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AZ365  海中

公開日時: 2025年1月9日(木) 03:43
文字数:1,990

*>>三人称視点




 暗闇を進むアリアとヒヒリー。そしてギルバート。まるで水中とは感じられない速度の移動を可能としているスキルが暗闇に落下していると表現できるほど、水の抵抗を感じられない遊泳。

 既に水深はかなり深く生身で潜ればぺちゃんこになること間違いない。

 そんな水深では陽の光などとうに届くはずもなく数センチ先は本来暗闇で進むことも、方角すらも分からないだろう。


 だがスキル〔クリアレンズ〕のおかげで100m位がクリアに見え、アリアの〔光〕属性の〔魔法〕によりあたりは明るく照らされていた。


 ちなみに〔光〕の〔魔法〕のノーマル使用方法が「ライト」という魔法で辺りを照らす光弾を自身の付近に浮遊させる魔法だ。



「注意ですわ!」


「はいなー!敵さんごらいてーん!」


「きゅきゅあー!!」



 アリアの感知に引っかかった反応は16。その全てが同一方向からこちらに向かってきていた。どうやらアリア達の存在を向こうも感知しているらしい。


「南南西、少し下から16来ますわ」


「んじゃアリアちゃん、ギルちゃん私に近寄っちゃダメだよー?私の領域にしちゃうからねー」



 そう言ってヒヒリーは薬瓶を咥えた。よく見ればその手には既に数十本のポーションが握りしめられている。そのポーションは水圧に耐える為か〔空気〕に包まれていた。

 そんなポーションをヒヒリーが放り投げると、空気は数秒後に霧散し、そしてポーション内部に存在した空気とガラスが水圧に押しつぶされ破裂する。


ーーーー


スキル:空気


カテゴリー:空間系

ランク:青

発動:アクティブ

概要:装備、アイテム、乗り物の任意の場所に空間を生み出しその所在惑星の大気と同じ比率と温度で気体を発生させる。GPを消費することでそのアイテムや装備の周囲に何秒間か強制的に停滞させることができる。この停滞は外部からの物理的攻撃を受ける以外でどんな圧力や加熱、冷却にも変化を示さない。


解放条件

・水中でアイテムを使用する


ーーーー



 〔クリアレンズ〕により透き通っていた海がそこからすこし紫色に染まりこれにはアリアもギルバートもすぐさま距離をとった。


 さらにヒヒリーはポーションを取り出し、アリア達が居ない方角へ投げては数秒後にポーションが割れる。

 黄色に緑に透明なポーションが海の色を少しづつ変えていく。


「絶対に!絶対にあそこに近づいたらダメですわよ!ギル!」


「きゅ…きゅあ!!」



 ヒヒリーの撒いたポーションは〔毒〕〔麻痺〕、それと…



「これも試してみないとねー♪」


 さらに取り出したポーションを指の間に挟みとても楽しそうに水中で戦闘態勢をとった。



 さて、そんな死地に突っ込む魚影が無事で済む訳がない。魚影とは言ったがそれはまるでゴブリン(水)と言えなくもない人型のモンスターだ。

 モンスターはヒヒリーに近づくと首お抑え苦しみ始める。


「ギョ…ッ…!」



ーーーー


名称:ギルマン


属性:水

特性:水性対応、武器対応、連携


概要:海に特化した人型モンスター。ノーマルな個体は素手などの攻撃方法しか持たない。が、武器を扱えたり、魔法を扱えたり、更には集団で連携をしたりする。泳ぎが得意。


ーーーー



「うーん。やっぱり即死は無理だよねー。効いてそうではあるけど」


 毒に犯された個体は10秒ほど苦しみそのまま倒される。さすがに知能はあるのか、後続で来ていたギルマンは毒を避けるように大回りしてヒヒリーに襲いかかる。



「サポートするだけで終わりそうですわ…「ポンプ」」



 そんなギルマン目掛けてアリアは水のノーマル〔魔法〕「ポンプ」で海水を押し出しヒヒリーとギルマンの間に〔麻痺〕のポーションであろう色つきの海水を流し込んだ。


「ギョギョ!?」



「なるほどー。魔法と合わせると液体中でもある程度コントロール出来るねー!少しだけ効果は薄くなってるかなー?」


 麻痺したギルマンを観察していると体の自由が効かないのか石のように塊ゆっくり沈んでいく。だが、そんな麻痺はすぐに解けてしまったようで、再度ヒヒリーに襲いかかった。


「じゃあ今度はこっちねー♪」


 そして手に持っていたポーションを投げつけるヒヒリー。

 そのポーションはギルマンの目の前に浮かび水圧により割れる。そして割れた瞬間!!



「ギ!???」




 現れたのは大きな氷塊。海水を瞬時に凍らせ、ギルマンをその氷塊の中に閉じ込めた。



「氷…ユキさんがなにかしたのですわ?」


「ちょっとポーション制作を手伝ってもらっただけだよーん!流石の威力ぅー!」



 どうやらユキとの合作らしいポーション。既にギルマンの面影は全く無く。そこには大きな氷塊が浮力により海上えと浮かんでいった。


「きゅ…きゅあ〜」



 小さな黒龍はそんな天高く登る氷塊を見ながら、自分が水棲じゃなくて良かったと心底思ったとか…






「ほら、そろそろ見えてきますわ!」


「おほぉー!!」



 そんなギルマンを倒した一行はついに目的地。海中に浮かぶシースフィアが暗い海をキラキラと輝かせながら現れた。


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