選手達には実況者の声は聞こえていません!なのでご安心を
『さぁー皆さん!!バトル開始まで残り5分となりました!実況は半公式プレイヤーことアキアカネと、解説のヒカリがお送りいたしま〜す!!』
そんな声が大音量で聞こえてきた。
『今回のバトルはなんと!!ランキング9位!!武闘大会の2大会優勝者!誰も知らない魔法属性「氷」を使い、鮮やかに舞う戦いっぷりから白雪姫の2つ名を持つ少女!!その名も〜〜。「ユキ」〜〜〜。』
いや、ちょっと待てッ!!
ランキングはさっき見たよ?9位って強いんだなぁ〜。程度だったんだけど、2大会優勝者ってッ!!
私聞いてないんですけどッ!?
『そして、対するプレイヤーは〜。ランキング1445295位!!上位ランカーのアツキ〜〜〜。』
うぉーいッ!!?
100万代で上位ランキングだと〜?これはもう認めよう。ユキってヤバいやん!そりゃ〜視線集めるよね〜。
なんかユキが私のことを、してやったりってニマニマしている顔が目に浮かぶよ!だからだな?大会のことあまり詳しく教えてくれなかったのは。
まあ、驚いたけど....。またいつかやり返さないとね〜?
そういえば....。 私の周りだけ人が居ないんだけど?あと少しだけ豪華。
そう思い、あたりをキョロキョロ見回す。
うんやっぱり私の周りだけ人が居ない。もしかしてフレンド限定の席なのかな?少し....いや、とても!とーっても!!視線を感じる....。
何故だ?
ユキが普段からフレンドを作らないことはプレイヤーの間では有名な話なのだが、不幸にもそれを知らせてくれる人は居ない。
ちなみにユキがフレンドを作らない理由はそもそも必要ないのと、ナンパ目的のフレンド申請の多さゆえである。
『そして選手の入場です!!』
いろいろ考えていると、もう5分がすぎていたらしい。
舞台の上に、ユキともう1人....誰だっけ?あぁ、アツキだっけ?がやってくる。観客は大いに盛り上がっている。もう、こっちを見てる人はいないや。一安心。
そのアツキというプレイヤー、装備が軽戦士っぽい....のに対してユキはと言うと、さっきの装備のまんま、変化がない。
「ユキさんですね。ランダムで対戦ルームに入ったとはいえこんなことになるとは。精一杯頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします。」
「えぇ、アツキさん。こちらも負けられない理由があるの。いいとこ見せないといけないからね。よろしく。」
対戦するプレイヤーの会話は聞こえるようになっているらしい。そんな会話が聞こえてきた。あれ?ユキ....口調が変?
《バトル開始まで残り10秒です。シールドを展開します。スキルオープン》
シールドが観客席と両プレイヤーの真ん中に張られた。次に変化があったのはアツキの方だった。
まず赤、次に緑に体全体が光る。多分バフかな?そしていつの間にか手に短剣を握っていた。
対してユキは何もしない。そうしている間にもカウントは進んでいく。残り3秒....
「ナユカ!!見ててね?....。 さぁ【私と一緒に踊りましょう?】」
その次の瞬間、ユキはしたから上にスキャンでもされているかのように光に包まれる。それが終わると....
まるで舞踏会に参加でもするのかなと勘違いしてしまうほどの綺麗なドレスを身にまとった姿になっていた。もちろん、至る所に雪の結晶がちりばめられている。そしてユキの姿が少しキラキラしているのが遠目からでも確認できた。
そしてバトルが始まる....
頑張ってね!ユキ!!
3....2....1....スタート!!から全力で上へ飛ぶッ!!
〔飛行〕だと初速がゆっくりでだんだん加速されるのだが、別のスキル〔飛翔〕を使うことで相手よりも先に上をとる。
飛翔は飛行より初速が速いので上を取りやすい。しかし飛翔を使う場合上方向限定でしか使えない。飛行はどの方角にでも使えるのでその点便利なのだが今は飛翔で上をとる....よし!相手を見ると私よりも下にいる。私に追いつこうとしているのか急ぎ飛んで来る。
「いくら9位様でも....弱気で行くなんて僕らしくないからっ!!初めっから全力で叩き込むよッ!! 【pitfall】!!」
彼がそう言った瞬間、上から大量の弾幕が降ってくるッ!!大丈夫このくらいの範囲なら真横に飛べばいい。でも下から追いつかれたくはない。ならどうするか....全部........躱してさらに上をとるッ!!
『おぉーっと!両プレイヤー開始直後から上を取りに行く模様!!ユキ選手の方が早く上へ。しかしそれを黙って見過ごさないッ!アツキ選手の
【pit fall】が発動!!ユキ選手の頭上から大量の弾が落ちてくるッ!!これはどういったスキルの組み合わせなのでしょうか?』
『まず〔魔法〕で出されている弾は〔無属性〕。それを相手の頭上に〔指定〕、弾の速度を見るに〔落下〕のスキルを弾に使っている。これは上昇中にされると怯んじゃう…敵対者、半径10メートルに遠隔で魔法を設置することはできない、自分の進行方向から弾が迫って来たら普通の人はそこで被弾して真っ逆さま。』
段々と迫り来る弾幕....それを〔氷〕凍らせて!!
〔砕く〕!!
『 ぉぉーーー!?でたーー!白雪姫と言ったらこれ!!弾を凍らせて物質化ッ。からの砕く!!目の前にあったはずの弾はユキ選手の体ひとつ分綺麗に砕かれたーーッ!!』
「そう簡単には食らってくれないか....」
よしっ!上は取れた!!これからが本番よ!
「【凍える世界】!!」
後書き
魔法戦のルール
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