『新しくシルエットが出現しました。注意してください』
ナビィからの警告。前方から来るシルエット。が数体。
数体なら何とかなるかな?
「これは〜、めんどくさいのがいるね〜?」
「え?」
ユキは今までと違い、そのシルエットを見て険しい表情を浮かべる。先程よりも数が少ないのに。だ。
「ん、これはやばい」
ひかりさんですらやばいと言っている。何?何か違うの?
「こいつらたぶん、少なくともSSクラスのプレイヤーのコピーだね〜。なんか見たことあるもん」
「ん。75位 テレポーター 「オムライス」」
「オムライス?お腹でも空いたの?」
「違う。名前「オムライス」」
「あ、プレイヤーネームか!」
なんて変な名前をつけてるんだ!まさか名前で食べ物を連想させてお腹を空かせる遠距離精神攻撃!?
「金オーブを初めて見つけたプレイヤーだね〜」
…今日の晩御飯は決まりだね…。後でナビィに頼もう。
「51位 詐欺師 ナガト」
「今度は詐欺師?」
「弾幕が嘘つく」
何それ?どうやって?
「40位 匠 トンカチ」
家でも作るのか?
「即興即席の兵器を作る」
もっとやばいの作る人でしたか。
「29位 トラップ大好き ピトロン」
なんか癖の強いのがほとんどじゃね?
「見たら最後。辺り一面。地雷原」
「もう手遅れじゃ?」
「飛べばいいのであります!」
「空中にも地雷が。ある」
空中にあるのに地雷とはいかに?
「5位 殲滅戦艦 トルトル」
「いや〜、私よりランキング上だよ〜?」
「実質1位が何を言ってるのであります!?」
普通に上も食べちゃうユキが想像出来る。あら不思議。
そんなヒカリさんの解説を聞いていると、そのシルエット達の後ろからもうひとつ影が…。あ。
「解説…。いる」
「いらない」「一応〜?」
「ん。 ランキング省略。 アイドル ナユカ。 魅力の先駆者」
はーい!たぶんあれ私でーす!!
さっきコピーされたらしいから…。
正直もう1人の自分が黒塗りで現れると、なんというか、変な気分だね?しかも敵だし。
シルエットは喋らないから会話は出来ないけど、その分技の発動に詠唱がないから厄介だよね。
「とりあえず〜、誰が誰をやる〜?」
「勝てる気しないんですけどー!」
「ヒリリーはポーション投げ続ければいいのでありますよ!!」
「あそっかー!こないだいっぱい作ったらかいっぱいあるよー!!」
「回復ポーションも任せるであります!!薬剤師の見せどころですよ!!」
「YES!まっかせーなさーい!!」
ヒリリーさんって結構テンションアゲアゲだよね?あとすまん。誰が私に回復薬とポーションの違いを教えてください。
名前が違うだけ?
「ヒカリはトラッパーを〜。ナユカは詐欺師を〜。ヒリリーはテレポータ〜、軍曹は戦艦を〜、私は匠を相手でいいかな〜。1番相性がいいはずだよ〜」
「「「「了解」!」ー!」であります!!」
私たちはいっせいにターゲット目掛けて飛んで行く。が。
「!?待って!!後退!!」
咄嗟にみんなに呼びかけ、私は即座に後方へ〔ジャンプ〕。すると、いまさっきいた場所で爆発がおきた。
これが地雷ってやつかな!?いきなり湧いて出てきたみたいだった。見えない地雷とかなかなかにやばい。
「ヒカリ!」
「解析中…。〔表示〕〔共有〕〔赤〕。これで見える」
「「わぉー」」
視界に浮かぶ赤い点。これはヒカリさんの職業スキルってやつだよね?反則だー!
よく考えたら私のアイドルも反則かもだけど…。気にしちゃダメだぞ!
地雷が赤く光っているので、事故率は減ったが、なんか邪魔だから打ち壊しちゃおう!
全部の場所が割れているのでそこに火弾を一斉に放つ。
どーーーん!
あ…。
「さすがナユカ。新しく斬新な攻略法を生み出したね〜?」
「ユキが。言う?」
「確かに全部当てれば攻略できるでありますが…。普通できないでありますよ」
「過去にトラップをがん無視で、凍傷の状態異常レベルをあげて完封した白雪姫がいましたよねー!」
何それめっちゃ気になるんだけど。
「で、なんかシルエット一体消えてるんだけど〜…」
「策士策に溺れる」
「ピトロンが消えてるであります!!」
『先程の爆発で倒しましたよ』
「え、えっと…。ラッキー!」
なんか知らないけどトラップ仕掛けてくるシルエットはいなくなったよ!!なんでだろうね?
私?トラップ処理しただけだよ!
「これで動きやすくなったし〜、1人減ってやりやすくなったね〜。動揺…。するかどうか分からないけど今のうちに全員攻撃開始〜!!」
「おーう!!」
みんな元気がないよ?
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