私は、「電磁気系統(ボルティック)」の能力を扱えるスキルメーカーだ。
体内で電磁気力を生成することができ、外へと放出するエネルギーに変換することができる。
燃料も何も搭載していないエア・シュートを動かすことができるのは、私自身が“動力”の源になっているためだ。
“歩く発電所”って言われてるんだ。
その気になれば、東京中の明かりを灯すことだって可能だった。
サンダーズ・ゲート(電気の道)。
電気で構成した“糸”を張り巡らし、目黒区内の監視カメラに侵入する。
電子の世界。
私の頭の中で、街の各所に設置された監視カメラの映像が流れ込んでくる。
送られてきた座標を中心にして、範囲を絞る。
半径にして約1キロ。
これだけあれば十分でしょ。
…えーっと、車は…っと。
あったあった。
大通りの交差点で、白い軽バンが乗り捨てられているのがわかった。
運転席側のドアは開いたままで、2車線に跨るように斜めに捨てられていた。
どうやら、隙間を通り抜けようとして前方の車とぶつかったみたいだ。
巻き込まれた車の何台かがハザードを焚いてて、路上で警察に電話してる人が何人かいた。
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