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V1.10  モンスターミサイル

公開日時: 2022年3月28日(月) 20:36
文字数:2,228




 現在私たち「リリース」の面々はノアにて話し合いをしていた。ミカちゃんは現在、大規模戦闘システムがあるらしい闘技場北側ゲート付近から、少し寄り道しながらノアに来ているらしい。

 EPが空っぽになったから、エネルギータンクで補充しながらくるんだって。


 あれから司令室らしき場所から、再び応接室に案内されていた。


「此度の件、再度礼を言う。我々のみならず味方まで助けていただいたことを感謝する」


 応接室に入り、アリオト艦長含む全員が着席した後、紅茶が配られ一息ついたあとに、あるらためて艦長に礼を言われた。


「それほどでもないよ~」


「モンスター弱かったしな」


「ほとんどユキとナユカがやったのですわ…」



 モンスターはほとんど陸上で近接武器振り回してるだけだったからね?それから弾幕放ってたら誰でも倒せるよ。

 逆に言えば今回は木星圏内のプレイヤーの方が難しかったんじゃないかな?ほとんどスキル無し、武器無しの戦いでよく勝てたね?


「君たちにはまず、なぜ我々がこの星系にやってきたのか。なぜ攻撃を受けているのか話そうと思う」


 そう言ったアリオト艦長は私たちに事の経緯を話し出した。


 簡単に纏めるとこうだ。



・我々はとある星系で文明を築き、豊かな暮らしをしていた。


・しかしある時。星系外から訪問者が現れる。


・その訪問者を初めは始めての星系外との関係構築ができると喜んでいたのだが。訪問者は星系内に入るなり、いきなり攻撃をしはじめた。


・いきなりのことで混乱した星系は、ろくな抵抗も出来ずにその攻撃を喰らい。瞬く間に人口を減らしていった。


・最後の手段として生き残った同胞たちをかき集め、星系を飛び出し逃亡。


・1年間宇宙を潜航し、資源が多いであろうこの星系にたどり着く。


・しかし、敵の攻撃がこの星系に近づいて来た時に後ろから飛んできて、逃げていた艦隊に衝突。


・それぞれがバラバラにこの太陽系に不時着することとなった。


・その時に敵の攻撃もこの太陽系にふりそそぐこととなる。


・敵の攻撃手段はいわゆる生物兵器なようなものであり、ミサイルの中にモンスターを生み出す装置がある。


・着弾と同時に、広範囲にモンスターを一瞬で出現させる。


・敵の攻撃を喰らった時に、艦内にもモンスターが湧き。応戦することで難を回避したが、その時に艦の大半の機能が壊れてしまった。


・現在その復旧作業中。



 というのが大まかな説明だった。なかなかにスケールの大きいお話で。


 あと、生物がいることは確認できていたが、まさか自分たちと同じように文明を構築できるほどの生命がいるとは思ってもおらず、巻き込んでしまい申し訳ない。とも言っていた。


 まぁ、これはゲームだから。









「それでこれからのことなのだが…」


「まだ、敵の攻撃が来る可能性は高いのかな?」


 ユキが質問したことにアリオト艦長は嘘はつかないらしく。苦い顔をしながらもある。と答えてくれた。


「まぁ~。こちらは相当戦力があるから~。心配しなくていいよ」


「そういえば空を飛んだりなにか攻撃を単身で出したりと、我々にはない技術でしたな」


 あー。スキルのことかな?でもスキルってここじゃいっぱいそこら辺に落ちているよね?オーブとして。これってもしかしてアリオト艦長達もオーブ取れるのでは?


「ねえ?ユキ」


「何となく言いたいことはわかるんだけど~…。果たしてそれがいいのかどうか判断中かな?」


 あ、ユキもこの可能性については考えてくれていたみたいだね。


「そもそもオーブを取れない可能性もあるんだがな?」


「どうする~?」


 一旦、全員に意見を聞くみたい。


「私は試してみたいですね。動画で結果など共有出来れば、それだけ他のプレイヤーがこの件に関して協力的になってくれる可能性もありますので」


「俺は早めにNPCは育てておいた方がいい気がするな。だって黒龍クラスが来てみろよ‪w?な?」


 それは確かにやばいね。


「私は教えても聞きと思いますわ。ただこちらが一方的に教えるのはおすすめしませんわ」


 うん。それもそうだね。


「ナユカは?」


「私?私は教えるに賛成だよ。敵じゃ無さそうだし」


 まぁ、理由はなくて感で言ってるんだけどね?


「じゃ~全員の意見を実行してみようか」


「話はすんだかな?」


 私たちがまとまったのを見て、アリオト艦長が話しかけてくる。たぶん話しかけるタイミングを見計らってたんだろうね。


「うん。まずアリオト艦長の言ってた技術について。あれを教えるのはやぶさかではない。が、こちらもなにかそちらにしかないものをお教え頂きたい。というのが私たちの見解かな~?」


 ユキの提案にアリオト艦長は少し考える。


「それは、何をそちらに提供したらいいのだろうか?」


「そうだね~。こちらもそちらに対して、戦闘技術や飛行技術について教えるから、そちらもこの船のこととか、戦闘技術について教えて欲しい」


 おおー。結構大胆に出たね?でも戦闘技術とか普通教えてくれないんじゃないの?



「戦闘技術…か。少し難しいな。我々も命がかかっているのでね…。すまない」


 あ、ほら。断られた。


「あなた達が安全に暮らしていける土地を提供し、私たちと共存するなら?」


「!?」


 ユキが提案したことに驚く艦長。確かに住む土地はいるね。それに食料とかの問題も向こうは有るし。


「通信ができる艦と確認してからでもいいだろうか?」


「いいよ~」


「すまないがすぐに確認してくる。ヒイロこの方たちを歓待して差しあげてくれ。くれぐれも失礼のないように」


「はっ!」


 そう言って艦長は応接室を急ぎ足で出ていった。

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