「そんな事を言っても、誰がニヌペ王国王太子様と喧嘩なんてできるかよ。
皆、ニヌペ王国が怖くて誰も王太子様と喧嘩なんてしていないさ。
ダニエタン様は今までニヌペ王国の後ろ盾で勝ってただけなんだよ」
むかついたのでこのどこぞの男爵令息が黙るまで攻撃した。
どこぞの男爵令息君は黙った。
俺様が強いからどこぞの男爵令息君は黙ったんだ。
俺様強い。だから俺様偉い。
「お前が弱いから負けたんだろう。それを言い訳しやがって。
お前じゃ俺に勝てない。言い訳するな。
お前なんか必要ない」
こんな弱くて俺様に勝てない言い訳をする雑魚なんて必要ない。
こんなのは下に付ける価値もない。いらない。
腕でも追ってやろうとした。
どこぞの男爵令息君の家来兵隊達が騒ぎ出す。
かまいやしない。乱戦になっても俺様の家来兵隊が潰す。
俺様が俺様自身の強さで下に付けてきた家来兵隊達の強さが周囲に広まる。
それはつまり俺様が強い偉いという事だ。
「勘弁してやってくれよ。それは俺の弟分でな」
イケメンが割って入ってきた。
なんだこいつ、むかつくイケメンだな。
なんだか無性にむかついてきて、怒りがこのイケメンに向いてきた。
俺様はイケメンが嫌いなんだ。
俺様は幾ら強くても偉くてもイケメンじゃない。
だからイケメンが憎い。羨ましい。
俺様はイケメンになりたい。
「なんだお前、イケメンだな。むかつく。
俺様はイケメンを見かけたら殴ってやると決めてるんだ」
女ってのは、強い男が好きだ。
女のが好きになるのは ”強い俺様>俺様より弱いイケメン” こうなんだ。
こうであるべきなんだ。
それなのに、女は強い俺様より俺様より弱いイケメンを好きになる。
「死なない程度に殴ってくれよ。それであんたの気が済むならな」
お望み通り殴ってやった。
俺様は強い。
「おい、お前は俺様が強くて勝てないから、だから怖くて何もできないんだろう」
皆、俺様に勝てなくて、俺様が怖いから言い訳をする。
「黙ってやられておこうと思ったが、やめよう。
それじゃあんたがあまりに可哀想だ」
「あぁ?俺様が可哀想だぁ?
俺様がイケメンじゃないからか。
俺様は確かにイケメンじゃないが、俺様は強い。
だから俺様は可哀想じゃない」
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