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R×2 58  弾幕の嵐

公開日時: 2022年9月4日(日) 15:53
文字数:2,031




「というか、よくついてこれるね?私結構スピード出てるはずなんだけど?」


 私をカメラに収めるための執念なのか。はたまたビュアさんが私の行動が読めるのか。結構スピードが出ているし、〔ジャンプ〕でガクンガクンな軌道を描いているから追いかけるのは難しいはずなのに。



「いえいえ、私も言ってしまえばスピードタイプなのですよ?潜伏、追尾、盗撮。配信者なら当たり前です」


「うん。しっかりストーカーだね。というか盗撮って自分で言ってる時点で手遅れなのか…」


 やっぱりビュアさんはストーカーだったよ。確かに未だに何も無いところからヌルッと現れたりしてるから。初めてあった時も透明になってたみたいだし。


 チラッと前を見れば、今度は地上から攻撃が飛んできた。ビュアさんは私の後ろで「角度的にはここら辺が…」とか言って攻撃する気配ないけど。私守られる側だよね?


 まあ、もういいけど。


 仕方かの攻撃は珍しい…、というより始めてみるタイプの弾幕?植物のツタが私目掛けてものすごいスピードで伸びてきていた。弾幕を当てて相殺しようとすると弾幕だけが、ポンッ!という効果音を響かせ消えてしまう。てことはこれ一応物理攻撃なのね。

 ある程度の追尾性もあるらしく、まるで自分の意志を持っているかのような動きに…。いや、〔霊力〕にそんな効果あったな。ということは生きている植物ということだ。

 ジャンプで伸びたツタを躱し、弾幕がダメなら切ればいいじゃない!と扇子を振るうも…。



ガキンッ!!



「えー?」



 そのツタ自体は恐ろしく固く、くねくねしているにもかかわらず、まさか金属みたいな音を響かせ弾かれてしまった!咄嗟に弾幕を真上に。〔回す〕を使ってそのまま曲げながらたぶん下にそのプレイヤーいるであろう場所目掛けて落とす。


 さらに回避先に左右から同じく大きめの〔爆発〕付き魔弾を回り込ませるように飛ばす。


 その間にも、ツタは執念に私を追いかけ、薙ぎ払ったりしてくるので、それを避けつつ。爆弾が着弾。


 ん。なんか悲鳴が聞こえたので当たったっぽい。


 一気に近づく私。見えた!


 相手も私に気づいたらしく。目を見開きながらもこちらにツタを振り払う。もちろん回避。相手に弾幕で牽制しつつ。急接近。そして斬る。

 相手はツタを剣のように…、え?なにそれ凄い!剣のように構えて迎撃しようとするも、私に撃破された。


 粒子となり消えて行くプレイヤーを見ることも無く。私はさらに前に進む。まだまだ弾幕はそこらじゅうから飛んで来てるからね。それにおかわりがごとく、次から次へとプレイヤーがこの戦場に足を踏み入れているためでもある。


 やっぱり終わる気配なさそうなんですけど?


 こんなことを無計画にいきなり始めたユキに、心の中で文句言いつつも体はするすると弾幕の中を駆け抜けていく。一応今のところノーダメージだね。


 そろそろスタジアムも見えてくる頃かな?


 さっきは高いビルの上から見下ろしてたから見えてたスタジアムだけど、今は他のビルなんかでその姿は見えない。ビルよりも弾幕の方が視界を奪ってそうだけど。



「あ!見えた!!」



 そんなことを考えていたら、ビルとビルの隙間からちらりとスタジアムが見えた。あっこがひとまずの目的地だからね。そこからはどうするのか知らないけど…。いやまさかずっと防衛なわけあるまい…。無いよね?

 ユキ達の方を見ると、さすがに戦闘しながらこっちに来ていた。ビュアさん?ビュアさんは今も私の近くにいるよ?

 たまに何か技を唱えているけど。ほとんど攻撃には参加していない。一気に近づいてきた時は敵の攻撃かと思って攻撃しちゃいそうになったのは内緒だ。



(ちょっ!?ナユカさん速すぎますってッ!!あ、今度はそっちにッ!!カメラワークがッ!!うおおおおぉ!!!追いつけぇーーー!!)



 内心ビュアは攻撃どころじゃなかったのであった。




 そして順調に進む私たち。しかし思わぬ所で邪魔が入ったのだった。



「へぇ。聞いてみた時は半信半疑だったんだけど。ランプの情報は正しかったみたいだ」


「あったりめーだ。生放送してるっつっただろ?」


「ん?」


「や、やっと追いついた…。おや?ランカーがふたりとは珍しい。待ち伏せですか?」


 目の前に現れた男ふたり、ビュアさんが見覚えがあるのか話しかける。というか確かに見覚えある人達だね。大会デュオの決勝相手のランプさん、カルマさんだ。


 ちょっとすんなり通れなさそうかも。



 少し遅れてユキ達も私たちに追いつく。


「おぉ〜。なかなかめんどくさくのに当たったね〜」


「なぁぁぁんということでしょう!!ここでナユカ&ユキVSランプ&カルマという。最近大会で暴れた2チームが揃ってしまった!!」


「ん。人数だと私たちが。有利。でも。今のこの状況は。完全な不利」


「なかなか。この弾幕の嵐と組み合わせると厄介な2人ですね」


「お?怖気付いたか?」


「残念だけど、この状況を作り上げたのは君たちだ。観念してくれ。あ、あとライブは素晴らしかったと言っておこう」


「あれ?来てくれたの!ありがとー!」





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