……ご観劇中の皆さまへ、申し上げます。
劇中にて、桜井令士が一つの答えを導き出し、仲間の元へと向かいました。
そして、これから彼は、黒影館で起きた事件の解答を提示します。
換言すれば、桜井令士はこの時点で事件の真相へとたどり着いたということであり、
この時点で、事件の真相を推測する手掛かりは提示されたということになります。
霊の蔓延る、人知を超えたクローズド・サークル。
しかしその中にもルールは存在し、その手を血に染めた殺人者もまた存在します。
そして私は、皆さまへの道標として、この事件において桜井令士が導いた、四つの公理を明示します。
一。実験された人間は、拒否反応が起きると、魂ごと肉体が砕け散り、死亡する。
二。実験された人間には、体のどこかしらにアザのような痕跡『聖痕』が現れる。
三。魂を取り出すのに、魂を戻すのにも、凡そ五分ほどの時間がかかってしまう。
四。魂を取り出され、三十分以上経った肉体は死体となり、魂を戻しても生ける屍のように、痛覚を感じなくなってしまう。
以上の公理を杖として、皆さまが桜井令士と同じく真相へ至りますよう、お祈りいたします。
……さて、それでは。
劇の再開とさせていただきます。
どうぞ皆さま、最後までごゆっくりご観劇くださいませ…………。
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