「ん。ここは…?」
「久しぶりね。花恋」
「っ!?始祖様!?お、お久しぶりです」
「元気そうで何よりだわ」
「はい、始祖様もお変わりなく…」
「成長止まってるからね。それより、那由花から色々聞いたわ。可愛い良い子ね」
「ありがとうございます。自慢の娘です」
「探すのに苦労したのよ?那由花のおかげで今こうして会えるようになった訳だけど」
「那由花の波動ですか?」
「そう、1回目はともかく、最近の波動は凄まじかったわ…。たぶん敵も方角は感知したでしょうね…」
「あの子を巻き込みたくは無かったのですが…」
「やる!と言ったら聞かない子よ。歴代ね。一体誰に似たのかしら」
「…」
「冗談は置いておいて、ともかく敵が再びそちらに行く可能性はかなり高いわ」
「はい」
「そして、波動の起源である那由花を最も狙うでしょう…」
「…」
「あなたよりも優先的にね…」
「守ります。私が全力をもって、そして、フラワーガーデンも…」
「出来ればフラワーガーデンも助けて欲しいわね…。菊花はよく頑張っているわ。逆によく持ちこたえているわね…」
「お母様…」
「予言はもう半分は起きているわ。そしてもう半分。暗闇の中の光…。それは貴方達のことだと思ってる」
「太陽系の人々のことだと思っています」
「その人たちは信じれる?」
「私の夫です。当たり前です」
「その一途な所も遺伝かしら?」
「始祖様と一緒です」
「…。家庭は大切よ」
「大切です」
「さて、現状について聞きたいのだけど、あの日、それがそちらに攻めてきたのよね?」
「はい。危うい状況を那由花が切り抜けました…。はっきり言えば偶然が重なって守れた奇跡です」
「奇跡や偶然でも、それを手繰り寄せたのはあなた達だわ。誇っていいわよ?」
「また、同じようなことがあれば、さらに被害は増えるかもしれません」
「そうね…。香花が言ってたの…。「人生の中で起きたことは、99パーセントが偶然であり、それは変えられない運により決められている。しかし、残り1パーセントは、その偶然を手繰り寄せる自分の意思や行動によるもの。その1パーセントは未来の運を変えることは出来ないけれど、少しづつ世界に影響を与えることが可能だわ。死ぬ確率が99パーセントでも、そこで諦めたら100パーセント死ぬわ。その1パーセントを手繰り寄せようという意思がないから。もし未来が確定していようとも、死が決まっていようと。それに抗う1パーセントが、私が死んだ後の未来を変えるの」」
「それは…」
「そうね…。あの子が私に教えてくれた。今でもあの子を抱きしめた時の温もりがここにあるわ…」
「…」
「もちろん、彼女も私も抗ったわ…。でも彼女の運命は変わらなかった…」
「私は、先代の意思を…」
「大丈夫。私が認めるわ。あなた達20人の姫は立派な私の家族よ」
「必ず…、必ずっ!私はガーデンプラントを救って見せます。貴女に那由花を撫でて貰うために。お母様に、私は立派に育ったと、ついでに勝手に逃がしたこと。感謝と共にガミガミ言ってやりますわ…」
「ま、まあ…。ほどほどにね?それにそちらも危なくなってくるわよ?」
「ご心配無用です。既に手は打ってあります」
「頼もしいわね」
「私は未来を変えて見せます」
「そうね…。いつか那由花と一緒にあなたを抱きしめられることを願っているわ。…時間ね」
「はい」
「「花輪に君を願って」」
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