オーブショップをあとにしたナユカ達一行。ナユカは〔飛行〕のスキルを買い忘れ、あまつさえ所持金をほぼ使い切ってしまったことに少し後悔していた。
「うぅーー〜....」
「そういつまでもクヨクヨしないの。」
「うぅーー〜........」
この調子である。
「また今度買いに来るか、それよりも先にフィールドで飛行系スキルを取ってしまえばいいんだから、ね?それにほら魔法は使えるようになったんだし〜」
「そうだけど〜....」
「それに今から魔法教えてあげるから元気出しなって〜」
「ほんと!?」
急に元気になったナユカを見て少し驚いたユキ、まあ、元気になったならいいかと歩みを進める。昔からこうなのだ、元気になったり、落ち込んで見たり。コロコロと表情が変わる。まあ、そこがナユカの可愛いところでもあるからいいのだけれど。
「さて、んじゃ次に行くのは闘技場ね!」
「え?また行くの?」
今度は不思議そうな顔をして首お傾げるナユカ。
カワユイ。
んッ!!ゴホン。
「あそこでプライベートマッチした方が障害物とかなくてある程度広いから便利がいいんだよ〜。今度は観客とか入れないようにするし〜。」
「ふーん、まあ、ユキに任せるよ!!」
そうしてウキウキしながらナユカは後ろを着いてきていた。
うーん。また戻ってきたよ。闘技場。そして集まる視線たち....みんなさっきのユキのバトル見てたからかな?なんか前より多いような気がする....
居ずらいです!!!でも確かに闘技場で教えてもらった方がいいような気がするからガマンガマンっと。
しばらくしてやっと闘技場内部にやってきたよ。それまで視線に耐えた私グッジョブ!!
それでまたコンソールの前にやってくる。ユキが色々操作しているのを横から眺める。
「ナユカも横にあるコンソールで今度はバトルのボタンを押してね!」
オーケイ。バトルね。さっきは下の観戦のボタンを押した。今度は1個上のバトルをポチッと。
「押せた?それじゃあ今度は下の方にあるカスタムバトルを押してね!」
はいはい。決闘、2対2、4対4、チームバトル、........あ、あった。カスタムバトル。これね!ポチと。
「ルームは私が開くからナユカは参加を押してね!」
ほいほい。ポチーーっと。
「そこに私の名前ない?」
あるある。ぽちり。
「んじゃいくよー」
次の瞬間、私の視界がブラックアウトしたかと思うとすぐに視界が開ける。
そこはさっきユキがアツキ選手とバトルした場所だった。まあ、観客がいなかったり、さっきより観客席が少ないので少し違って見えるけど。
「ナユカ〜〜まずはレクチャーするから〜〜。始めるね〜〜」
「は〜〜い!!」
少し距離があるからいつもより言ってることが間延びして聞こえる。
そうしてすぐに視界上部にホログラムが浮かび上がった。なになに〜?
ユキVSナユカ
ランキング
以下略
ルール設定 カスタムバトル
ランク変動なし 闘技場入場制限:フレンドのみ
制限時間、制限距離、行動制限「飛行系スキル」「近接武器の所持」。
HP全損なし。即時回復。勝利条件なし。敗北条件なし。
うむ。何となくわかったかな。少しづつ慣れていかないとね。
《 バトル開始まで残り10秒です。シールドを展開します。スキルオープン。》
「この10秒間バリアが貼られるよ〜!その間に今は出来ないだろうけど能力アップスキルとか装備変換とか武器とか色々準備してね〜〜」
「は〜〜い!」
3........2........1........スタート!!........ってそうかまだレクチャーしてもらわないとバトルも出来ないね。
「ここまではいいかな?」
気づけばユキはすぐ近くにいた!びっくりしたよ!そんなことは顔に出さないように、至って冷静を装ったけどね。
「さっきのバトルでなんで相手の選手は1個づつスキルを使っていたのにユキは一瞬で色々かわったの?」
ちなみにユキにはびっくりしたのはモロバレであった。すぐ顔に出るのは多分無意識だ。そしてその後至って冷静を装ったのもバレバレである。
「フフ....あぁごめん。えーと?なぜ一瞬で変わったかだっけ?あれもスキルなんだけどね。少し特殊で私の場合は〔台詞〕ってスキルだよ〜。これを使うとある程度のスキルをどのようにとか、いつどこに〜とか、予めセットしておけるんだよ。私の場合キーワードは【私と一緒に踊りましょう】だね。」
うんうん。確かにユキはバトル中踊っているみたいだった。綺麗だったなー....
「それって、実況の人が「技」って言ってたやつ?」
「そうそう、そういったスキルを一括りに「技」って呼んでるね〜。」
「ふーん。」
「んじゃ、そろそろ....。実際に魔法。使って見ようか!」
待ってました〜!!
読み終わったら、ポイントを付けましょう!