廃墟と化した街、東京。
世界に異変が生じたのは。2030年の初頭だ。
夏のことだった。
巨大な地震が、世界各地で起こったのは。
あの日から、人々の生活は激変した。
暴徒化する市民。
失われていく食料。
断絶したライフライン。
世界の中心には、底の見えない穴が出現した。
太平洋赤道域の中央部(日付変更線付近)から南米のペルー沿岸にかけての海域で、直径数十キロにも及ぶサークルが、周囲の海水を飲み込むように現れた。
上空には二つの星があった。
1つは月だ。
そしてもう1つ、ガラスのような青い表面の球状の物体が、月と並ぶようにして浮かんでいた。
星が落ちてきた日。
人々は、そう名付けた。
空に浮かんだ星が、地上に落下してきた日を。
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