歩道橋の下を潜る。
建ち並ぶビルと、直線上に続いていく道。
このまままっすぐ進んでいけば、品川区に着く。
目黒区美術館を通り過ぎ、かむろ坂通りが見えてくれば、首都高速の橋梁が交差点の中に横切っていく。
ビルのどこか。
逆の立場になって考えるんだ。
歩道橋を潜り抜けたあたりで、いくつかの大きなビルに目が移った。
山手通りは見晴らしがいい。
中目黒駅から品川方面に向けて、遮るものが何もないかのように整然と道が続いていた。
センサーが設置されている道路の周辺には、密集したマンションが。
一か八か。
この「技」を使えば、多分敵に気づかれる。
範囲が大きい分、より大きなエネルギーを使ってしまう。
自分が今いる場所をわざわざ公開するようなもので、わかりやすい狼煙を上げるようなものだった。
でも、そうも言ってらんない。
時間が経てば経つほど逃げるチャンスを与えてしまう。
ボードを上に傾け、一気に出力を上げる。
空へと急上昇する。
ビルとビルの、間。
より効率よく、技の効果範囲を広げられる場所へ。
ヒュンッ
ビルの屋上が見える高さまで上昇した後、空中で回転した。
ボードを空に向け、膝を曲げる。
逆さ吊りになるような形で地上を見下ろした。
上空に濃度の濃い電磁場を張り、ボードの底と磁場の壁を接着させる。
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