リヒトとスパーダを説得しオーク達の見張りを頼み、俺は盗人のオークとゴブリン達と話しを始めた。
オークは身長2.5メートルありそうな毛深く、そして強靭な肉体でありスキンヘッドの男性オーク。
ゴブリンは俺より身長が低く大体1.5メートルくらいで赤髪で薄い緑肌の女性ゴブリンだった。
「さて聞きたいことがいくつかあるのだが、お前らは何のためにどうやって何回盗みをしたんだ?」
「ワシはただ富のために盗みを働いているだけだぁ?回数としてはそうだな…100回は超えてるかなぁ。」
「貴様!盗みを働いている「だけ」だと!?しかも100回も!」
「落ち着け…!リヒト!」
温厚なリヒトがここまで取り乱すとは…
「それは今まで誰にも捕まらずにか?」
「そうだぁ…そもそもこの世界で捕まったら死だぁ。」
サニーテの情報によればオークは機動力がないはずだが、100回以上も捕まらずには成功できるだろうか…
「お前100回も捕まらずにどうやって?」
「そこはわっちが説明しようか」
女性ゴブリンがいきなり会話に入ってきた。
「オークには物理力がある分機動力は無いが、わっち…そうゴブリンには機動力がある。互いに弱点を補ってる。こいつはターゲットの前に現れたら自慢の物理力で地面を揺らし怯ませ、その隙にわっちは穴を掘り地面から出てきて盗み逃げる感じだ。」
地面を揺らされて怯みさらに地面から盗まれたら動揺してて、確かに機動力がないオークでも逃げられるな。
ここまで考えているとはならば今ここで…
「よしわかった…お前らはこれより…」
「「うッ…」」
オークとゴブリンは死を覚悟した目で、そしてリヒトとスパーダは武器を構えている。
しかし俺は…
「俺の仲間になれ!」
「「「「「…え!?」」」」」
まぁ全員動揺するだろう。
しかし100回以上も盗みを働いて今回が初めての失敗。
「棚和ふざけているのか!?こいつらは…!」
「ふざけてはいない。この能力、才能はプロレスに生かせるはずだ!なぁどうだ?俺たちは命の駆け引きを無くす代わりに、魅せる闘いプロレスを広めようとしている。その手助けをしてくれないか?もちろん仲間になれば見逃してやるが、もし裏切ったりしたら…わかるな?」
圧をかけて誘ってみる。
仲間になるか死しか選択はなく普通なら選ぶ択は1つしか無いが。
「わ…わかりました…プロレスというのはよくわからないが仲間になります…」
「仲間になるだぁ…」
よし。圧をかけたのもあったからなのか上手くいった。
「じゃあ契約成立だ。もし裏切ったりしたら、その時はリヒト、スパーダ頼む。」
「さっさとこういう奴らは始末した方がいいんだけど…わかったよ。」
こうしてオークとゴブリンは俺らの仲間になったが、あくまでも元々は盗人警戒しておこう。
「そういえばお前ら名前は聞いてなかったな。オークの方から教えてくれ。」
「ワシはウェルというだぁ」
「わっちはファメというよ」
「あとお前らプロレスでは富は手に入らないがファメ、有名になって人気なら手に入るかもな」
「そうなのか!わっちやる気出てきた!」
さっきまで始末されそうになり戦意喪失になっていたりしてたが、一気に切り替えてやる気になるとは…さすが単純なゴブリンといったところか?
また、これはプロレスならではだが、正義はもちろん悪役でも人気になれることはできる。
ただそれは個人の頑張り次第だが。
さて…オークのウェル、ゴブリンのファメをスカウトしたしこれで残るはゴーレムのみ!
そろそろリングなどの準備に取り掛かり、スムーズにさせたいから一旦2つのグループで別行動をするか。
「あ、ちゃんとさっき盗んだ宝石は返しておけよ?」
「「は…はい…」」
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