例の大戦で部隊が全滅する様な目に遭った私は、長い昏睡から目を覚ますと来海重悟と言う男に間違えられていた。
どうやら、私と来海氏は元々似たような人相や体格をしていた様なのだが、昏睡のおり、顔に負った火傷でもって塩梅が変わり、瓜二つと言って言い顔立ちになってしまったのだと思われる。
しかし、どうにもこの来海と言う男は色々な人に好かれる人柄だった様で、最初は間違われる度内心鬱陶しさがあったそれも今では少しずつ楽しみになってきて、医者連中の手伝いなど自分から申し出たりもしている。
そんな風に復員船の順番を待っていた時だ、来海重悟宛の手紙が一通、私に届いた。