「……なぁんだ、まだ夕方だったのか」
沈む太陽に照らされながら地上へと落ちていく飛彩。
その顔は満足そうな笑みを浮かべていた。
まさに大災害とも言える戦いで、飛彩は守りたいものを守り切ったのだ。
「あの時、俺を助けてくれてありがとう……ナンバーワン」
死を覚悟しなかまら、飛彩は今まで言えなかった礼の言葉をとうとう口に出す。
飛彩を縛っていた過去の悪夢がやっと精算された。
本当はもっと借りがあるだろうが、自分にはこれが限界だと飛彩は目を閉じようとした。
だが、その刹那に半透明なヴィジョンが数十メートル下に発生する。
閉じかけた目が見開かれた。
「あ?」
そのまま謎の力で引きずり込まれるように、一瞬でそこまで移動する。
それを繰り返すうちにどんどんと飛彩は地上へと近づいて行った。
「ふんっ!」
あと数十メートルで地表というところで、横から現れたジーニアスに抱えられる。
「ナイスファイトだった! 少年!」
疲れ切った飛彩の思考が追いつかぬ間に二人が無事に着地するヴィジョンが地表に現れ、瞬間移動がごとくそこへと吸い寄せられた。
着地の勢いはジーニアスが全て受け止めている。
「飛彩!」
「飛彩くん!」
ジーニアスを押し飛ばし、蘭華とホリィが飛彩に抱きついた。
二人は大粒の涙を流しながら生還した飛彩へと顔を擦り付けている。
「よかった! よかったよ〜!」
「私を置いていくとか、どういう意味ですか!」
「——ははっ、死ぬよりウザってぇな、ここは」
怪我人だろうと御構い無しにくっつく二人を翔香とエレナが回収する。
その二人の目にも涙が浮かんでいた。
「これがお前の守った世界だ、飛彩!」
「おまけに暑苦しいときた」
「そんな口がきけるなら、まだ大丈夫そうだね」
差し伸べられた二人の戦友の手を掴み、飛彩はゆっくりと立ち上がる。
左腕は黒い光を放ちながら生身の腕へと戻っていった。
「封印されていた左腕、か……」
そして飛彩の生還の知らせは、護利隊本部にも届く。
カクリとメイが抱き合い、黒斗は誰にも見られないように瞳を抑えてから眼鏡をかけ直した。
「任務完了だ!」
その瞬間、様々な場所で歓声が上がった。
護利隊本部やヒーロー本部だけでなく、ヒーローの勝利が届いた市井の人々も安堵の歓声をあげる。
耳には届かない歓喜に包まれる中、飛彩は世界を救った左腕をまじまじと見つめた。
勝利を掴み取った左腕を掲げ、昂ぶった気持ちが盛大に咆哮をあげさせる。
新たなる英雄、ヒーローを守るヒーローが、ここに誕生した。
大規模侵攻、終戦!
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『次章予告』
見事、ギャブランに勝利した飛彩。
都市を守りきった飛彩に今度こそヒーロー本部への転属が命じられることになるが、
そこで飛彩が選んだ選択とは……?
次回!
『『『俺の仕事はヒーローを守ること』』』
「守ってやるぜ! ヒーローの変身途中!」
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