異世界でバトルdeSHOW

〜命の駆け引きをする闘いから魅せる闘いへ〜
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6話 盗人(後編)

公開日時: 2022年10月10日(月) 12:18
文字数:1,487

 リヒトとスパーダを説得しオーク達の見張りを頼み、俺は盗人のオークとゴブリン達と話しを始めた。


 オークは身長2.5メートルありそうな毛深く、そして強靭な肉体でありスキンヘッドの男性オーク。


 ゴブリンは俺より身長が低く大体1.5メートルくらいで赤髪で薄い緑肌の女性ゴブリンだった。


「さて聞きたいことがいくつかあるのだが、お前らは何のためにどうやって何回盗みをしたんだ?」


「ワシはただ富のために盗みを働いているだけだぁ?回数としてはそうだな…100回は超えてるかなぁ。」


「貴様!盗みを働いている「だけ」だと!?しかも100回も!」


「落ち着け…!リヒト!」


 温厚なリヒトがここまで取り乱すとは…


「それは今まで誰にも捕まらずにか?」


「そうだぁ…そもそもこの世界で捕まったら死だぁ。」


 サニーテの情報によればオークは機動力がないはずだが、100回以上も捕まらずには成功できるだろうか…


「お前100回も捕まらずにどうやって?」


「そこはわっちが説明しようか」


 女性ゴブリンがいきなり会話に入ってきた。


「オークには物理力がある分機動力は無いが、わっち…そうゴブリンには機動力がある。互いに弱点を補ってる。こいつはターゲットの前に現れたら自慢の物理力で地面を揺らし怯ませ、その隙にわっちは穴を掘り地面から出てきて盗み逃げる感じだ。」


 地面を揺らされて怯みさらに地面から盗まれたら動揺してて、確かに機動力がないオークでも逃げられるな。


 ここまで考えているとはならば今ここで…


「よしわかった…お前らはこれより…」


「「うッ…」」


 オークとゴブリンは死を覚悟した目で、そしてリヒトとスパーダは武器を構えている。




 しかし俺は…




「俺の仲間になれ!」


「「「「「…え!?」」」」」


 まぁ全員動揺するだろう。


 しかし100回以上も盗みを働いて今回が初めての失敗。


「棚和ふざけているのか!?こいつらは…!」


「ふざけてはいない。この能力、才能はプロレスに生かせるはずだ!なぁどうだ?俺たちは命の駆け引きを無くす代わりに、魅せる闘いプロレスを広めようとしている。その手助けをしてくれないか?もちろん仲間になれば見逃してやるが、もし裏切ったりしたら…わかるな?」


 圧をかけて誘ってみる。


 仲間になるか死しか選択はなく普通なら選ぶ択は1つしか無いが。


「わ…わかりました…プロレスというのはよくわからないが仲間になります…」


「仲間になるだぁ…」


 よし。圧をかけたのもあったからなのか上手くいった。


「じゃあ契約成立だ。もし裏切ったりしたら、その時はリヒト、スパーダ頼む。」


「さっさとこういう奴らは始末した方がいいんだけど…わかったよ。」


 こうしてオークとゴブリンは俺らの仲間になったが、あくまでも元々は盗人警戒しておこう。




「そういえばお前ら名前は聞いてなかったな。オークの方から教えてくれ。」


「ワシはウェルというだぁ」


「わっちはファメというよ」


「あとお前らプロレスでは富は手に入らないがファメ、有名になって人気なら手に入るかもな」


「そうなのか!わっちやる気出てきた!」


 さっきまで始末されそうになり戦意喪失になっていたりしてたが、一気に切り替えてやる気になるとは…さすが単純なゴブリンといったところか?


 また、これはプロレスならではだが、正義はもちろん悪役でも人気になれることはできる。


 ただそれは個人の頑張り次第だが。


 さて…オークのウェル、ゴブリンのファメをスカウトしたしこれで残るはゴーレムのみ!


 そろそろリングなどの準備に取り掛かり、スムーズにさせたいから一旦2つのグループで別行動をするか。


「あ、ちゃんとさっき盗んだ宝石は返しておけよ?」


「「は…はい…」」

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