「消えた…?」
姿が消えた。
元から、パルス・ボムで得た情報は持続しない。
一時的に空間の情報を得られるだけで、もって数秒程度。
確かに路地にいた。
それは間違いなかった。
一気に急降下した後、敵の進行方向に侵入する。
敵の位置がわかる範囲で先回りしたつもりだった。
だけどそこに、敵の姿はなかった。
(バレてる?)
敵の情報はまだわかってない。
系統によっては光学迷彩は意味をなさない。
電子視覚のパターンを変える。
対象を変えることで、より広い範囲で情報の“中身”を調べられる。
温度、材質、質量。
私がなんで情報通信部にいるかわかる?
どこに隠れたって、それは「壁」にはならない。
「見つけた」
マンションの中に隠れている。
恐らく咄嗟に中に入ったんだろう。
エントランスの部分で息を潜めてた。
必死に息を殺してるみたいだけど、意味ないから。
おとなしく出てきたほうがいいよ?
痛い思いをしたくないならね。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!