——バシュッ
ボードの底についた小型のジェットエンジンが噴射する。
ブワッと後方に吹く風が、教室のカーテンを大きく揺らす。
さて、目的地はっと。
ポケットワークスに入るメッセージは、「敵」の情報を教えてくれる掲示板の役割を担っていた。
24時間体制で管理されているネットワークは、私たちにとっての「監視塔」だった。
言い忘れたけど、スキルメーカーたちの“一部”は政府に雇われていた。
日本の政府とかじゃなく、無国籍の、——っていうんだろうか?
EUが私たちを討伐するための機関を立ち上げてるって言ったでしょ?
ややこしいんだけど、それはあくまで“表向き”に過ぎない。
当然、私たちが危険な存在に変わりはない。
平気で人を襲ったり、犯罪を犯したりする奴らがいる。
大きすぎる力は、人に害をもたらす。
目には目を。
ようするに、そういうこと。
無国籍団体『ネクスト・コーポレーション』は、国際的な資金を基に創設された民間軍事会社だ。
私たちは「兵士」として雇われていた。
犯罪者を捕まえるための、「警察」として。
——また、スキルメーカーたちの“対抗策”として。
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