ユキの提案を飲んだ4人その後生配信は終了され瞬く間に噂は広がっていった。
1番のインパクトは白雪姫のデュオ、パーティー部門の参加。そして宣戦布告とも取れる動画であった。
この噂は光の速さで広がっていく。それを聞いた上位の人間は次々にパーティーを結成したりと闘技大会は過去類を見ない盛り上がりを見せることになる。
*
「さて、3人とも誘いに乗ってくれてありがとう〜」
「こちらこそ、炎上するところをありがとうございました。別の案件で炎上しましたが」
「うへぇ…。すごいぞビュアさん。動画の再生回数がアホみたいに上がっていってるぜw?」
「そりゃーそーなりますわ。コメント広場も宣戦布告として大いに盛り上がってますわよ?」
「ユキがここまで有名だったとは…驚きだね!」
「ナユカももうこっち側の人間だからね〜?」
「うそーん…」
「むしろいままで自覚なかったんですか?」
さいですか…。
「それじゃーこんなところで話すのはなんだし?もっかいカフェ行こっか〜?」
「賛成です」
「うん!」
「?」
「カフェ?」
*
チリンチリン
私たちはまた姿隠しのカプセルを使い隠密にさっきのカフェ…カフェ?にやって来た。もちろん他のプレイヤーには見えてない。これのすごいところは扉とか開け閉めしても他のプレイヤーにバレないところか。
ちなみに、カフェのマスターは私たちのことが見えている。というのも店はマスターの所有するため、そのエリアに入った者が見えないと逆に防犯が大変だ。ここの設定ではマスター以外は見えない。ようセットしているらしい。そしてそうやって隠れながらきた人達はバレないように裏に案内されるらしい。
最も、私たちが入る部屋はその中でも最もVIPなエリアだということをこの時の私は知らないでいた。
「マスター、また裏使わせて貰える?」
「おいおい…多いな。まあ、あんだけ騒ぎになればそんなものか…どうぞ…」
ちなみに今はプライベート回線でユキとマスターが話している。マスター所有のエリア限定の仕様でそんなことも可能だ。
ガチャ
それぞれがいそいそと座る中ハルトとアリアは立ったまま唖然としている。
「この店よく使ってたがこんな部屋があったとは…」
「多分最上級…VIPですわね…」
この時2人はシークレットルームのことを言ってるのかと思っていたが…、実はハルトとアリアはシークレットルームは案内されたことがあったと後で知った。2人が驚いていたのはVIP部屋だったかららしい。
「よし〜!本題に入ろうか〜」
「うん!」
「まず、私は今後このメンバーで闘技大会を出場しようと思っているよ〜。ただ、その後。つまりイベントが終わったあとの話だね〜」
「後?」
「そう、これはまだ他のプレイヤーにばらさないで欲しいんだけど〜。イベント終了後アップデートでギルドシステムが追加されるらしいよ〜。その時ギルドを作ろうと思ってるんだ〜この5人で」
「な!?」
「そ、そんな情報どこから?」
「んふふ〜、秘密」
ユキって小悪魔な時あるよね。
「ギルドでは互いの協力が必要不可欠。もし参加してくれるなら〜相応の利益があると思う」
「例えばどんなのですわ?」
「アリアは各属性の変化形のスキル…例えば私〔雪〕や〔毒〕などの情報共有や無償提供〜」
「ッ!」
アリアは息を飲む。
「ハルトは武器屋としての店舗開設の資金援助や珍しいアイテムの融通〜」
「お、おぉ」
ハルトが感嘆の声をあげる。
「ビュアは私や他の子達の独占動画公開〜」
「なるほど」
「あれ?私は?」
「ナユカは、私と4人のバックアップね〜」
ぉぉー初心者だからバックアップしてけれるのはとても助かるよ!
「おのおのがもちろん協力してくれたら嬉しい。アリアは素材やアイテムの確保〜、ハルトはギルドメンバーへの武器の支給〜、ビュアは他者にインタビューして動画にした者の情報提供〜、ナユカはとにかく目立って広報〜、私はめんどくさい輩や迷惑な人間の排除〜って感じを考えているよ〜。そのためには私も協力を惜しまないことを誓うよ」
あまりの利益に黙り込む3人。もしそれが本当ならとても美味しいことは間違いない。そもそもユキがいる。これだけで得しかないのだ。それに加えナユカも協力者になる。ナユカ以外の4人のナユカへの認識は全員「なにかやらかす」である。
こと発想に至っては普通の感性から外れていると思っているのである。
「わかった。このハルト。そのギルドに参加する。参加させてくれ」
「私も参加致しますわ。ユキさんにそこまで言われたら断れないですわね。それに楽しそうですわ!」
「ええ、そうですね。私も参加させてください。こちらにとっても利益しかありません」
「うんうん」
「よし〜!決定だね〜。改めてよろしく〜」
ユキはそれぞれ3人にフレンド申請を送る。
それは、3人の知る限りではほとんどフレンドを作らないユキからの申請。3人は内心驚きながらその申請を受け入れる。
一切フレンドを作らないことで有名なユキからのフレンド申請。その重みを痛感するのであった。
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ユキのフレンド一覧
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