炸裂した爆弾に飲み込まれたメンバー。たぶん、即座に爆弾の正体に気づいたユキ、ヒカリさん、アキアカネさん達は何とかやり過ごしていそう。この3人は以前付近でその形状や威力を知っているためである。
それと爆発で良く見えてないがリンさんの攻撃を喰らったメンバー。爆発直前に何故か全員急降下し始めたため相手を強制的に引きずり込むか、飛行スキルを使えなくしたのどちらかかと思う。
現在音が聞こえない私は何とか無事だった目をフル活用して現状の把握に務めた。
というか、わかった時点で耳は全力で塞いでいたのに貫通してきたんですけど…。対策無しだとダメージを受けた可能性すらある。視界も爆弾から目を背け瞼を閉じていても感じる明るさ…。威力がおかしすぎる。
上ではアリアさんとキリアちゃんが激しく戦闘し、下も薄らだが様子が見えた。えーとー…。ミカちゃんが落下しながら巨砲を振り下ろし、ついでにビームを発射。兜割りのような巨大なビーム軌道でリンさんをやっつけていた。
ちなみにその付近にいたビュアさんも巻き込まれてた…。なむなむ〜
さらにミカちゃんに薬瓶を投げつけるヒヒリーさん。避けることも出来ずよく分からない液体を被ったミカちゃんは…
金属をみるみる溶かされついでにダメージを受けていたのか…粒子となって消えてった。
落下して行ったメンバーでヒヒリーさんのみ生き残ったのだが…
うん。聞こえないけど…聞こえないけど!たぶん「おうのーーーーーぅ!!」とでも叫びながらフィールド端のバリアに墜落した。もれなく死んだようである。
さて、煙も晴れてきて…
ユキ、ヒカリさん、アキアカネさん、軍曹…だけ。
ハルトさんは爆発で吹き飛んだようだ。
「キリアめ〜、やりおる」
「死ぬかと思った…」
「アキアカネや、いくらなんでも我を盾にするのはどうかと思うコッコ?」
「あれは、ダメ、絶対」
「ぐ、偶然良けれたであります」
3人はやはり見えた瞬間に最大限の防御、或いは回避をしたようだ。
軍曹は突如落下し始めた人形達を追って降下していた時に偶然噛み合った様子。ただし、軍曹は生きているものの、その他兵隊人形は初めの頃と比べると1割程しか残っていない。この中では軍曹が1番不利だね。
私はとりあえず、弾幕をまたもや全方位に放出。先程の爆発のせいで大量に撒いた弾幕が殆どかき消されてしまっていた。
そんな私の行動を見逃してくれるはずもなく…
「とりま〜、ナユカは落としておかないとね〜?」
「勝たせてくれてもいいんだよ?」
「そうしてあげたいとは思ってるんだけど〜、護衛が負けちゃダメじゃな〜い?だからダメ〜」
「ブー」
どうやら勝たせてくれる気はないらしい。でもそっちの方が私も全力で楽しめるからいいよね!
「ニワタリ、HPはどうですか?」
「回復中コッコ」
「ん。ユキもナユカもアキも、全部知ってる技。私が、漁夫る」
「行くであります!!」
私とユキ。実力差は歴然。ユキ以外にも油断ならないメンバーがすぐ近くにいる。
ここからは逃げることも隠れることもできない。正真正銘の最終局面だ。
私は静かに扇子を構えた。
*>>三人称視点
落下中のミカ。飛行系スキルは突如使えなくなり、地面の無い空中ではなにかに掴まることもぶら下がることもできない。
(ちっ、砲のスキルも封じれんのか!)
小さな身体と、その体よりも大きな巨砲。巨砲に引っ張られる形で落下していくミカ。それでも巨砲を離さないのは流石だが、もはや手の打ちどころが見当たらない。
(あいつが犯人だな)
落下しながら、その先にいる巫女。リンを睨み…
「やってくれたな!意地でも道ずれにしてやる!〘回す〙!」
飛行系以外は発動可能。ミカは自分を起点に巨砲をぶん回す。
「【チュドーーーン】!!」
「んな!?」
「ぐえっ!?」
グルンッ、と勢いよく超どでかい大剣のようにリンをぶった斬る。…と言うよりも蒸発させた。
ちなみに。そんな不運な攻撃に揉まれたビュア。彼女は落下死回避のために〔風〕の魔法で落下を減速させることに注力していたのである。
そして…
「金属にはこれー!溶解ポーション!えーい!」
「あ!やめろ!つべたッ!熱いッ!」
みるみる溶けていくミカの装備と巨砲。割とシャレにならないダメージを受けていく。
「ッ!!〔解装〕」
装備を解除するももう遅い。ミカもHPを全損してしまった。
「よーし!…よー死ッ」
こちらも時すでに遅し。落下死目前にヒヒリーは涙目で落ちてった。
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スキル:解装
カテゴリー:装備系
ランク:白
発動:アクティブ
概要:装備系を使って装備した衣服や武器を装備前の状態に〔解装〕する。減ってしまった耐久値や破損は戻らない。解装の発動には呼称が必要となる。
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