なんか大きい同盟組んでみたり、ヒカリさん達が「リリース」に入ったりした後、ビュアさんの動画をみんなで撮影してから解散となった。のだが…。
「ん」
「まだ予定より早いよ〜?」
なんかヒカリさんが私の方をじーっと見て。
「お昼ご飯食べたら。闘技場。すぐに来て。待ってる」
そう呟いて会議室から出ていてく。あれ?
「あ、ちょっとヒカリ!待ってって!それじゃーそーいう事なんでッ!お先失礼します!だから待ってってば!!」
そーいう事ってどういうことッ!?
ヒカリさんのわけの分からない意味深な言葉に翻弄されつつも、私はユキとともにログアウトしていった。
*
「なかなか急だよね?私も少しは考えついたんだけど、ヒカリみたいに即行動は取らないからさ」
「遅いと置いてくよ?」
「私は慎重派なだけですーゥ」
ヒカリとアキアカネが先程の会議から自分の仕事をしに戻るために、闘技場へと空を飛んで向かっていた。
「それで?間近でご本人を見た感想は?」
ヒカリはまっすぐ目的地を見据えながら、表情をぴくりともさせずにアキアカネに言った。
「不思議な子」
「これまた大雑把な回答で」
「ユキもそうだけど。ナユカもなんとも言えない。ん。風格?威厳?可愛さ?みたいなの。ある」
「言ってること矛盾してるからね?可愛い風格って何さ?」
アキアカネは微妙にヒカリの内面がこの先どうなるのか楽しみなのだろう。そんな心情を感じとっていた。2人ともリアルでの付き合いもそれなりに長いのだ。そのくらいわかる。
「ショップ。いく」
「ほう?これまた突然どうしたの?」
突然の進路変更に、アキアカネはヒカリを少しびっくりした表情で問いかける。
「私たちも。「リリース」なら。少しは。戦えないといけない」
「んー。確かにそれはご最も。6人で成し遂げ作り広げた力について。私たちも少しは知っておかないとね」
「ん。解説する上で大切」
「じゃ!行きますか」
この後、突如オーブショップに現れた、半公式プレイヤーの存在と、同時刻にアップされたビュアの動画のおかげで、2人はなかなか大変な目にあったという。
*
ユキと一緒にナビィの作ってくれたお昼ご飯を食べ、再びログインする。
ちなみにお昼ご飯はオムライスだったよ!!
「さて〜、ログインしたし、公式さんの言う通り闘技場に向かおうか〜」
「うん!」
私たちは博物館にログインしてから、すぐに闘技場に向かう。それにしても公式から呼び出し喰らうってほんとに心当たりが…。無い…よな?
やばい、最近の自分の行動がその可能性を否定しきれない…!
「なにそんな深刻そうな顔してるの〜?」
あれ?表情に出てた?
「いやー、なんで呼ばれたのかなって…。もしかしてユキがやったビル爆破事件のことで怒られるのかなって!!」
「あれくらいの破壊なんて日常茶飯事だよ〜」
世も末よな…。
ってちがーう!!あんな破壊が頻繁におきてたまるかッ!
「あれはユキが悪いので私悪くない。つまり帰ってもいいのか!」
「さすがに、違うからね〜?そもそも怒られない…。はず…」
「はずー!?」
もしかしての可能性があるのね!?あるんだね!?
残念ながら闘技場は飛んで行けばすぐ近くにあるわけで。そんな不安よぎる会話の後には既に目の前に闘技場が…。
あー、神様〜。あー、仏様〜。あー、始祖様〜。名無〜。
そんな馬鹿げた思考でふざけていると。
「ん。きた」
またもや目の前には、さっきお昼前に会ったヒカリさんとアキアカネさんが私たちを待ち構えていた。
なんで?
*
「会場権限取得」
アキアカネさんがそういうと。
《アクセスを確認》
なんか私の知らないことやってるよ!
《パスを要求》
「ホスト」
《承認》
次の瞬間!!
闘技場にいたはずの私たちは突如別のどこかに飛ばされる。あたりは白一面の何も無い空間。そこに飛ばされたのは、私、ユキ、ヒカリさんとアキアカネさんだけ。
これアキアカネさんが何かしてるの?
《操作を入力してください》
「モデル形成、ちょっと豪華な談話室を作成」
《実行開始》
アキアカネさんがそういうと、真っ白だった空間は瞬く間に威厳溢れる部屋に作り替えられていく。
これVRだね?てことは私は今ARじゃなくてVRの世界にいるってことだ。
そもそもこのゲーム。ARがほとんどだけどたまにVRが混じるよね。闘技場はもしかしてどこもVRなんじゃないかな?会場がでっかくなったりするし。
たぶん違和感なく切り替えてるんだろうね。別に実際の体は今も家のベットの中だし、やろうと思えばできるのか。
「ん。じゃあ。話そうか?」
お説教ですか?
「まずは大事なお知らせから」
ゴクリ…!!
「ユキさん。ナユカさん。おふたりを半公式プレイヤーに向かい入れたい」
「はい?」
アキアカネさんの口から飛び出したのはお説教じゃなかった。一安心だよ。ってちがーーーうッ!!今なんてったッ!!!
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