宿を初めて出るがたまに人間が来るとはいえ珍しいのか、俺のことを周りからジロジロ見られた。
しかしそれよりもサニーテ以外の民と出会うのだから、少々緊張するが楽しみでもある。
「さて到着しました!ここですよ!」
サニーテに連れられて来た場所は森の中で、ツリーハウスのような家だった。
そこには金髪で美しい白色の男性エルフと、銀髪で褐色の女性ダークエルフがいた。
「やぁサニーテじゃないか!ん?隣にいる人間は?」
「こんにちはリヒト!紹介するね!こちらは人間界からやってきた棚和。そしてこちらのエルフがリヒトで、そちらのダークエルフがスパーダよ!」
「人間…か…」
どうやら俺はエルフのリヒトの内心はわからないが、ダークエルフのスパーダには歓迎されいなさそうだ…
「リヒト、スパーダ。私が命の駆け引きをする闘いが嫌いなことは知ってるよね?私は娯楽のために命を落とすのを止めたいの!」
「まぁその気持ちはわからなくはないけど、止めるってどうやって?しかも止めたところで闘神の力はなくなり王国は滅びるんだよ?」
「その闘いの代わりに別の闘いをするの!」
「そんなものあるわけ…ない…そもそも…私は楽しいから命の駆け引きをするだけ…」
ダークエルフのスパーダがボソッとそう言った。
「ちょっと横から人間の俺がすまんが、楽しいから命の駆け引きをするのはわかったが、自分が命を失った時のこととか考えないのか?」
「そんなもの…最初から覚悟なんてできている…そもそもだ…この世界の勝ち負けは生か死だけ…それを娯楽にしてるだけだ…」
生か死しか考えないとは…しかもそれを娯楽に…戦闘狂というだけでイカれている…だが…
「1つ聞きたい。スパーダにはもう再戦したい人っているのか?」
「もう1回どころか…何回も闘いたい人がいた…それも何人…も…でももう私が命を…奪った…」
やっぱり戦闘狂は生死だけではなく、何度も再戦したい相手が存在するかもとは思っていたがそれは当たっていた。
また問い詰めたりまではしないが、命を奪ったのは観戦者の熱気も上げるためであろう。
仮に観戦者の熱気も上げなければ闘神の力は弱まってしまう。
「なら!人間界では当たり前だが命の駆け引きをせずに、観戦者の熱気を上げる夢のような闘い方がある!」
「そ…そんなの…ある…の?」
「そんなものあるわけないだろ?」
スパーダとリヒトは共に疑問を抱くが…確かにダウンしたら負けだけでは、もうこの生死まで賭けてる世界では満足しないだろう。
「普通の闘いではなく…魅せる闘いをすれば良い!サニーテから聞いたがこの世界の闘いはただの攻撃のぶつかり合い。もちろん人間界にもそのような闘い方はある。だがもう1つ人間界には闘い方があるんだ。それはプロレスと言って魅せる闘いだ!」
「普通の闘いと魅せる闘いってどう違うんだ?」
「例えばだ。普通なら少ないエネルギーで相手を効率よく倒そうと闘うが、魅せる闘いはそうではない。どれだけ観客を楽しませ相手を倒すかが大事なんだ!」
そうプロレスとはどれだけ観客を楽しませるかが大事。
仮に10何連勝もして強いことを証明しても、内容がつまらなければブーイングの嵐。
「ただ魅せると言っても僕たちにできるのかい?今まで命の駆け引きしかやったことしかないんだよ?」
「そこは俺が指導する。もちろん指導してないことだって魅せられるのならやっても良い。そしてだスパーダ…」
スパーダには先ほどの件で言っておきたいことがある。
「スパーダは再戦したい人がいるって言っていたな。命を失った者との再戦はできないが、これからはできるようになるよ。」
「!」
最初はスパーダからは歓迎されてない様子だったが、今は少し明るい感じになったようだ。
「まぁちょっと強引に話を進めてしまったが、サニーテの命の駆け引きを無くすという願いを叶えるためにも、どうかリヒト、スパーダに協力をお願いしたい!」
「「…」」
リヒト、スパーダは考え始め…
「1回だけやって様子を見て良い感じだったら完全に協力をするよ」
「私…も…」
「リヒト、スパーダ…ありがとう!」
「リヒト、スパーダ本当にありがとう!私の願い絶対に叶えてみせる!」
リヒトとスパーダはまだ様子見だが了承を得て、俺とサニーテは深く感謝をした。
これで残るはゴブリン、オーク、ゴーレムの3種族だ!
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