『犯人を見つけた。今、線路の下にいる』
『線路の下?』
『ゲートダウンハイツは見える?』
『ああ』
『正面入り口の前にある高架下。駅の西口方面に向かってる』
『わかった。映像を送ってくれるか?』
『ねえ、雷落としてもいい?』
『だめだ』
『なんで?手っ取り早いじゃん』
『危険すぎる。この前も言っただろう。俺たちの仕事はあくまで“サポート”だ』
『出力は抑えるって。気絶する程度にはさ』
『だめと言ったらだめだ』
『ケチだなぁ』
ポケットワークスで通信してるのは会社の上司で、名前はアイザック。
同じスキルメーカーで、10歳も歳上だ。
『情報通信部』という部署の立ち上げ時から活動してる人で、ランクは「C」。
この“ランク”っていうのは、スキルメーカーたちの“品質”を表す記号で、DS細胞の成熟度、及び細胞レベルの指標でもある。
単純にその人の「強さ」を示してるって感じじゃなくて、いかに自分の能力を引き出すことができているか。
コントロールすることができているかに関わっている。
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