私達はマスターによって運ばれてくるデザートを食べながらそれぞれのスキルについて話し合っていた。え?さっきもパフェ食べてなかったかって?…ゲームって太らないからいいよね!
「だいたいの仕様は把握したかな〜」
うん。〔魅力〕の効果がやっとわかったからスッキリしたよ!
簡単に言ったらあれでしょ?私が目立てばMPが回復してMP即行空っぽ問題が解決するわけだ!
「で?この情報はさすがにまだ他のプレイヤーには内緒だよな?」
「もちろ〜ん」
「そうですね。さすがに公開する訳にはいきません」
「公開するのは〜、闘技大会で。闘技大会でもなるべく温存しておいて、チーム戦になったら一気に暴れるよ〜。それまではいままで通り使っていいよ〜」
「幸い、ハルトもビュアもナユカもそのスキルを闘技場で使ったことはないのでしょ?でしたら大丈夫ですわ。実況解説のヒカリはスキルを見るスキルを持っているから…、使ったらスキルも効果もばれてしまいますわ。だからそれまでは闘技場でのランクバトルは禁止ですわね」
私は元々ランクバトルはまだ出るつもりはなかったからいいけど、他の人はそれでもいいの?
「あぁ、別に俺はそれでいいぜ?」
「私はそもそもランクバトルはしませんから」
「よし〜決まりね〜」
いいのか…。まあ、闘技大会まであまり時間もなさそうだしね。
「それで早速ハルトに御相談があるのですが〜!」
「お?いいぜ。ユキさんの頼みだなんでも言ってくれよ」
「ナユカの武器を作って欲しいんだよね〜」
私の武器?私武器無くてもいいのよ?剣術系のスキルなんてほとんどないのに。
「確かに何も持ってなさそうだもんな…」
「ナユカ武器持つなら何がいい〜?」
武器…武器ね〜。あまりイメージがわかないんだよね。剣とか槍とか?刀も私が持ってもあまりパッとしないしね。
「なんでもいいぜ?もし決まらないなら何個かお試し用の武器持ってみるか?」
「うん、持ったこともないからいざ何がいいか聞かれても分からないんだよね…。出来れば戦っててキレイだとか、華やかな武器ってある?」
どうせ使うなら使ってて可愛いとか、キレイなのがいいよね?〔魅力〕の効果もあるし。
「なるほど、戦っててキレイ…か」
武器に美しさを求めるのもおかしな話だけどさ?そこはゲームだから。あぁ、そういえば…
「ねぇねぇ、ユキは何が持ってるの?武器」
「私〜?私はこれだよ〜」
そう言ってユキはインベントリから小さな剣を取り出した。えーと、なんて言う武器かな?
「タガーか…、それは誰に作って貰ったんだ?」
「自家製だよ〜?」
そうそうタガー小さくて持ちやすそう。持ち手の部分は白水色でこれまた雪の結晶が散りばめられていた。
「すげーな、自作でここまで作ったのか…。下手な生産者より上手いぞ」
「もし良かったら私のも後で新調しといてよ〜。こんな感じで〜」
「え?いいのか?俺が作った武器で」
「私よりも得意でしょ〜?鍛治。これベースで出来れば軽い素材でお願〜い」
「あぁ、任された」
タガー、でもいいけど…、まああれかハルトさんに投げちゃおうか!
「私のはハルトさんがイメージした武器ならなんでもいいよ!さっきの条件プラス軽い武器がいいかな?」
「なんでもいいのか?」
「うん!」
だってどれも分からないし、なんなら変わった武器とかでもいいよ!
「了解した」
「ふむふむ…、なんでもいいのか〜…。ついでにナユカの装備も作るからそれに合わせて作って見る〜?」
「ほう…?ナユカさんの装備はどんな感じにするんだ?」
「ん〜それわね〜…」
そう言いユキはこっちをチラッと見たあと。
「内緒〜、後でハルトとこっそり作っておくよ〜」
「なるほどなwいいぜ?」
「こんなものかな〜」
「まだありますわよ」
そろそろだいたい話し終えたかな?と思ったタイミングでアリアさんが待ったをかける。その内容は…
「ズバリ!パーティー名を決めないといけませんわ!」
確かにパーティー名が闘技大会では必要になるとか言ってたけど…。
「あぁ、確かに〜」
「名前ですか」
「適当でいいんじゃね?」
「んー…」
いきなり名前と言われても思い浮かばないね。このメンバーの共通点とか?
「適当に言ってく〜?」
「んー、力の解放…とか」
共通点そのまま言ってみただけだけど
「決まりね!」
「だね〜!」
「異議は無いぜ?」
「ですわ!」
いいのかよ!本当に適当だよ?もっとましなのないの?
「うんうん〜、5人の共通点は今までにない力、それを闘技大会で大公開するんだからいい名前じゃないかな?優勝狙うし〜」
あれよあれよという間にその名前で決定してしまった。実はみんな考えるのめんどくさかっただけでしょ?ユキなんて睨んだらさりげなく目を逸らしたし!
そしてそのままパーティー名は「力の解放」に決定したのだった。こんなのでいいのか?
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