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初心者がゲームの常識をひっくり返す...無自覚に?
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026  あいきゃんふらい

公開日時: 2021年12月6日(月) 01:25
文字数:2,073



タッ!!!!


 窓の縁をしっかりと踏みしめ投げ出される私の体。〔ジャンプ〕の効果で人間ではありえないジャンプ力を発揮した。


「んりゃぁーーーッ!!」


 そしてぐんぐん近ずいてくるオーブを右手で触れる……


 よし!!取れたッ!次は壁!!!


 ナユカのすぐ目の前には向かいのマンションの窓が迫って来ている。計画通りにするのであればこのまま窓をタックルなりして破壊。そのまま向かいのマンションの部屋に転がり込む予定であった。


「私渾身のタックルッおりゃーーグベッ!!?」


 この時代。窓ガラスひとつでもかなり丈夫な作りになっている。防弾ガラスかと疑えるくらいには.......


「んなああああああああぁぁぁぁーーーー」


 そんなものをタックルなんてもので割ることなどできるはずもなくナユカは8階くらいの高さから落っこちていくのであった。



 いやーーーー!!!落ちてるーー!?てかほんとにやばい!!どうしよう!?なにか!!なにかないかな!?やばいやばいやばい!!もう地面gッ!!


 1〜2秒程の落下時間で何か出来るはずもなく、ナユカは地面と仲良くなることになるだろうと、ここに誰かいたなら満場一致でそういうであろう。しかし、そうはならなかった。


「うわぉ!」


 ナユカの体は地面にぶつかるかという瀬戸際で突如バウンドしたのだ。


 え?跳ねた?咄嗟に色々スキル使う最後の足掻きの意味を込めて使ったスキルが!!なにが良かったのかな?


 そのまま今度は綺麗に着地を決める。


「おとと!」


 こうして無事?ナユカは生きて地面に着地することができた。


《スキル・魔法陣を獲得しました》


「私!生きてるー!死んだかと思った…」


 さて、なぜ生きてるのかたしかめないとね。何となく予想はついているのだけど…んじゃ試しに。


「よいしょ!!」


 そうしてナユカの体は10メートルほど上空へ跳ねる。〔ジャンプ〕の効果で跳躍力が上昇しているからだ。


 問題はここからだ。今私の体は空中に浮いている状態だけど、何もせずにいるとすぐに降下して地面に着地するだろう。でも…


「ここでもし〔ジャンプ〕を使ったら?」


 そうしてナユカの体は地面に着地することなくさらに上昇していく。


 やった!!跳ねた!!〔ジャンプ〕は必ずしも地面に足をつけていなければならない訳じゃない!


〔ジャンプ〕


 さらにナユカは追加で〔ジャンプ〕を使用する。


 しかも空中でも連続使用可能なんだね。てことは…上手く使えば空中戦できるかな?色々試してみないと。


 まずは、今いる空中で横にジャンプできるか…できたね。


 次、このまま今度急旋回して反対側にジャンプできるか…できた。


 次、ジャンプのすぐ後に別の方角にジャンプを繰り返す…できた。


 次、下方向にジャンプできるか…あ、これはできないのね。斜め下も無理と。


 次、壁でジャンプできるか…できた。なんなら好きな方に飛べるね。壁に足をつけていれば斜め下もジャンプできる。ただし壁に対してほぼ平行になる真上と真下方向へのジャンプは無理と。


 次、ジャンプする高さは15メートルが限界。それ以下なら自分で調整できるね。


 んで、最後。

 空中でのジャンプを使用する場合1回ごとにMPを持っていかれること。細かい数値は分からないけど毎回同じくらいMPを取られている。ちなみにMPの見方はユキにサーチの空いた時間に教えて貰ったよ。もう少し早く教えて欲しかったかな。教えて貰った時はもうほとんどMP空っぽだったからね。


 こんなとこかな?まだまだいろんなことできそうな気もするけどね…そしてなんと言っても!!これがあれば空を飛べるね!!正確には飛ぶではなくて跳ぶだけど細かいことは気にしてはいけないのですよ。そしてごめん!〔ジャンプ〕は飛行系スキルだったわ。


 よーし。テンション上がってきたしもっとオーブ集めにいっくぞー!!

 








 ナユカがテンション爆アゲでルンルンしながらどこかに走っていくのをマンションの影から覗き込む人影がいた。


(なんか…変な声が聞こえて来てみれば、すごい子見つけちゃった!?なにあのスキルッ!空中で直角に曲がったよ!?)


 まるで昔の新聞記者のような服装の彼女の名前は、ビュアという。


(あれスキルだよね…気になるなぁ〜…)


 少し、悩んだあと彼女はおもむろに歩き出す。ナユカの走っていった方向へ。


(やっぱり気になるものは自分で調べないとね?さて、さっきの子をストー…見守ってあげないとね?)


 彼女はナユカのスキルがなんなのか、あとはただただ可愛い子とお近づきになれたらいいなという下心でナユカのあとをついて行く。やっていることは思いっきりストーカーなのだが、あいにくそれを指摘できるような人物はここにはいなかった。


「【見守る者】」


 そう技を発動させた彼女はあっという間に姿かたち、影や音さえも全て跡形もなく消えていった。







ステータス


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名前 ナユカ


所持金 500G



HP 0├───────────┨


MP 0├───────╂───┤


スキル


パッシブ


魅力 魔力



アクティブ


火 回す 植物鑑定 躱す 火炎 叩く ジャンプ 赤 魔法陣



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