Reality barrage Gamers

初心者がゲームの常識をひっくり返す...無自覚に?
D,S(diamond) D
D,S(diamond)

Z347  4人と1羽の宙の旅

公開日時: 2024年9月26日(木) 03:24
文字数:2,056

*>>ナユカ視点


 あちこちにモンスターが現れてからはや1時間。長い間、戦闘ばかりで少し疲れてしまった。たまに歌うことをやめそのまま植物園の中央へ帰還する。


 こういう長時間の戦闘にも慣れているのか。Jチームのみんなやウルドも割と元気良さそうだ。

 Jチームのみんなは植物園をベースに陣地を構築。こうして中央に何時でも退避可能なのは彼らの素早い働きのおかげだ。


「おつかれさまです。ナユカさん」


「ありがとうございます。でもJチームのみんなはもっと凄いです。まだ疲れてなさそう」



 ちょうど私と同じタイミングで前線から帰還したのか。ワダチさんの姿があった。


「あ、あはは…。ただ昔長時間戦闘上等なイベントがありましたから。みんな慣れているんじゃないですかね?」


 そういえばスカイスクランブルイベントの話。みんな数日間戦ったとか聞いたような…。確かにそんなのに比べたら1時間くらいなんてことないのかもしれない。

 私もこういう長丁場に慣れとかないといけないのかな…。ならば休んでる暇はない!


「あ、ちょっと待ってくださいナユカさん。ユキさんから少し指示が出ました」


「あり?」


 やる気を出したら止められた。ユキからと言うので前線に戻ろうと動かしていた体を止め、再度ワダチさんに向き直る。ワダチさんはユキからの念話による指示を聞いているのかしばらく無言でマップを開いていた。


「ナユカさん」


「は、はい!」



 っと。いきなり呼ばれてびっくり。念話は他者にバレないが、こういう時にタイミングを測れずにビクッとしてしまう。


「これからウルドさんを連れて博物館の発着場に行ってください。そこでユキさんがお待ちです」


 ふむふむ。博物館。つまり私たちのホームなわけだけど発着場ってなに?いつの間にできたのそんなもの。


「わかりました!ウルド〜!!」


『呼んだか?』



『わぁ!?びっくりした』


『パーティー組んでいるからな。念話で話した方がよく聞こえると思うが』



『確かに』



 そういえばウルドも〔念話〕さっき買ってたのを思い出した。今やリリースみんなが持ってる念話だけど、少し前まで〔念話〕って持ってる人少なかったんだよね…。忘れてた。


 とりあえずウルドにホームに戻ることを伝える。本人は理由も聞かずにわかったと返すだけだ。理由話してたら遅くなりそうだし、そもそも私も理由知らないから聞かれても困るんだけど、もう少し興味は持って欲しい。



 ここを私が離れても大丈夫なのかとも思ったが、ワダチさんを見るとにこやかな笑顔でサムズアップしてくれた。行っていいよ。ということらしい。

 なるほど。この人頼りになる!Jチームみたいな大きな組織のリーダーに選ばれた理由を何となく察した。




*




 あれから20分ほど。一直線で闘技場を通り過ぎればいいのだが、モンスターがそこらじゅうにいるためそうもいかない。

 ただしこういう時いちいちモンスターを倒していると時間を取られるのも知っている。だから、必要最低限の戦闘に留めて素早い合流を目指した。


 博物館についてとりあえず上から敷地内を見下ろしてみる。


 真ん中に博物館。今は手前側に見える私の家が最北端。…あ、よく見たら私の家の真横のスペースに見知らぬ建物と滑走路らしき道がある…


 げ、玄関から見たらノアと木々が邪魔で見えてなかっただけだし!博物館の敷地は割と広いし!分からなくても仕方がない!!




 とりあえず滑走路に降りると案の定ユキがいた。


「ふむふむ〜。流石に発着場の場所はわかったか〜」


 ギクッ!


「も、もちろん!」



 とりあえず苦笑いで誤魔化しておいた。たぶんバレてる。


「まあ〜、そういう事にしといて〜。早速だけど木星まで飛ぶよ〜」


「木星?なんで?」



 今現在地球も襲われてる。このタイミングで木星に行くというのは…。以前みたいにまたもやピンチなのだろうか?


「ん〜。私も知らないんだよね〜。ただアリオト艦長が血相変えて木星のノアまでって言うからさ〜」


 ユキが自主的に行こうとしてる訳では無いらしい…アリオト艦長絡みならメインストーリーやそれに近しいなにかのイベントが起きているのだろうか?

 とにかく行ってみるしかない…ん?これ私行く必要ある?


「あれ?私も行くの?」


「最低限の防衛メンバーは置いていくよ〜。私と〜、ナユカ〜、そしてニワタリを借りて〜、ついでにガイド役にヒイロさんかな〜?」


 要するに余った人となんか関係ありそうな人集めた感じか!


「俺はどうしたらいい?」


「あ〜…どっちでもいいよ。ここに残るか〜。一緒に来るか〜」


 ウルドは正直戦力には…。いやでも剣があれば充分戦えるのでは?特にモンスター相手なら。


「では、ついて行きたい。ナユカ嬢やリリースのメンバーについてもっと知っておきたい」


「…言っとくけど〜変なことしたらその首落とすから」



 ユキさんや。流石にもうちょっと表現どうにかなりませんでしたか?


「それでいい」



 ええんかーい。



 こうして私たちは後ろでスタンバイ完了した宇宙船…戦闘機?に乗り込んだ。


 前にミカちゃんが乗ってきたやつとはまた違う戦闘機なので4人と1羽程度ならいい感じの広さだった。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート