……ご観劇中の皆さまへ、申し上げます。
劇中にて、桜井令士が一つの答えを導き出し、教会の中へと進んでいきました。
そして、彼は再び探偵として、鏡ヶ原で起きた事件の解答を提示します。
そこで、今回も私は物語の朗読をあえて中断し、ここで皆さまへささやかなご案内をさせていただきます。
私が朗読を中断した現時点までに。
事件の真相を推測する手がかりは示されました。
桜井令士が犯人を知ることができたように。
ご観劇中の皆さまもまた、犯人を知ることができることになります。
……さて、それでは推理の道標として、この事件において桜井令士が導いた、六つの公理を明示します。
一。分割された魂魄は、片方が死亡した場合、もう一方に還元される。
二。魂魄は生体機能を持つ人間、或いは人型の人形にしか宿れない。
三。聖痕は死亡するか抉り取ることで無くなる。
四。鏡ヶ原で実験用に製造された人形は三体である。
五。被害者の殺害とほぼ同時期に、地鳴りが発生している。
六。被害者は教会で殺害された後、直線状に移動させられ、教会から遠く離れた場所で発見された。
以上の公理を杖として、皆さまが桜井令士と
同じく、真相へ至りますよう、お祈りいたします。
この物語が、どうか望まれる形に進んでいくように。
……失礼。脱線してはいけませんね。
さて、それでは。
朗読を再開させていただきます。
どうぞ最後まで、ごゆっくりご観劇くださいませ…………。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!