巫女と勇気の八大地獄巡り

勇気リンリンの地獄旅
主道 学
主道 学

3-20

公開日時: 2024年2月28日(水) 07:11
文字数:391

  女の人しかいないんじゃ?


 廊下の突き当りの階段へまた戻る。行き交う人々はOLしかいない。首を傾げて、三階へ上り。また同じような廊下へ出ると、今度は社長室を探した。廊下の中央にある社長室はガラス張りの一室で、外から中の様子がよく見える。谷柿さんは、社長室の正面の大きな机にいた。割り箸でおでこを叩きながら唸っている。


 谷柿さんは、ここの社長さんなのかな?


 おっと、弁当か?!


「あのー、谷柿さん? 俺、弁当持ってきました」

「……ふっ……弁当を忘れた……よ。うん? おお、君は火端くんだね。私のために弁当をはるばる民宿から持ってきてくれたのか!」

「はい!」

「ありがとう。せっかくだし、お茶でもどうだい?」

「はい! ありがと。丁度喉が乾いていたんだよ」


 俺は谷柿さんへ弁当を渡すと、社長室でお茶を頂いた。丁度いい渋味のお茶だった。後は、民宿へ帰るだけだな。


 おや?


 白い猫が俺の後ろにいる?

 

 どこから来たんだ?


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