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AZ350  初めまして僕の憧れの人

公開日時: 2024年10月3日(木) 01:57
文字数:2,098


*>>ギビン視点



 現在…、僕は目の前の光景に…固まっている。金縛りにあったような…体が緊張し心拍数が上がっているような…

 冷静に分析しているが、若干の現実逃避だと思う。




 だって…



 目の前にはユキちゃんとナユカちゃんが居るんだもん!!

 え?えっ??これは夢か!?いったいどうして!?


 急いでビュアさんの配信を振り返る。もちろんずっとナユカちゃんを追っているカメラから送られてくる配信内容だが…


 唐突にナユカちゃんと新入りのウルドくん…様?が博物館に戻り始め、あれよあれよと戦闘機に乗り込む。そして宇宙に飛び出したかと思えば目的地はここだった…


「おや、ヒイロ殿ではありませんか!」


「ご無沙汰です。アルカイド艦長」



 何やら2人も知り合いみたいだ。ヒイロさんは確か地球のノアの船員でリリースと1番付き合いの長い来訪者だったはず。


「最高峰の護衛付きで移動手段を用意させていただきました」


「ありがとうございます。アリオト艦長には後で再度お礼を申し上げます」



「ここは?」


「ん〜?木星の人工衛星。ガリレオだよ〜。私達の居る地球やツアーで回った場所と違って〜、重力がどこまで行っても並行なのが特徴かな〜」


「星というよりは宇宙に浮かぶ都市としてイメージするのがいいだろう」


「ほうほう。ん?ウルド詳しいね?」


「コ、コケ…せ、背骨が軋んでるコケ…」



 やはりと言うべきか。いつもスクリーン越しに見ていた僕の憧れの人たち。彼女達は慣れているのか至って平常運転である。僕は未だに足が動かない。



「初めまして。リリースの皆様方。名前は色んなところでお聞きしますぞ。アリオト艦長に緑の光と声がしたと言うお方を宙へ届けるための宇宙船を貸してほしいと連絡したところ、皆様方を護衛として雇うと言ってくださった」


「そうなの?」


「そうだよ〜」



 うん。なるほど。彼女達がここに来た理由もわかった。そしてナユカちゃんはたぶんいつも通りユキちゃんに強引に連れてこられて何も聞いていないようだ。


「ここにいるギビン殿をどうか、宙に浮かぶ緑色の光まで護衛しながら連れて行って貰えないだろうか?」


 そしてその理由の中心には僕が居た…いやいやいやいやなんで!?え!?これから行く先はそんな個人で殺戮できるようなプレイヤーとボスモンスターが護衛にいるような場所に行くの!?なにそれこわい。


「護衛クエストだね〜。了解〜」


 彼女達の方にも個別でクエストが出たのだろうか?後で僕のクエストも確認してもらおう…


「ナユカです!よろしくね!」


「あ、ギビンです。よろしくお願いしますッ!」


 きゃー!?会話しちゃってるよォ!!?これ明日彼女達のファンに後ろから弾幕で貫かれたりしない!?大丈夫だよねぇ?


「ん〜。ユキだよ〜。よろしく〜」


「ウルドだ」


「ニワタリコケ」


「ヒイロと申します。ギビン殿の護衛。そしてその先起こるであろうことも、ひとまず戦闘機内でお話いたしましょう。時間がありませんので」



 自己紹介後僕たちは彼女達が乗ってきた戦闘機に乗り込む。戦闘機の見た目は小さそうなのだが中は意外と広かった。5人なら乗れるだろう。

 強いて言うなら彼女達と密閉空間にいる事実が怖い。



 そして戦闘機は動き出す…



「このまま行ったら宇宙空間に出るはず〜」


「あ、ほんとだ!街が途切れてるみたい!!」


「頼むコケ。しっかりワシを抱えておってくれコッコ」


「承知した」



 やばいこの空気。なんか、なんか息しちゃダメな気がするッ!


「とりあえず説明していきましょうか」


「頼むよ〜。私は運転しながら聞くからさ〜」



 ということで説明タイムが始まり僕は息を吹き返した。これは真面目に聞かないとこの先困るやつだ!


 ヒイロさんはそして僕をまっすぐ見た。



「空に打ち上がる緑の光と声。これは私たちのおとぎ話にある一説に同じことが書いてあります。今となっては真偽は不確かと一般的には言われるほど…。ですが上層部。特に艦長クラスは全員、その正体を知っているのです」


 あ、緑の光と声の話か。結局謎が多いのでそれを解明するクエストかと思ってた。けどこの感じで説明されるならこのクエストは別の目的があるのだろうか?


「ノアは全部で10隻。そのうち1.2.7は連絡が取れています。が残るノアはどこに堕ちたのかすらわかっていません。その中のいくつかには私達の故郷で言う種族事に別れた艦船が存在します」


 種族?


「獣人族やドワーフといった人型の種族です」


「おおー!ファンタジー!」



「そして緑の光と言われまっさきに思い浮かぶのがエルフと呼ばれる種族です」



 エルフ…あの耳の長い?いやもしかしたらRBGだと違う見た目とか?


「そしてそんなエルフが崇める大樹。ハイエルフのみが対話できるとされる神聖。その大樹と例外的に話すことができる者が居たのです。遠い遠い昔。その者は荒れた世界の救世主。「勇者」と呼ばれた人」


「…なるほどね〜」


 勇者?大樹?


「その勇者はエルフの危機に駆けつけた時こう言ったと言い伝えられています。声がした。頭の中に。願いを叶える代わりに緑の光を追いかけてください。と」






 あんれぇ?



「今、その大樹からの声を聞いた人。プレイヤーがギビン様なのです」











「えーーーーーーーー!?!?!」




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