃんとEPを使ったらしく、扉がちゃんと開く。



『中にも誰もいないね〜…』


ユキが先行し、その扉の先に入る。そこにはひとつの部屋と、その中央に鎮座する機械。これが大規模戦闘システムに違いない。


『これかな〜?』


『うん。たぶんね』



 ユキはそのままタガーを取り出し…。


『じゃ〜、破壊するね〜』


 タガーを逆手に持ち、大規模戦闘システムに思いっきり突き立てた!




 ガシャンッ!!



『目標の沈黙を確認。置き換えられた空間の解除が始まりました。ARでの再構築を確認。終了しました。次はおふたりの〔地図〕に目標ポイントを表示します。ここにマザー本体がいる可能性が高いです』


『『了解』〜』


 ついでにシルエットも消えてくれてたら良かったのに…。


 そのまま次の目的地。元々闘技場のあった場所に向かうため私たちはその建物の出口に向かう…が。



『うわ〜、囲まれてるよ〜?』


『どのくらい?』


『200くらいかな〜?』


 その建物を取り囲むように展開したシルエットによって私たちは取り囲まれているらしい。


『どうするの?』


『ん〜。無理やり突破以外何も無いかな〜…。あ』


『あ?』



 何かを思い出したかのような声をあげた後、ユキはインベントリを開きアイテムを探す。



 そしてひょっこり持ち出したのは、どこかで見た事のある爆弾…。


『またか!!』


『派手に吹き飛ばそうか〜!』


『ちょっとまっ!!』



 私の制止も聞かずにスキルを使って豪速球で爆弾を放り投げる。


『逃げるよ〜?』


『逃げるってどこにッ!!?』


『こっちこっち〜』


 投げたあと、ユキは私の腕を掴んで、再び大規模戦闘システムの機械があった部屋まで逆走する。


 私たちがその部屋に滑り込んですぐに…。



ドーーーンンンン゛




 外から聞こえてくる爆発音…。



『よし!すぐに飛び出すよ〜』



 ユキは爆発音の後に即座に出口に向かって飛んで行く。私の腕を掴んだまま。



 そのまま建物をなんの躊躇いもなく飛び出し、目的地点を目指すようだ。


 外の様子?知りたい?






 そうだね。妙に視界がひらけていると言っておこう。





*







 場所は変わってミカとビュアが激戦を繰り広げている。

 2人は、ミカがエネルギータンクにEPを貰いまくりながらビームを乱射し、辺り一面の敵を蒸発させ、ビュアはその間に持っていた。回復薬でHPとMPを回復させる。


 エネルギータンクが近くにある以上。ミカのビームは打ち放題なので、ビュアはほとんどの敵をミカに任せつつ。ミカの後ろや、ビームを逃れた敵を狩っていくことに専念していた。


 そんなことを繰り返しているうちに辺りに変化が起こる。



「おっ?!」


 周りの建物が消え、そこには先程までとは違う工場のような建物と、幾重にも張り巡らされたパイプが至る所に点在する。


 ゲームの闘技場周辺のセーフティエリアが、現実にある地形に変わったようであった。



 もちろん、遠目に見えていた闘技場も消えている。



「ナユカさん達が上手くやったようですね」


「そういう事か…」


 この変化はナユカ達が上手く大規模戦闘システムを壊したということだが、ミカはひとりやばい事実に気付く。


「あー…。ビュア。悪いニュースだ」


「なんですか?」



「闘技場周辺のセーフティエリアが切り替わったよな?」


「?はい」


「もちろん、いまうちらが戦ってた場所も変わったわけだ…」


「何が言いたいのですか?」



「つまり、エネルギータンクも現実側には無いものなので一緒に消えたことになる…」





「あ…」


ドーーーンンンン゛



 2人の心の悲鳴は、爆発音によりかき消されたのだった。


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