「スキルメーカーがいたんだってね」
「そうなんだけど…、痕跡を失ってさ」
「今私たちも行方を追ってるけど、うまく逃げたっぽいね」
「この近くにいたんだけどね。もしかしたら偽物だったかも」
「監視カメラにはいくつか映ってたけど、移動が早くてさ」
「…じゃ、やっぱり」
「周辺地域には警備の人たちが配置されるって」
「どうせ見回りでしょ?」
「ハハッ。言い方」
「だってそうじゃん?ろくに動かないっていうか、ちゃんと見てるかどうかわかんないっていうかさ」
「言いたいことはわかるよ。とりあえず座らない?新宿方面に行ったとしたら、管轄が変わってくるしさ?」
「うん…」
なんか、悔しいな。
青嶺颯汰。
監視カメラを見ても、やっぱりアイツだった。
直接会ったのは今回が初めてだった。
品川区では度々目撃されてて、目黒ステーションでは要注意人物としてマークされてた。
そう遠くには行ってないはずだ。
それはなんとなく感じてた。
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