『緊急指令』
ポケットワークスから、連絡が入った。
どうやら、近くに“来ている”みたいだ。
「ごめん、咲。先生に保健室に行くって言っといて」
「えー!?また??」
ったく、めんどくさい…
なんでこう、毎度毎度タイミングが悪いんだろう。
咲は目をまん丸にして困惑してた。
今週に入って三度目だもんね?
教室の窓から、飛び出すのは。
ダンッ
上履きの底が擦れる。
全開にした窓のレールの上に右足を乗せ、思い切り膝を伸ばした。
重力が一瞬の間ほぐれる。
校舎の4階から見える、東京の街。
外に出るには、教室の窓からがいちばん手っ取り早い。
4階ってわりと高いけど、私にとっては全然。
それに、私には“相棒”がいる。
窓のそばに立てかけてあった、エア・シュート。
空を飛ぶために設計されたこのボードは、ブレイズ・エッジのメンバー、“ネズ”が作ってくれたものだ。
私の“電気”を使えば、自由自在に空を飛ぶことが可能だった。
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