『水樹、聞こえるか?』
『聞こえてる』
『追跡は一旦中止する』
『はあ!?何言ってんの??』
『わかるだろう?これ以上は危険が大きい』
『大きいって言ったって、すぐ近くにいるんだよ!?』
『“可能性”としてはな。あくまで俺たちの仕事は情報通信だ。あとは警備運用部のメンバーが引き継ぐ』
『引き継ぐったって…、今追ってる真っ最中なんだけど!』
『万が一にも駅に入られたら、民間人に危険が及ぶ可能性がある』
『だからって、野放しはもっと危険でしょ?!』
『追跡自体は継続する。とにかくお前はケンタと合流しろ』
はああ!?
目の前にいるかもしれないってのに、合流?
そんな暇があったら今すぐ駅の中に行って、敵がいないかを探るべきじゃない??
毎度思うけど、多少危険を冒してでも捕まえに行かないと、今回みたいなしょーもない事件が起こるってわかんないかな…
人が多いところでの戦闘は御法度。
それはわかる。
だけど、他にも色々と方法はある。
アイザックってあれなんだよね。
良くも悪くも、自分たちの仕事の領分を弁えてる。
余計なことはしないし、やることはやる。
正直融通が利かないっていうか、もうちょっと柔軟に考えられないかな?
警備運用部の人たちなんて、どうせ見回りくらいしかやらないってわかってるのに…
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