幻影回忌 ーTrilogy of GHOSTー【ゴーストサーガ】

観劇者への挑戦状付、変格ホラーミステリ三部作。
至堂文斗
至堂文斗

【ご観劇中の皆様へ】

公開日時: 2021年10月2日(土) 20:12
文字数:587

 ……ご観劇中の皆さまへ、申し上げます。

 劇中にて、桜井令士が一つの答えを導き出し、教会の中へと進んでいきました。

 そして、彼は再び探偵として、鏡ヶ原で起きた事件の解答を提示します。

 そこで、今回も私は物語の朗読をあえて中断し、ここで皆さまへささやかなご案内をさせていただきます。

 私が朗読を中断した現時点までに。

 事件の真相を推測する手がかりは示されました。

 桜井令士が犯人を知ることができたように。

 ご観劇中の皆さまもまた、犯人を知ることができることになります。

 ……さて、それでは推理の道標として、この事件において桜井令士が導いた、六つの公理を明示します。


 一。分割された魂魄は、片方が死亡した場合、もう一方に還元される。

 二。魂魄は生体機能を持つ人間、或いは人型の人形にしか宿れない。

 三。聖痕は死亡するか抉り取ることで無くなる。

 四。鏡ヶ原で実験用に製造された人形は三体である。

 五。被害者の殺害とほぼ同時期に、地鳴りが発生している。

 六。被害者は教会で殺害された後、直線状に移動させられ、教会から遠く離れた場所で発見された。


 以上の公理を杖として、皆さまが桜井令士と

 同じく、真相へ至りますよう、お祈りいたします。


 この物語が、どうか望まれる形に進んでいくように。


 ……失礼。脱線してはいけませんね。

 さて、それでは。

 朗読を再開させていただきます。

 どうぞ最後まで、ごゆっくりご観劇くださいませ…………。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート