私はしがない商人、馬車で荷物を運び方々の国々を転々としながら様々な品を売り歩いている身。
根無し草と言われてしまえばそれまでだけれど、この生活が案外気に入っている。
そりゃまあ、相応の危険は付きまとうけれども……冒険者になれなかった私が唯一世界を見て回れる手段がこれだったのだから仕方ない。
実際面白い物や、珍しい品々を見る事ができるというのは役得だと思う。
思うんだけどね……時折ぶっ飛んだ人とかに会うと心臓が持たないの。
適齢期は過ぎているけれど、これでもうら若い娘だからね……。
これはそんな人達との出会いの記録。
お父さん、お母さん、私は今日もどこかで胃痛にうなされています……。