『ログイン開始時間まで残り1分』
『RBG起動スタンバイ。全AIシステム。オールグリーン』
「さて〜、いよいよだよ〜?緊張してる?」
「それが全然」
「ん。いいこと」
「ですね」
RBGはあと1分で起動できるようになる。あまたのシステムを改善したことで以前のような事件はもう起こりえないと言えるだろう。ナビィがそう言っていたのでまちがいない。
そんなゲームの中に既に待機している私、ユキ、ヒカリさん、アキアカネさん。そしてナビィとマザーが闘技場にいた。
少し改造して特設のライブステージになった舞台の上で私とユキは待機している。
ヒカリさんとアキアカネさんには司会進行を任せるのでそのまま実況席にいた。
今回、ログイン先は強制的にここ中央闘技場になっている。
もちろん、とても広い闘技場ではあるが、さすがに全プレイヤーは入り切らないためチャンネルがすごい沢山生えてるけど。
ちなみにプレイヤーの方はこのことを知りません。サプライズライブってやつだよ!!…たぶんね!
『ログイン開始します』
そのマザーの言葉と同時に現れるプレイヤー…。パッと見一瞬で埋まったように見えるけどチャンネル足りる?
案の定足りなかったらしく、どんどん増設されてました。
『ご来場の皆様ー!5分後からワンタイムイベントが開始されます。それまでにフレンドなどにご連絡を!』
会場に響くアキアカネさんの声。舞台中央にいる私たちはプレイヤーには見えないように暗くなっている。
さらに。
『各都市エリアに予告フォログラム投影開始』
そう、このワンタイムイベントはリアルでも見れるように手配されているらしい。 よくもまあそんなこと許可降りたね?
後で聞いたら防衛省が1枚噛んでるんだって。
なるほどね…。
このRBGの注目度はかなり高いらしい。以前よりもプレイヤーが増えたというのは意外だが、色んな原因があるのだろう。
さぁ、時間だよ。
*
『ここは…。私たちが楽しく過ごせる場所だった』
暗闇の中。響くナユカの声。
『ここは…。たくさんの発見に満ち溢れた世界だった』
ユキが静かにそう言い放つ。
『1度止まった世界でも、私たちはまだ終わらない』
『進みだせ。再び』
『『RESTART Rady?』』
ここで一気に光がともり、ナユカとユキは飛び立つ。音楽とともに舞い初め、歌を奏で始めた。
ナユカが歌い。ユキが舞う。2人の綺麗な「弾幕」はその日。太陽系全体に映し出された。
今から「RBG」を始めるもの。
これまで「RBG」を遊んできたものも。
すべてのプレイヤーが、願った「RESTART」の音色。
彼らは再び歩み出す。この未知なる世界へ。
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